本町通り商店街Ⅲ。歴史ある看板建築と旅館「きりや旅館」 -八日市場⑸

本町通り商店街Ⅲ。歴史ある看板建築と旅館「きりや旅館」 -八日市場⑸

八日市場・本町通りの記事3本目。見所が多いので本町通りは記事を3つに分けています。

今回は丁字路から東へ、看板建築や旅館がある地域です。

本町通り商店街の中心にあるお店

千葉県匝瑳市八日市場イ2458。前回紹介した時計台がある丁字路からスタート。

八日市場本町通り

正面には薬師如来石像が建っている。八日市場発祥のシンボルとして新たに安置されたものだという。

薬師如来の説明

そして丁字路に沿って並ぶ個人商店。営業中。

営業中のお店が多い

その中でも特に気になったのは、モンテヤマザキのお店。グーグルマップには「スギヤマモンテ」と書いてある。

スギヤマモンテ

デイリーヤマザキとは違う、モンテヤマザキ。廃墟としてお店の名残を見ることは多いが、実際に営業中のお店は貴重かも。

モンテヤマザキ

外から店内をちらっと覗くと、昭和感のあるコンビニ。照明が素敵だな~
元々は酒屋なのか、お酒の種類も豊富そう。

照明

モンテヤマザキの隣はイワサキ化粧品店。

イワサキ化粧品店

本町通りの東側へ。何度見ても白い街灯がオシャレだな~

街灯が並んでいる

本町通りにあらゆる業種の個人商店が集まっているので買い物には便利だったと思う。

本町通りの現在

家具の浪花屋、やまくカバン店、エドヤ衣料品店、角政本店、松井薬局…ただ、閉店しているお店もある。

昭和8年、松井天山が描いた鳥瞰図を見ると、ヤマク商店や角政商店、片岡商店は同じ場所に描かれている。かなりの老舗だ。

松井薬局、片岡商店
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有形文化財の看板建築「新井時計店」

八日市場を代表する看板建築「新井時計店」が見えてきて感動した。

新井時計店

平成11年に国登録有形文化財に登録されている。そして現在もお店は営業中!

国登録有形文化財

千葉県教育委員会のホームページに詳しく紹介されている。

東金と銚子を結ぶ旧道上にある八日市場本町通り商店街に構えた店舗。

昭和6年(1931)の建築で、木造2階建、瓦葺。洋風商家建築で、現在は使用されていないが、軒蛇腹の下に沿って「トケイハアライ」のネオンサインが掲げられており、昭和初期の商店街の面影をうかがうことができる。

昭和6年の建築。90年前の建物を見ることができるなんて、尊いなあ…

下から見上げる

暗くてわかりづらいかもしれないが、2階の中央に丸い小さなネオンサインが残っている。どのように輝いていたんだろう!

ネオンサイン付

ネオンサインが残っている看板建築を見るのは初めて。

道路に面する側は、モルタルに目地を付け、石造風に仕上げ、隣家に接して道路から見えにくい部分は、波形の鉄板張りになっている。通りに面した正面のみにデザインを施したいわゆる「看板建築」の建物。2階部分は建築当初の姿をよくとどめており、正面上部の三角形の壁面(ペディメント)はギリシア神殿風の印象的な外観をつくる。ペディメント内の菱形の浮き彫りの中にはイニシャルも見られる。正面には、縦長の形の窓を3つ並べているが、中央の窓だけがやや大きく、変化をつけた形となっている。

ギリシア風

上部には「KA」のイニシャル。昔はイニシャルも右読みだったんですね…!

KA

本町通り沿いの建物は、有形文化財に登録されてなくても魅力的な建物が多く見逃せない!

片岡履物店

片岡履物店は、東日本大震災の影響で店舗が痛み、2012年頃に閉店している。横から見ると蔵のようなつくり。

本町通り

向かい側の奥、神社の敷地内にある建物が気になった。倉庫かな?

倉庫?
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レトロな建物「龍泉堂本店」

そして、こちらが私が一番好きな建物!一目惚れしてしまいました…

一目惚れした建物

裏口なのかな?建物の横にある扉が素敵すぎる…!

横にある扉

この扉は裏口にしては重厚感があるなあ…これだけ見ると銀行や質屋を連想させる。

重厚感のある扉

青いスペイン瓦にクリーム色のタイル、和と洋がごちゃ混ぜになった雰囲気がとても好き。思わずスマホのホーム画面にしてしまった。

お気に入りの写真

敷地は奥に長く、塀のブロックなども古そうだ。

店舗の奥にも

扉はなぜか右側だけ取っ手がついている…左は押すのかな?

そして、建物を囲むようにある石の塊のようなものは、囲いだったんだろうなと。

削れているように見える

果たしてこの建物は元どんなお店だったのか…建物を見ただけでは想像がつかなかった。

正面にまわると、「落花煎餅 元祖 初夢?」と書いてあった。…和菓子屋さんか!

元祖?

2012年の時点で閉店しており建物は放置状態。うーん、勿体ない。

正面も素敵だ

昭和8年の鳥瞰図には「龍泉堂本店」と書いてあり、今と似たような建物が描かれている。老舗和菓子店だったんだな…

龍泉堂本店

龍泉堂本店は、いつ頃まで営業していたのだろう?和菓子店にしては大理石や和洋折衷な雰囲気で、当時はハイカラだったんだろうなと思う。

角の柱

しのづか呉服店の方が街のことに詳しいらしいので、今度行ったら伺いたい。

しのづか呉服店
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老舗「きりや旅館」

本町通り沿いにある「きりや旅館」。こちらも一度宿泊してみたい老舗旅館だ。

きりや旅館

昭和8年の鳥瞰図にも旅館桐屋として描かれている。

日本観光旅館連盟

創業は江戸時代で300年続く老舗旅館。宿場町だった面影を残している。

本館

本館は大正時代に建替えられたが、東日本大震災の影響で現在は宿泊できないそうだ。

入り口

昭和に増築された別館もかなりレトロな雰囲気らしい。八日市場で一泊、外房線沿いは宿泊したい旅館が多すぎる…

憧れの旅館

旅館の脇道が気になったので進んでみる。

旅館の脇道

本館の勝手口かな?

勝手口?

すぐ裏は八重垣神社の境内。静寂に包まれる…

右側は八重垣神社

通行止めになっていてそれ以上進めなかった。

通行止め

老舗旅館を囲む塀からも歴史を感じる。正面だけでなく一周してみたくなる雰囲気を感じた。

旅館の裏側
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本町通りの東側の街並み

旅館の向かい側のお店はほとんど閉まっている。

こなや

崩壊の恐れあり、危険という看板さえあり、建物の老朽化が激しい。

崩壊の危険性

魚のイラストが描かれた「扇屋」。元鮮魚店かな。

扇屋

老舗金物店「加瀬金物店」は昭和8年の鳥瞰図にも描かれている。

加瀬金物店

2005年に創業80年としてホームページを開設しているので、今は創業100年近く…大正14年創業。

外観も趣のある

八日市場本町通りの記事はこれで終わり。

今度訪れるときは旅館に宿泊したい…

 

(訪問日:2021年6月)

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