北千住の名物「大橋眼科」。近代病院建築の豪華絢爛さを間近で堪能せよ!

北千住の近代建築といったら思い浮かぶ人も多いであろう「大橋眼科」の建物。北千住駅前通り商店街の一角に、目を見張るような豪華絢爛な洋館がそびえ立っている。
大橋眼科は、現在も眼科として営業されている建物である。病院建築は独特な装飾の建物が多く、とても好きな分野であるが、中でもこの大橋眼科は特別。一線を画す大橋眼科の魅力を伝えたい。
大橋眼科の歴史
「大橋眼科」は、北千住駅から駅前商店街を少し進んだあたり。建物に考慮してか、この場所を避けるように商店街のアーケードがないため、視界が開けて見える。
とても古そうな洋館…と思ったら、昭和57年(1982年)の竣工。

意外と新しいものなのか…とがっかりするのはもったいない。現在の建物が建てられた経緯を知ると、建物に対する愛着が湧くようだ…
現在の建物が建てられる前。大正6年(1971年)に建てられた洋館の医院があったらしい。が、老朽化で取り壊すことになり…

しかし、惜しむ声も多かったため、経営者である鈴木氏が前の建物をイメージして改築したものが現在の建物になるらしい。しかも、都内の様々な近代建築が取り壊される際に部品を集めており、その部品が大橋眼科の建物にも利用されているのだとか。
すごい。取り壊される際に部品を集めていた熱意も尊敬するし、それらを組み合わせて新しく改装するなんて…
次々と近代建築が取り壊される今、こうした動きが広まって欲しいなと思うのだが、資金的に厳しいのかしら。
近代建築「大橋眼科」を堪能
改築されたといっても、元の建築とはかなり似ているらしい。かなり細部まで趣向を凝らしており、立ち止まってゆっくりと見たいものだ。

白くて丸いランプがちょんとついていて、可愛い。

水道からは現代のホースがついているものの、周りが洋風のデザインのため逆に浮いている。

大橋眼科医院と書かれたプレートが、門柱に飾ってある。旧医院時代から存在するものだろうか?門柱の上には、かつての明かりの土台がそのまま残っている。門柱に痕跡があるのは見たことがあるが、残っているのは初めて見た。

玄関の入り口はタイルが敷き詰められている。もしかしたら医院の中も、レトロな雰囲気なのだろうか?眼科、通いたい…

4本の街灯は、もともと昭和通りにあったものだったが、高さを1メートルほど縮めて設置しているらしい。今となっては貴重なレトロな街灯を見ることができる。

また、建物の土台部分にも注目。天使の顔?のようなレリーフが小さいながらも印象が強い。

建物の角には、上半身のレリーフも。芸が細かい…

商店街は多くの人で賑わっているのだが、その中立ち止まって撮影しているのはとても浮いていた。地元の方にとっては、そんなに真新しくもないらしい。
様々な近代建築の想いが詰まった「大橋眼科」の建物。これは建築の保存といった側面でも価値が高いものとして、これからも大切に保管してほしいと思う。
(訪問日:2020年7月)
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