花街?本町通りの裏道に佇むかつての料亭の面影 -八日市場⑺
本町通りの一本裏道。日本料理店のある通りを歩いていると、どこか他の場所とは違う粋な雰囲気が…
かつてここは八日市場の花街だったのではなか。そんな妄想を掻き立てた。
本町通りの裏道
千葉県匝瑳市八日市場イ2487。以前紹介した、八日市場の中心街・本町通りの一本北側にある裏道へ。
グーグルマップには記載がないが、明らかにスナック跡と思われる名残。カラフルなステンドグラスが残っていた。
2階建ての古いアパートの1階に並ぶ4軒のお店はどれも営業していなさそう。
アパートもとても静かだ…本町通りの一本裏道に入るだけで全然雰囲気が違う。人通りも全くない。
アパートの脇に落ちていた、着物教室の看板。
日本料理店「柿岡屋」が営業中
静かな裏道を歩いていると、日本料理店「柿岡屋」が営業中だった。歴史を感じる粋な佇まい…
匝瑳市の中では名店だという。建物も古そうだが、いつから営業しているんだろう。
ふと、風が吹いて、お店の前に川が流れている趣のある光景が流れた。
道路の真ん中にある色が変わっている場所は、暗渠ではないだろうか。
たぶん、昔はこの道には小川が流れていて、和風な佇まいの日本料理店が雰囲気と合っていたに違いない。初めてこの場所を訪れたのに、そんな風に感じてしまった。
廃墟が目立つ裏道
とは言いつつも、隣にはまたしても廃墟になってしまったマンション。
その左隣に割烹料理店「港屋」が控えめに営業していたが、廃墟の方に目を奪われて写真に撮るのを忘れてしまった。
ただ、二軒も裏道に割烹料理店があるということは、普通の道ではないなという想いが強くなる。
先へ進むと道が狭くなり、緑色の外観が素敵な美容室があった。
既に廃業しているようだが、「大木美容院」の木製の文字と窓や扉のデザインが素敵。オシャレだな~
まるで、赤線時代のカフェー建築を想像させるようなハイカラな外観…もしこの裏道が花街だったら?多くの女性が通っていたのかな?
店内をちらり。オレンジ色の照明が残っていた。
電柱のプレートを見ると、「裏町」と書いてある。
当時から、裏町という認識だったのだろうか。ますます、花街の可能性が捨てがたい。
最初のアパートへ戻り、そこから西へ進む。住宅街に、明らかに目立つ青いスペイン瓦の建物。
2014年のストリートビューを見ると、電話番号39番のホーロー看板が。今は撤去されている。
そして、入り口には看板。
不識庵(ふしきあん)。調べてみると、上杉謙信の出家後の庵号だということが分かった。
ここはどういう建物なんだろう。電話番号もあるので歴史があるに違いない。と思っていたら、裏門に茶道・華道教室の看板が。
そして道の真ん中には暗渠?
本町通りの裏道にはかつての華やかさが残っているような気がした。
鳥瞰図から見る花街?
松井天山が昭和8年に描いた鳥瞰図を見てみよう。
真ん中の大通りが本町通り、その一本裏道が今回歩いた道。
見えづらいが、左上の所を見ると、料亭福の家、料亭港屋、料亭千とせ、寿司屋などがみられる。
現在も営業している港屋は昭和8年時点でも営業しているので老舗だと分かった。
また、近くには八日市場町役場もあり、昔はこの辺りが中心街だったのかもしれない。鳥瞰図から、今回の裏道が料亭街だったことが分かったが、現在は区画整理されて店舗も移転しているので往時の面影はない。
また、八日市場に関する花街の情報がネットには無いので、文献からわかったら追記したい。
(訪問日:2021年6月)
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