八日市場「出羽宿街灯会」&レトロなたばこ屋 -八日市場⑴

今回は「八日市場駅」へ!総武本線のなかでも、かなり賑わっていて国登録有形文化財も多く残っている街。訪れる前から興奮が止まりません!
まずは、八日市場の歴史と周辺の商店街から探索します。
総武本線「八日市場駅」へ
千葉県匝瑳市八日市場(ようかいちば)イにある、総武本線「八日市場駅」。

八日市場では、住所表記がイロハで表示されている。千葉県ではレア?な街。
駅の開業は、明治30年(1897)。大正15年(1926)には多古線が開業したものの、昭和21年に廃止に。(多古線についてはまた今度、多古の記事で詳しく紹介する。)
「八日市場」という名称からもわかるように、かつて毎月八日に市が開かれ、市場町として発展した歴史がある。平成8年からは、”市”を復活させて商業を活性化させようという目的から、7月に「市場まつり」が開催されているという。
以前は、八日市場市だったが、平成18年(2006)に隣接する匝瑳郡野栄町と合併して匝瑳(そうさ)市になった。かつての八日市場市のホームページがこちら
国立国会図書館に、使われなくなったホームページも保存されているとは驚き…!
線路沿いの気になる写真
八日市場駅北口を降りて、駅前通りではなく、まずは西側へ。

線路沿いは駐車場。その向かい側に、古そうな門柱が残っている駐車場があって気になった。病院の跡地とかだろうか?

線路の向こうには、電車からも見えた廃墟のマンション…周囲に高い建物が無いので目立っている。

そしてさらに進むと、「山七商店」。今は看板がないので閉店したのかもしれない。

その隣に木造家屋。踏切側には古い建物が比較的残っている。

そして、なぜか外に放置されたままのタイルのお風呂?サイズは小さめだが、水色のタイルがとても可愛い。できれば持って帰りたいくらい…

商店街「出羽宿街灯会」
そして踏切へ。踏切から南へ歩いてみる。

県道48号に沿って「出羽宿街灯会」という街灯が並んでいた。

”宿”ということは、宿場町だったのかな?調べると、「下出羽」「上出羽」という地名があることが分かったが、商店街の情報は全くない…

ポストが残っている建物は元商店?

2012年のストリートビューを見ると、向かい側に和菓子屋?「八石堂」というレトロな建物が。
塩小売と電話のホーロー看板が見えるのが惜しい…
こちらは、「ふとんの伊藤」。

閉店のお知らせに哀しくなる。

隣にはクリーニング屋。閉店のお知らせがこんなにシンプルなことってあるだろうか…
同じ並びに、定食屋「内山屋」。地元の方々で賑わっていた。2019年、その隣には「大木屋履物店」の古い建物が。
宿場町だったのかは定かではないが、商店街だったことは伝わってくる。
さらに進むと、木工所など工場関係が多そうだったので引き返すことにした。

透明な街灯は奥まで続いている。果たして昔はどのような様子だったのだろう…

踏切近くの商家
今度は踏切から北側へ。
踏切近くの酒蔵?に残っていた、賀茂鶴のホーロー看板。広島に本社があるらしい。

この通りも先ほどと同じ「出羽宿街灯会」の街灯が並んでいる。

大川モータースの手前に一際古い建物が。今は営業していないようだが、商店だったのだと思う。

電話番号は73番。八日市場で古くから商売をされていたお店だとわかる。

また、軒下の雨樋に、鳥?らしき繊細なデザインが施されていて感動した。細部までこだわりを感じる建物。

同じ並びには蕎麦屋「百木屋」。

そしてさらに北へ進むと、国道と交わる。「下出羽」の交差点へ。

レトロなたばこ屋のショーケース
「下出羽街灯会」は交差点からさらに北へ伸びている。商店街の範囲は意外と広いな~

あんまり商店街らしい雰囲気は感じないが、左側に元商店らしき建物が。ただ、2014年の時点で閉まっているのでわからない。

さらに進んでも左側は駐車場ばかり。今は建物すら残っていない。
交差点の角に「太田商店」が残っていたのは幸い。

現在も営業中なのが嬉しい。そして、横にはタバコ屋のショーケース!

現在は置物が置かれているが、比較的綺麗な状態。

”たばこ”の赤い文字が手描きなのが素敵。交差点の角にあるので多くの人が立ち寄ったんだろうなあ。

さらに進むと、「増田産婦人科」の大きな建物が見えた。

建物はとても綺麗だけど、周りにある塀や門柱が昔のまま残っていてびっくり!
「増田産科婦人科醫院」って旧字体の看板も残っていた。

元々はどんな建物だったのだろう。車通りも少ない道だが、精肉店が営業していた。
裏通りの神社と区画整理
太田商店の交差点から裏通りへ入ると、牛乳店と写真屋があった。街灯はさらに奥まで続いている。

下出羽コミュニティセンターに設置されていた看板。千葉県指定有形文化財に登録されている「木造釈迦涅槃像」が保存されているようだ。

住宅街にひっそりと佇む、村山稲荷神社。

小ぢんまりとした境内だが、石碑などが大切に保管されている。

また、境内にはこの辺りで昭和42年頃から行われた区画整理についての記念碑が設置されていた。

区画整理前のこの地は、苗代場で徳さんの蓮・芹等の園場が点在していたという。区画整理後は、用排水の便が完備され個々に芹栽培を行い、出荷先の東京市場では「八日市場の芹」として名声を博しているという。

八日市場。今回はその歴史と、出羽宿商店街を辿った。あまり情報がなく、商店街の全貌が掴めなかったので知っている方がいたら教えてください!
(訪問日:2021年6月)
-
前の記事
再開発前の旭駅前と、美しい洋館付住宅が気になる -旭⑺ 2021.10.31
-
次の記事
八日市場「西部商店会」。麹藤屋の趣深い建物 -八日市場⑵ 2021.11.01
コメントを書く