【見学】佐原商家町ホテルNIPPONIA.歴史的建造物を活かした分散型ホテルの魅力

【見学】佐原商家町ホテルNIPPONIA.歴史的建造物を活かした分散型ホテルの魅力

今回は2025年6月に見学させていただいた「佐原商家町ホテルNIPPONIA」の記事です。

SNSのほうでは以前発信させていただきましたが、改めてブログにも見学レポートをまとめさせていただきます。記事公開まで遅くなり申し訳ありません汗

佐原商家町ホテルNIPPONIA

千葉県香取市佐原「佐原商家町ホテルNIPPONIA」へ。

佐原、皆さんも一度は行かれたことがあると思います。私も幼少期からもう何度訪れたか分からないほどよく訪問し、私のブログ記事では50本以上執筆しているのですが、まだ書き足りないくらい魅力的な街です。

今回、ご縁があって「佐原商家町ホテルNIPPONIA」の関係者の方々にNIPPONIAの建物を案内していただくことになりました。NIPPONIAは以前から泊まってみたい憧れの宿の一つで、お声がけいただけるとは思わず驚きです。

「NIPPONIA SAWARA」は佐原に残る古民家や蔵などを宿泊施設、飲食店などに改装し続け、佐原が現在のように観光地として大きく賑わいを見せる仕組みづくりを支援しているのだそうです。詳しくはホームページを合わせてご覧ください。

NIPPONIAは、各地に点在して残されている古民家を、
その歴史性を尊重しながら客室や飲食店、または店舗としてリノベーションを行い、
その土地の文化や歴史を実感できる複合宿泊施設として再生していく取組みです。

NIPPONIA SAWARA(ニッポニアサワラ)では、築100年超の古民家や蔵を含む建物を宿泊施設、
飲食店などに改装する古民家再生をはじめ、地域の新たな魅力を掘り起し、
観光コンテンツとして提供する着地型ツーリズムの開発や、地域産品を活かした土産物開発など、
地域を活性化させていくための仕組み作りを支援しています。
歴史的な町並み全体を、「ひとつのホテル」と見立て、その歴史ある空間に包まれ、
趣を感じながら、この土地に、歴史に、町に、溶けこむように過ごす体験を提供することで、
この地の魅力を伝え、国内外から訪れる人々との地域や世代を超えた交流・繋がりを紡いでいきます。
NIPPONIA SAWARA(ニッポニアサワラ)は、 『日本の佐原』を通して、
豊かな地域社会を受け継ぐ『日本の素晴らしさ』を発信していきます。

ホームページより

私が幼少期に訪れた時の佐原は、まだ今のように観光地化されておらず古い町並みがそのまま時が流れ、古い商店が営業しているという印象を受けていたのですが、近年はこうした古民家再生、宿泊施設の増加に伴って新しくお洒落なお店が続々とオープンし、若い世代も気軽に楽しめる観光地となっています。その佐原の変遷を陰ながら支えていたのが「NIPPONIA SAWARA」さんだったことを今回初めて知りました。貴重なお話をありがとうございました。

HOSTEL Co-EDO SAWARA

ここから見学レポートです!

千葉県香取市イ474−8「和風の宿 ホステルコエド佐原」を最初に案内いただきました。

こちらは建物自体は新しいものですが、佐原にあるゲストハウスとして以前から気になっていました。気軽に宿泊できるゲストハウスがあるのが嬉しいですよね。

総部屋数20室。一人旅から友達と、さらに一棟貸切まで幅広く利用できるらしく、よく利用している常連さんの話が面白かったです。

共用のロビーには本やパンフレットがたくさん。旅先でこういう読み物が置いてあると助かります。

佐原は観光地なので食事施設も多く素泊まりでも困らないかもしれませんが、シェアキッチンや敷地内にキッチンカーがあり、地元のミリンを使ったハイボールがとっても美味しそうでした!

