四街道「野戦重砲兵第四連隊」現存する戦争遺跡を辿って -四街道⑵

四街道に残る戦争遺跡を探して、四街道駅から歩いて探索へ。レンガの門柱が現在も残っており、「野戦砲兵学校」が存在した時代の面影を感じることができます。
四街道「松並木通り」
千葉県四街道市四街道、総武本線「四街道駅」北口から北へ伸びる「松並木通り」へ。

明治27年(1894)に四街道駅が開業した際に、松並木通りが整備されたらしく、明治時代に植えられた松は現在も健在。

樹齢は130年ほど。四街道駅前は整備されていて、昔ながらの商店街は残っていないが松並木通りが残っている。歩いていて、四街道に居た軍人らの闊歩が聞こえてくるような気がした。
松並木通りの消防署前の交差点を左折し、学園通りを進む。千葉敬愛高等学校のアリーナでなはく、第一浄水場がある学園通りの正門を目指す。

第一浄水場近くにも松が一本残っていた。かつてはこの周辺にもたくさん並んでいたのだと思う。

浄水場の向かい側、愛国学園大学の入り口にある門が、野戦重砲兵第四連隊の正門といわれている。軍関係の施設が大学や病院に活用される事例は各地にあり、この場所も大学、高校として活用されているようだ。

今まで松戸駅近くの「旧陸軍工兵学校跡」、京成大久保駅近くの「習志野騎兵学校跡」も探索したので合わせてご覧ください。
まだまだ探索不足だけど、身近な場所にも戦争遺跡が残っていることを多くの人に知ってもらいたいと思い記事を書いている。
野戦重砲兵第四連隊
千葉県四街道市四街道1532。現在、愛国学園大学となっている場所は、野戦重砲兵第四連隊が置かれていた。史跡として石碑が建っている。

古くは原野であった四街道駅周辺は、幕末に佐倉藩西洋式砲術演習の地として拓かれ、明治時代初期に訪れた明治天皇によって「下志津原」と命名されたと、四街道のホームページにある「~明治レトロ ト 軍郷ノ面影ヲ シノブ~」にまとめられている。

その後、富国強兵の波が四街道にも訪れ、数々の陸軍施設と陸軍物資供給目的の四ツ街道駅が開設されました。やがて陸軍施設を中心に陸軍御用商店街が形成され『軍郷』として発展。そして「関東一の大砲射撃場 “下志津” 四ツ街道」として、全国に知られるようになりました。
「関東一の大砲射撃場 “下志津” 四ツ街道」として全国に名を知られていた四街道…
陸軍施設を中心に陸軍御用商店街が存在したとあるが、現在は駅前の商店街の面影すら危うい状態なので全く気付かなかった。京成大久保駅前の商店街は面影が残っているのだけど…四街道はどのあたりに形成されていたのかな。わかったら追記します。

美しいレンガ門。戦前の絵葉書にも載っている門が令和の現在も残っていること、見ることができるのは感慨深い。



また、愛国学園の南向いに元将校集会所だった四街道中央公民館があり、敷地内には傷がついた松がいくつか残っているらしい。また、レンガ門や土手も。訪れる方はぜひ合わせて見学してみてください!

野戦重砲兵第四連隊裏門
愛国学園の北側に、さらに裏門が残っているというので行ってみることにした。緑ヶ丘団地を抜けて住宅街へ。

正門からは少し距離がある。かつての野戦重砲兵第四連隊の敷地が学校施設以外の場所にも広がっていたことがわかる。歩くことで、その広さが実感できるので暑い中歩いて良かったかもしれない。

閑静な住宅街、アパートの隣に目的の裏門が残っていた。

正面から見た、野戦重砲兵第四連隊裏門。あれ、右側の門柱が無い…

何故か残っているのは左側の門柱のみ。正門は綺麗に整備されて活用されていただけに、放置されている裏門との差に驚いた。

残っている門柱も活用されているわけではなく、草が生えていて、ただ建っているだけ。
正門と同じような扉が付いていたのだと思う。
下を見るとコンクリートの板が3枚残っていた。扉の痕跡が見られる。

右側に、少しずれた位置に門柱の土台らしき石が残っていた。それにしても位置がずれていておかしい!と思っていたら、2011年のストリートビューを見て謎が解けた。

2011年時点では、左側と並び右側に土台が残っていた!
かつて右手に存在した倉庫のような建物は無くなり、現在は新し介護センターの建物が建っている。その工事の際に邪魔になったので移動されたのではないか…
撤去されなかっただけ良かったのかな。
また、今回は松並木通りの東側に残る軍馬の碑、大土手山記念碑なども見逃してしまったので次回リベンジしなければならない。現在も開催しているか分からないが、四街道市による「よつかいどう文化財散歩」が楽しそう。地図を見ているだけでは限界があるので、地元の方による案内を一度受けてみたいと思った。
(訪問日:2021年8月)
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