ビジネスマンション「大老」、廃墟の城「英国館」は千葉栄町にあり。
千葉県千葉市中央区。県庁所在地もあるこの都市には、「栄町」という陰の歴史を持つ街がある。一昔前は駅前商店街として栄えていたのだが…
そう簡単に街のイメージが変わることもなく、令和になった現在も、変わらずホテルや風呂が多い街である。
栄町でひと際目を引く建物が「英国館」という名の廃墟。天守閣を持つ廃墟…かと思いきや、2階から上はビジネスホテルだという。かなり濃い組み合わせの英国館とビジネスマンション「大老」が気になるという話。
駅から徒歩0分「英国館」&ビジネスマンション大老
栄町へは、総武線も通っている千葉駅から徒歩で5分くらいで行くことができる。アクセスはとても良いだろう。…が、千葉の中心でもある千葉駅をちょっと外れると場末感が漂う、というところが千葉らしさかもしれない。お宝がたくさん眠っていそうだ。
千葉都市モノレールを利用した場合、「栄町」で降りるとその隣に巨大な城が現れる。
これが「英国館」と呼ばれる廃墟だ。
廃墟の城「英国館」とは?
ビルに天守閣の装飾をつけたかのような、豪華なつくりである。数えると7階建てのつくりである。
しかし、1階部分の廃墟化は凄まじい。不法投棄をしている人がいるのか、よくわからないモノが落ちていたり、落書きなども。
よく見てみると、装飾はとても凝った造りだと思う。バブルの頃に贅沢を惜しまず作られたものなのか…現在こうした装飾をあしらったお店は少ない。
「御入浴料5000円コース90分」と書かれた看板からお風呂屋だったのだろう。
廃墟と化してしまうのは少しもったいないような気もするが、廃墟マニアにとっては良い塩梅だろう。
ビジネスマンション「大老」で殿様気分?
廃墟の城「英国館」に興味津々だったのだが、英国館を横に回ってみると、小さいながらも看板が出ているのに気づく。「マンション大老」…マンションだったのか。
ビジネスマンション「大老」…ビジネスマンションとは?ビジネスホテルの古い言い回しなのだろうか?そして入り口の近くには、「ビジネスマンションタイロー」と新しい看板が設置されている。
ビジネスホテルではなく、ビジネスマンションというのがこだわりなのだろうか。比較的新しめの看板にもビジネスマンションの文字。
2階から上の階はビジネスホテルとして使われているようだ。詳細はわからないが、現在も営業中のよう。てっきり建物全部廃墟だと思っていた…
受付は5階。
ショートタイム、1日~長期滞在 お気軽にご利用下さい。とのこと。
最上階の部屋からはと、千葉を眺望できる。
ディープな気分を味わいつつ、と殿様気分を味わえるのはビジネスマンション大老、ここだけだろう…
追記:キャバレー 「杯一」
最近、栄町に大きなキャバレーが存在したというお話を伺ったので興味が湧き、調べてみると大きなグランドキャバレー「杯一」というお店が千葉市中央区栄町通りに存在したという。千葉市随一の夜の盛り場であった栄町は、時代の変化とともに姿を変えていった。
1998年9月の稲毛通信によると、キャバレーの閉店を次のように記述している。
昨年三月にはロイヤルプラザホテルが廃業したが、今度は栄町と栄枯盛衰をともにしてきたキャバレー杯一が八月いっぱいで閉店した。
キャバレー杯一がオープンしたのは昭和三十七年、三十年余という長い間、サラリーマン、商店主、公務員などの夜の憩いの場となってきた。ホステスも最高の時は百人以上を数え、杯一は東京品川区大井に本社がある山口商会が経営するチェーン店の一つ。神奈川県の鶴見、東京池袋に系列店がある。かつては連日大入りという月もあった店も最近はめっきり客足が落ちていた。
昭和37年(1962年)から平成10年(1998年)まで営業。閉店の際に働いていたホステスの方は約70人。赤い文字が大きく目立つ建物は現在残っていない。
写真がほとんど残っていないみたいで、残っている1枚から自分で描いたもの↓
杯一というのは何て読むのかと思ったら「杯一(ぱいいち)」と読むのですね。栄町には他にもキャバレーがあったみたいだけど、「ハワイ」かな?詳しいことはわからない。
追記:読者よりコメント
グランドキャバレー『杯一』は四半世紀前に行ったことがあります。 大きなステージでバンドが演奏していて、昭和の邦画か東京パノラマ マンボ ボーイズを思わせる雰囲気に圧倒されました。
昭和の映画に出てくるような世界が本当に存在したのですね~
現在の栄町は千葉市随一の盛り場だった頃を忘れ、完全に寂れてしまっている。栄町の探索もしたことがあるのだが、どこか不思議な気持ちになる街だった。また記事に書きたいと思う。
(訪問日:2020年2月)
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大老って営業してたんですね…名前と建物の雰囲気がまた渋すぎですよね。確かに殿様気分で千葉の街を見下ろせそうです。しかしどう見ても和風なのに、何で英国館なのか、とても不思議でした。
この近辺はお風呂屋さん、韓国料理店、廃墟ビル、コインパーキングが目立ち、千葉の他の街にはない雰囲気を醸し出してて、面白いと思います。建物もかなり前に建てたものが多そうですが、当時より防火や耐震、日影等の建築規制が厳しくなってるせいで、同規模のものを建てるにはお金もよりかかる、下手すると建てられさえしないから、だましだまし使うしかないのかもしれません。
杯一が閉店した時は私もまだ子供なので、行った事はありませんが、ハワイという店は、以前船橋にもありました。酔っ払った上司に1回連れていかれ(笑)。お酒をいただきながら女性と会話しつつ、ダンスホールみたいなスペースがあって踊ったりと、貴重な体験でした。あんな広い飲み屋さんに行ったのは、今に至るまで他にありません。規模からして杯一も似たような雰囲気だったのかもしれませんね。
大老、遠くからも目立ちますし異様な佇まいですよね…実際に宿泊はしたことがないのですが、眺めが気になります笑
杯一は船橋にもあったのですね!キャバレー自体絶滅危惧種になっていますし、とても貴重な体験をされたのですね✨
英国館はソープでバブル以前からありました。多分50年位前からあったと思う。
ソープはバブル以前から造りは豪華でしたよ。
橋の近くに太平洋戦争をイメージした大きな看板があって、予科練というキャバレーの様な飲み屋の様な店だったらしい。行った事が無いので、予科練がどんな店だったのかは不明です。
ソープでは角海老が有名で、老舗でしたね。今は存在しないかな?
昔住んでた家の近くのアパートに角海老で働いてる人が住んでて、よく角海老の文字が入ってるタオルを干してましたよ。これじゃ働いてるのがバレちゃいますね。