LE UN(ルアン) 佐原商家町ホテル NIPPONIA

次はNIPPONIAのレストランと受付棟へ。酒蔵の近く。佐原駅より徒歩10分ほど。

千葉県香取市佐原イ1708−2「LE UN(ルアン) 佐原商家町ホテル NIPPONIA」

300年以上の酒蔵を改装した建物内は、古い部分は生かしつつ、洗練されたお洒落な空間となっておりNIPPONIAを利用する方々を迎えます。NIPPONIAに宿泊する方はこちらでチェックインをします。

分散型ホテル
「佐原商家町ホテルNIPPONIA」
分散型ホテルは、まち全体を1つの空間として捉えることで、訪れる人たちが自ずとまちを回遊し人や文化と触れ合う時間や、一棟貸しなどの客室で周りを気にせず過ごすプライベートな時間を生み出します。

分散型ホテル「佐原商家町ホテルNIPPONIA」は、江戸優りと言われ水郷の郷として栄えた当時の情緒を残し、歴史的文化的価値を持つ建物をまちごと再活用することで、独自の文化と歴史や人の営みを自然なかたちで体験する、これまでの旅行とは違うユニークな旅を実現しています。

フロント棟から宿泊棟、宿泊棟からレストランへの移動時間でのまち歩きこそが、分散型ホテルの魅力です。
まち歩きによって、普段は出会えなかったものに出会い、感動する。
このまちならではの魅力に触れ、当時の趣に想いを巡らすゆっくりと流れる時間をお楽しみください。

NIPPONIA宿泊者限定で、夕食前後にバーカウンターで利き酒を楽しめるそう。馬場本店酒造の最上白味醂を使ったアレンジドリンクや、東薫酒造の薫り高い日本酒など、地酒を酒蔵で味わうことができるなんて羨ましすぎます。

奥はレストランルアン。佐原の食材や日本酒を使ったフレンチ料理を楽しめます。この日はお昼過ぎだったためランチ利用の方々がお食事中。

NIPPONIA宿泊者は夜このレストランで食事。夜はまたグッと雰囲気が良くなりそうですね~。
まずはランチ利用してみたいです!

そして私的に気になった箇所をじっくりと見学。耐震補強された立派な梁。

大きな階段が続いている先が気になる… かつては2階部分もある酒蔵だったみたいです。マニア的にはこういう階段一つ一つをそのまま残されていると当時の姿が想像できるので嬉しいですね。

テラス席も。

また、近くの香取神宮で挙式+ウェディングや地域のイベント会場としても利用されるらしく、私もこういう歴史ある場所で和モダンな披露宴してみたいな…と夢が膨らみました。佐原でのウェディング憧れますね。

 

SEIGAKU302

NIPPONIA佐原は、佐原のまち全体をひとつのホテルと見立てた、分散型ホテル。フロントでチェックイン後、スタッフの方に案内されて佐原の街へ。宿泊する建物はどれも歴史ある建物で、5棟14室の客室から選べないほど魅力的です!

この日、チェックイン時間前に少しだけ客室を見学させていただきました。まずレストラン棟から近い「SEIGAKU302」へ。

SEIGAKU
定員:4名まで

穀物商、質商を営んでいた名残りを感じる蔵
黒壁と見越しの松が目を引く佐原の名家「清宮利右衛門邸」。
江戸時代から明治にかけて穀物商、質商を営んでいた名残りを感じる歴史情緒ある佇まいが魅力です。
美しい藤紫色が特徴的なアヤメ’青岳城’から名付けました。
https://www.nipponia-sawara.jp/stay

佐原の名家「清宮利右衛門邸」。以前見学会で邸宅の庭を見学したことがあるのですが、蔵もなかなか立派…

その蔵を改装したホテルで、入ると左右に部屋があり天井も高いので開放感があります。

江戸時代に建てられた米蔵を改装した客室。
天井高5m、横幅15mある開放的な空間で、ゆったりとお寛ぎいただけます。
入口の扉は当時から使われていた木製の大きな扉で、南京錠式となっております。室内には江戸時代の木簡なども残されており、探して解読してみるのもお部屋の楽しみ方の一つ。
各所に江戸時代の髄を感じられます。
https://www.nipponia-sawara.jp/stay/seigaku

客室を見て何か違和感に気づきましたでしょうか…?

