旧伊勢丹回転展望レストラン。人気を博した松戸旧伊勢丹の回転展望レストランの末路
松戸駅から見える白い展望台のような建物が気になっていた。調べてみると、回転展望レストランのようだが、同じく千葉県にある船橋のららぽーとでも同じような建物を見た覚えがあった。
回転展望レストランというのは、平成生まれの私にとっては馴染みが無いものだが、デパートと併設して作られたバブルの象徴とも言うべきものかもしれない。
松戸・旧伊勢丹の回転展望レストラン
千葉県、松戸。MADCITYなどとも呼ばれる密かにディープスポットが集まる場所と噂されているこの地に、UFOのような白い展望台がある。
松戸駅西口を降り、「きてみてまつど通り」と名付けられた道を進むと、ビルの屋上に白い展望台があるのが見える。
…どうやら、「松戸ビル」というビルらしい。
きてみてまつど通りには、イマドキの飲食店やお店が立ち並び、若者や家族連れが多い印象。ぞろぞろと松戸ビルの中へ。松戸ビルは、以前の伊勢丹に代わり「KITEMITEMATSUDO」というショッピングセンターになっている。
回転展望レストランがある建物に入り、松戸ビルの案内図を確認してみるが、回転展望レストランの名前は無かった。エレベーターの表示は20階まであるが、立ち入りできないようになっている。
回転展望レストランは、現在は何にも使われていないのだろう。
松戸ビルの歴史
1974年に完成した松戸ビルは、古参の超高層ビルとして名が知られている。2003年までホテルニューオータニが14階から20階まで入居していた。
その同時期に、最上階にある回転展望レストランも営業していたようだ。「スカイブルーラウンジ」という展望レストランの名称は、当時の人々にとっては心が躍るものだったのかもしれない。
回転展望レストランは、松戸だけでなく、全国で人気を博したものだったようだ。回転展望レストランは、フロア全体がゆっくりと回転しており、建物の周囲の景色を楽しむことができる。
1960年代から70年代にかけて現代的レストランとしてもてはやされたものの、維持費がかかるとの理由から次第に姿を消していった。
現在も営業している回転展望レストランも全国にあるとのこと。ぜひ一度楽しんでみたい。
追記:テレ朝グッドモーニングのクイズにて
テレビ朝日の朝のニュース番組「グッド!モーニング」にて回転展望レストランのクイズが出題されていた。
「回転展望レストランは何を見てもらうために建てられたのか?」
皆さんはわかりますか?
正解は「富士山」とのこと。
ホテルニューオータニは1964年の東京オリンピックに合わせてスピード建設された。ユニットバス開発で工期短縮に成功。
大谷米太郎は大成建設に「最上階の展望レストランを回転させてすべての客に富士山を見てもらいたい」と要求。
展望レストランの床が回る仕組み。
大成建設は様々な方法を検討し、戦艦大和の技術にたどり着く。主砲を回転させる技術を応用した。
回転の試運転時にテーブルに水を注いだコップを設置、1周約60分水はこぼれなかった。東京五輪は日本の技術力を世界にアピールする絶好の機会になった。
東京オリンピックの影響を受けて回転展望レストランがつくられたのは知らなかった。東京オリンピックが来年に迫る今、残っている松戸の回転展望レストランは静かに眠っている。
千葉県の回転展望レストラン
・柏そごう(千葉県柏市)
柏そごうが2016年に閉店したのと同時に閉店
・ペリエⅠ、千葉駅ビル(千葉県千葉市)
2011年1月閉店
・ニューオータニ松戸(千葉県松戸)
2003年に閉店
船橋ららぽーとにもあった回転展望レストラン
松戸の近くでは、柏そごう店の14かいにも同様のものがあったようだ。ホテルオークラのレストランが入居していた。
私の母が撮影した写真にも同じような回転展望レストランを見かけたことがあると思い、確認してみると、ららぽーと東京ベイにも同じ展望レストランの姿が。
旧船橋そごうとしてららぽーと東京ベイの西館は親しまれていたが、2012年に解体されてしまった。こちらの回転展望レストランにも、ホテルオークラのレストランが入店していたらしい。
今は改修され、その面影は全くない。
船橋漁港から見える回転展望レストランの写真。過去の写真を整理していたら遠くに映っていて感動してしまった。今は見れない風景。
もう10年前になる。改めて写真って大事だな…
実は、以前中国に留学に行った際に、回転展望レストランで食事をしたことがある。西湖のほとりのホテルの屋上が回転展望レストランだった。
初めての回転展望レストランでの食事は、船酔いをしてしまうかのような不思議な感覚だった。
しかし、現在はデパート自体も経営が厳しい状況。回転展望レストランの歴史も忘れ去られようとしている。
(訪問日:2020年6月)
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初めまして
Twitter見させてもらってます
実はこの回転展望は営業している時に点検していました。 構造は駐車場のターンテーブルとと同じ要領で回転しています。
松戸も色々撤退して寂しい街になって来てしまいましたね。
私もワンダーやディープな街並みが好きです。
特に戦争遺跡がすきですね。
またの更新楽しみにしています
はじめまして!コメントありがとうございます。
点検ですか!詳しい方がいて嬉しいです。
戦争遺跡だと、松戸にもたくさん残っていますよね。
あまり戦争遺跡好きな方が多くないので記事書かないのですが、そう言っていただけると増やそうかなと思います!
千葉みなと駅前にあったホテルニューツカモト(現在は、ホテルテトラ?)も最上階は回転していたと思います。
なんとなく、記憶には残っていますが定かではありません。。
ニューオータニ松戸の回転レストランは50年くらい前に私の勤務先の内装設計で完成したっけ・・・
え!そうなのですか、、凄いです笑
松戸ビルの回転フロア、実は賃貸できるんですよね。前に伊勢丹が撤退したあと、お歳暮シーズンの間だけ伊勢丹ギフトセンターの臨時お歳暮の受付会場にもなってました。
え~!賃貸できるんですね!知らなかったです
今日も明かりがついています。
回転はしていませんがw
国鉄時代に千葉駅の回転展望台に一度行きましたが、殆ど記憶が残ってませんね。余り面白く無かったのかもしれません。
40年ほど前に男鹿半島の寒風山回転展望台に行った記憶は残ってて、回転する部分としない部分に両足を乗せて、股裂き状態になってしまいました。
当然昔の事なので寒風山の展望台は無くなってると思ったら、まだ健在なのに驚きました。
昭和39年からあるそうなので、彼是59年になりますね。
恐らく観光地なので利用者も多いから、廃れないのでしょうか?
回転展望台は戦艦の大砲を回転させる技術ですが、振動問題以外は戦艦より楽と思われます。
戦艦には多数の大砲を搭載してるので、これを回転させて他の砲身とぶつからない様に制御するのは難しいと、開発した電気技術者の話を本で読んだ事があります。
砲身は回転だけでなく上を向いたりするし、二段三段にも並んでますからね。