犬吠駅周辺の今昔。閉業したレトロな「犬吠埼マリンパーク」水族館の現在 -銚子30

犬吠駅周辺の今昔。閉業したレトロな「犬吠埼マリンパーク」水族館の現在 -銚子30

銚子電鉄を乗り継いで、犬吠駅へ到着。風光明媚な犬吠埼へ、とその前に私の目的はとある水族館にある。

「犬吠埼マリンパーク」。閉業後の現在は…

銚子電鉄「犬吠駅」へ到着

千葉県銚子市犬吠埼。銚子電鉄「犬吠駅」へ。流石、犬吠埼灯台や地球が丸く見える丘公園など観光地の最寄り駅ともあり、観光客で賑わっている。

犬吠駅

昭和10年(1935)に「燈台前駅」として開業、現在の駅舎は平成2年にポルトガルの宮殿風建築として建てられたらしい。

ポルトガル風

平成24年(2012年)に老朽化で撤去されてしまったが、駅前広場には廃車になったデハ501と元相模鉄道モニ2022の2両が広場に置かれ、電車の車体を利用したNPO運営の福祉喫茶「電車レストランかふぇ・ど・えがお」として営業していたという。

「関東の駅百選」

老朽化によるリフォーム前は、絵タイルが駅名看板以外にも見られたそうだ。2013年以前に訪れた際の写真を見返してみよう…

名物の「銚電のぬれ煎餅」が実演製造・販売されていたり、銚子や鉄道のお土産が販売されている売店は混雑。

懐かしい瓶ジュースの自販機があるのが嬉しい。

瓶で飲むと美味しい
レトロな乗物たち

犬吠埼には、私が今回宿泊している大新旅館の姉妹店「ホテルニュー大新」や、老舗の「ぎょうけい館」などいくつもの旅館がある。

ホテルニュー大新

「ぎょうけい館」はリニューアルし、とても綺麗なホテルに生まれ変わっているが、犬吠埼灯台が完成・点灯した明治7年(1874)創業!
高村光太郎の詩集「智恵子抄」の執筆活動が行われた宿として有名で、さらに尾崎紅葉や田山花袋、野口英世や伊藤博文、皇太子時代の嘉仁親王(大正天皇)と裕仁親王(昭和天皇)も来館している。いつか宿泊してみたい。

※ぎょうけい館は、2023年1月31日をもって閉館に。気になる方はお早めに。

古そうな看板には、閉業しているお店も多数。

古い看板

グランドホテル磯屋(閉業)、マリンパーク(閉業)。交差点の千代田亭はお食事処だったようだ。

千代田亭向かいの元商店?

千代田亭向かいの商店の隣には、グランドホテル磯屋の入り口の大きなアーチ看板があったようだが、今は無くなっている。

「展望風呂・岩風呂日本一」と書いてあるのが気になる!

グランドホテル磯屋は、2011年の震災後に宿泊客減少のため、2012年に閉館となり、大幅改修をして2021年に「銚子グランドホテル」として再開したが、現在は休業中らしい。大丈夫なのか…

京成ホテルは、「絶景の宿 犬吠埼ホテル」としてリニューアルオープンしている。

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水族館「犬吠埼マリンパーク」

千葉県銚子市犬吠埼9575−1。そして今回の目的地である、水族館は駅から犬吠駅灯台へ向かう途中にある。

水族館は今

「犬吠埼マリンパーク」その文字もほとんど見えなくなっている。

犬吠埼マリンパーク

2018年に閉館したため、現在は静寂に包まれている。検索すると多数の情報が載っているし、犬吠埼灯台に訪れた際に立ち寄った人も多いのではないでしょうか。

私も10年ほど前に訪れた際に、ショーの音楽などが外にいても聞こえた記憶がある。

マリンパーク正面

1954年に開館した際は、銚子市が開設し運営は銚子市観光協会が行っていたという。

2012年のストリートビュー

1963年に「京成マリンパーク犬吠埼水族館」となり、京成電鉄が銚子の観光地化に携わっていた。先ほどの京成ホテルも同様。

看板が残っている

昭和43年に発行された「郷土資料事典」には次のように紹介されている。

京成マリンパーク<犬吠埼水族館>
犬吠埼への入り口左側にあり、ここから灯台までは歩いて5分くらいである。館内には大小24の水槽があり、魚の種類は多い。アオウミガメの発生標本をはじめ、沢山の標本も陳列され、海浜の動植物について学びながら楽しむことができる。

しかし、2011年の東日本大震災の影響で津波を恐れる風評被害を受けて来観客数が大幅に落ち込み、2018年に閉館に。その後、館内に残された動物、特にバンドウイルカの「ハニー」が話題になった。

外壁が新しく

閉館後も元飼育スタッフが世話をしつつ、譲渡先を探していたが、2020年に閉塞性腸炎により死亡したという。そのニュースは記憶に新しい。

完全に廃墟になっているのかと思いきや、2019年に再開に向けた補修工事が行われているらしい。確かにピンク色から水色の外観に変わっていた。

裏には犬吠埼ホテル

今後、再開するのだろうか…

ちなみに、地球が丸く見える丘は日露戦争当時、海軍がバルチック艦隊見張りのために建てたのが最初らしい。

 

犬吠埼、多くの観光客は訪れているが廃墟状態の建物も多くて気になる。

 

(訪問日:2021年11月)

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