テレビや時計がないんです!一般的な旅館やホテルだと当たり前のようにあるのですが、ここでは忙しい日常から離れてゆっくりとした時間を過ごせそうです。

客室によって3名、4名利用できるキャパシティはありますが、一番多い利用は2人だそうです!カップル、ご夫婦でという利用シーンが多いのでしょうか。子供連れだと古い建物で泊るのが難しい場合がありますが、NIPPONIA佐原は建物を貸し切る感覚なので周りを気にせずに利用できて良いなと思いました。

風呂は全室檜風呂です!

この蔵で気になったのが入って正面にある重厚な扉。その先には現在お風呂の増築部分が続くのですが、かつてはこの先に何があったのか?入口よりも厳重な扉で気になりました。

YATA102

次はすぐ近くの「YATA」へ。3客室のうち一つ、中央の102へ。

実は数年前にNIPPONIA佐原で泊ってみたいな~と外観を撮影していた場所だったので感慨深いです。

フロントのKAGURA棟から徒歩2分の距離にあるYATA棟。元製綿業を営んでいた商家明治期に建てられた母屋、当時の最先端の技術を活かして造られた土蔵、そして裏庭に面した倉庫の3棟から成る客室棟です。
大きな花弁が特徴的な江戸系古花“八咫の鏡”から名付けました。
https://www.nipponia-sawara.jp/stay/yata

約90年前に建てられた2階建ての土蔵で、元は綿製品を保管していました。
メゾネットタイプの客室で、インテリアには綿を使用しており、当時の生活を想像し楽しめる空間が広がります。
当時から使われていた入口の扉は、南京錠式となっていることも特徴の一つです。
1Fの寛ぎの場となるリビングは綿を作っていた場所、2Fの天井にはかつて滑車が付いていたベットルームがあり、随所に当時の商家らしい名残ある空間でそれぞれの時間をお過ごしいただけます。
蔵に泊まるという非日常感と、当時の趣を残した細部の空間をお楽しみください。
https://www.nipponia-sawara.jp/stay/yata

製綿業を営んでいた邸宅の綿製品を保管していた2階建ての蔵を改装。1階では当時綿を作っていたらしく、綿モチーフのインテリアが空間に溶け込んでいました。

どこを切り取っても絵になる空間…

アメニティも上質なものでこだわりが感じられます。

昔ながらの急な階段を昇って2階へ。

吹き抜けとなっているこの場所には、かつて滑車が設置されていたそうです。1階で作った綿製品を滑車で2階へと運んでいたようです。現在は封鎖されていますが手前の部分が開閉できたのでしょう。

こちらも檜風呂。檜風呂って定期的なメンテナンスが必要で都度買い替えているみたいです。もともと倉庫だった建物を宿泊用として用途を変えながらここまで綺麗に維持されていること自体凄いことなんだなと思いました。

また小野川沿いに構える「SHIPPOU」は外から見学。江戸中期築。かつて米などを保管していた旧伊能家の穀倉。

小野川と佐原の街並みを客室から眺めることができると人気の客室だそうです。

また、忠敬橋のたもとにある明治創業の中村屋商店は現在「VMG CAFE」カフェとして営業中。

サツマイモ生絞りモンブランなどオシャレなデザートが楽しめる。私は小学生の時に中村屋商店として雑貨販売をしていた時に訪問したことがあるのですが、昔からある建物、歴史を活かしつつ現代に合わせた街の賑わいづくりが時間をかけて行われてきたこと、NIPPONIA佐原の関係者の方々や各建築の見学を通して知ることができました。

改めて、貴重なお時間を頂きましてありがとうございました。
今度は実際にランチ、宿泊利用し佐原をまた楽しみたいと思います。

 

ちなみに宿泊予約は公式ホームページから予約したほうが、好きな客室を選ぶことができるのでおすすめだそうです!

 

(訪問日:2025年6月)

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