”八都村道路元標”と山田町商工会に残る元呉服店の看板建築 

”八都村道路元標”と山田町商工会に残る元呉服店の看板建築 

今回は地図で見つけた看板建築を一目見るため、香取市小見まで足を伸ばしました。美しい意匠に惚れ惚れ…現在も残っていて嬉しいです…

神里商店会(山田町)

父の運転で香取神宮へ!その前に、少し寄り道をしてどうしても見たかった看板建築に行くことに。途中の道でも「神里商店会」の街灯を発見~

「神里商店会」

角川日本地名大辞典編纂委員会の『角川日本地名大辞典 12 千葉県』(角川書店、1984年)を最近購入したので千葉県の地名についてはこの辞典から調べます。

今回の街灯の神里は、昭和26年(1951)まで千葉県香取郡に存在した「神里(かみさと)村」。その村名の由来は、鎮守木内神社から由来しており、旧小見町内の神社の総本山的な立ち位置の神社らしい。今度行ってみたい。

木村鮮魚店

また、明治34年当時女工数22名を数える山田製糸場が操業していたという。養蚕業が盛んだったことがよくわかる。また、多古や佐原などに繭市場があったのでこの辺りから運んだのだろう。

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八都村道路元標がある交差点

目的地に到着!八都郵便局近くの丁字路へ。

八都郵便局近く

角にひっそりと佇むのが「八都村道路元標」。この元標も歴史の証人。千葉県各地のものを写真に収めたい…

八都村道路元標

先ほどの地名辞典から引用。

八都村(やつむら)

明治22年~昭和29年の香取郡の自治体名。田部・竹ノ内・小見・川上・米野井・高野・神生・仁良の8か村が合併して成立。旧村名を継承した8大字を編成。

養蚕が盛んで、明治42年では桑畑34.4町歩、181戸が従事、また醤油造2戸

8つの村が合併したから八都。そして元標が建っているこの丁字路がその中心だったことが分かる。

醬油醸造が2軒?現在は見当たらないので気になる。

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山田町商工会

この丁字路の周辺に建つ街灯は「山田町商工会」と書いてあった。県道28号なので交通量が多い。

丁字路
山田町商工会

県道28号の南側、左は酒屋の太田屋商店。2012年頃は営業していたが…ストリートビューで確認すると他にもいくつかの商店跡が見える。

県道28号

丁字路から北側も少しだけ探索。右の平野国松商店は営業中。

北側

「星のふるさと山田」と描かれた看板。どういう意味だろうと思い調べてみると、旧山田町は合併前に「星のふるさと」としてアピールをしていたそうだ。

星のふるさと山田

自然豊かで大きな建造物などがないため、満点の星が見えるとか…北斗七星などのモニュメントも並んでいるらしい。知らなかったな~

黒部川手前

そして黒部川手前にある木造2階建ての元商店?が気になった。

元商店?

2階の手摺が微妙に傾いているが現在は空き家なのだろうか…素敵な建物なのにな。

2階の手摺

また、1階も完全に扉が閉まっているが、2012年のストリートビューではまだ営業中だったのかガラス扉が見えている。

時計がたくさん置いてあるように見えるので時計店?Googleマップを見ると「平野時計店」と書いてある。丁字路を中心に小さな商店街があったことをここで記録に残しておこう…

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江戸屋呉服店?近代建築

そして今回の目的地である丁字路の看板建築へ。

丁字路へ

以前まで道沿いにあった壁が取り払われて建物や小屋の様子がよくわかるようになっていた。台風などの被害を受けたのかもしれない。

建物の横に門が併設した邸宅。敷地も広い。道路元標の向かいに構える建物は、八都村で一番の商店だったに違いない。

中心に位置する

現在白い壁で覆われているところは、ショーウィンドウだったようで、下の土台が白と緑色のタイルだったことが過去のストリートビューからわかる。

石で造られたパラペット。小さいけれど中心にリボン、お店の屋号が描かれた可愛らしいデザインに惹かれる。昭和初期頃に造られたものだろうか。

可愛いデザイン!!

100年近く経っても色褪せない美しさ。今の若い世代が見てもきっと心奪われるデザイン。当時はどんなにハイカラだったのだろう…

隣の看板は見えづらくなっているけど、右読みで「江戸屋呉服店」と書いてあるのかな?

江戸屋呉服店

もしかしたら残っていないかも、と思って心配だったが、綺麗な状態で現在も残っていて嬉しかった。お店を閉めてから時間が経っているようだけど、このまま人知れず消えていくのは勿体ないくらい素敵だと思う。

また、「銀世界わた」のホーロー看板も残っていた。銀世界わた、ご存知の方いますか?私は初めて聞きました。

 

また、地元の方によると近くに常夜燈があるとか?要所だったようなので、また今度常夜燈を探しに訪れたいです。

 

 

(訪問日:2021年8月)

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