市原市牛久。上総牛久駅周辺に広がる商店街(旧牛久宿) -牛久⑵
市原市牛久。小湊鉄道「上総牛久駅」の南側に広がる商店街は、かつて宿場町として栄えた通り。現在も老舗や近代建築が残っている。房総往還沿いに残る古い街並みを歩いてみよう。
牛久宿の歴史
市原市牛久(うしく)の歴史について。前回は、上総牛久駅周辺の歴史をまとめたので、町に注目して『集落・町並 千葉県集落・町並実態調査報告書』より引用します。
■沿革
養老川の河岸場と街道の分岐点が結合してできた町で、少なくとも17世紀の前半には街道に沿って細長く町場が形成された(上宿ー中宿―下宿)。江戸時代の始めには、養老川が上宿の裾を洗うように曲流しており、その屈曲部に河岸があった(シタンカシ:下河岸)。ーーーーー
近代に入り、明治20年代には牛久~八幡間に乗合馬車が通ったが、その後、大正14年に小湊鉄道上総牛久駅が開設され駅前も整備された。また、南総地区の商業の中心地として発展した。現在は、国道297号のバイパスが町の北側を通っているため、かつての面影を失いつつあるが、商店街の若手店主が中心となり、イベント(「頼朝祭」)等で町おこしをはかっている。
旧養老川は新田化され、河岸は下宿の方に移ったという。
乗合馬車は現在のタクシーのようなもの。牛久~八幡間の距離は現在の最短距離で17.5㎞。国道297号経由で車で28分だそうだ。人力の時代、凄い…
今回参考にした資料が発行されたのが平成14年(2002)なので、今から20年前の話だがその頃から町おこしのイベントが活発だったことが分かる。牛久では現在も商店街を盛り上げようと楽しいイベントが定期的に開催されている。
牛久の古い街並み(上宿)
千葉県市原市牛久。今回は東側の上宿から駅前通りのある中宿まで歩く。
まずは前回の続きから。線路沿いの裏道を歩き、房総往還(国道409号)へ出る分岐へ。
かつての宿場町時代を感じる「上宿」がバス停に残る。
県道81号との交差点にある「牛久商店街」のアーチ街灯が我々を迎えてくれる。
交差点から南を見ると遠くにレトロなパチンコ店の看板。
東側から西へ向かって牛久商店街の現在を歩いてみよう。地図を見ると意外と営業しているお店があるようだが…
右手に見えた純和風な立派な建物は「寿司割烹 松の家」。右手奥は別館だろうか。内部が気になる。
四代目が営業していたようだが、訪問時(2022年2月)は工事中?Googleマップを見ると閉業とある。最近閉業してしまったのだろうか。
閉店になるならここでランチを食べれば良かったな…(写真にお弁当ののぼりが見える)。
向かいの上町山車格納庫前で碑を発見。
三花…読みづらい。が、その下の文の冒頭に「先生」とあるので地元では有名な方なのかな?わかったらまた追記したい。
門倉商店店舗。右手にもナショナルの店舗がかつては存在した。
ベニープロパン。初めて聞いたが、2010年までそんざいした「ガスエナジー株式会社」のブランド名らしい。
その近くのバス停が「牛久マーケット前」。
牛久マーケット?!市場?
検索しても出てこないし、周辺にはそれらしき建物は無い。もしご存知の方がいたら教えてください!
牛久の古い商店たち
引き続き牛久の古い街並みを探索。
2012年のストリートビューを見ながら記事を書いているが既に閉店している。1階ガレージ付きの旧商店。気になるな。
青い牛乳箱には、かつての「南総町」の表示が。合併前のものということで、1954年以前に設置されたのだろう。
隣は「永嶋豆腐店」。緑色の銅板の看板建築のような佇まいが良い。
左側ではかつて氷の販売も行っていたようだ。その隣は貸問屋の株式会社長島。豆腐店と関係がありそうだな。店頭に「鉱」と描かれているのはどういう意味だろう?
私の知る限りでは、地サイダーの製造元では「鉱(礦)泉所」と表示されている場合があるが、菓子と合わせて地サイダーも製造していた可能性も?
営業中の老舗和菓子屋「こがねや本店」。
街道から少し奥まった位置にある渋い佇まいの「鳶古屋」。
3階建てのビルである「アンドウプラザ」は衣料品店!
まだまだ商店街はつづく。右手には小野精肉店、向かいには米殻燃料の大村商店。
木村鮮魚店、壽屋金物店。
向かいに酒・たばこ・食品・雑貨を扱う㈱茶花屋。屋号は山に叶。
かつては隣にガソリンスタンドも。
金物店の隣に、仏具を扱う丸藤商店、隣が旧丸平商店。向かいに、旧長島青果店、ギフトショップ、三河屋。
丸藤商店は最近改装されて紺色の外観に。そして前面の壁が取り払われたことで蔵が露わに!
かつては両店舗の間にクレープ&喫茶店があったのですね~
また、旧丸平商店の脇を見ると、食料品・金物等文字が四つ垣間見える。
さらに反対側にも。
交差点の角にある2,3階建ての店舗は「加島金物店」。大型店舗だな。屋号は〇に七。
そしてそして、旧道沿いに面した旧旅籠「大津屋旅館」。今は営業していないが、また改めて記事にまとめます!!
醫院が二軒。かつては入り口に石の門柱も。
そして駅前通りへ。駅前の正面にある寂びた二階建ての店舗が気になる!
今は営業していないが「旧福田書店」。テント屋根も破けているが壁の文字が見えるようになっていた。
並びには、旧喫茶店とヤマザキショップだったであろう旧永吉屋商店。
向かいには大正期の店蔵。ここから右手が上総牛久駅前通り。
上宿~中宿、上総牛久駅の駅前通りまで歩いた。冒頭に紹介した平成14年の本に載っていた茅葺屋根の南総薬局は見当たらず。
そして、この駅前通りとの分岐の中宿の南側に添削される前の旧養老川の河岸が存在したという。次回、下宿へ。
(訪問日:2022年2月)
-
前の記事
小湊鐵道「上総牛久駅」文化財の駅舎と近代建築が残る商店街 -牛久⑴ 2023.03.24
-
次の記事
小湊鐵道「上総牛久駅」駅前の蕎麦屋「木村家」でランチ -牛久⑶ 2023.03.27
地元民です。バス停の牛久マーケット前は、以前にその場所に、タカハシスーパーマーケットと言う名前のスーパーがありまして、今は297号に移りました。今のTマートです。