浦安市猫実の探索|猫実の弁財天様・庚申通り専門店会 -浦安⑸

浦安市猫実のエリアを探索。猫実(ねこざね)という地名、読めますか?
弁財天~庚申を中心とした庚申通りに古い建物が健在していました。
浦安「猫実の弁財天様」
千葉県浦安市猫実2丁目23−2「猫実の弁財天様」
浦安市郷土資料館を終え、境川沿いを歩いていると弁財天の入口に遭遇。この路地の奥にあるらしい。入口の構えが立派で立ち寄らないわけにはいかない。

そもそも、この地域の「猫実」という地名は読めますか?
猫実(ねこざね)。
角川書店『日本地名大辞典』によると、「地名は水害に再三襲われたため、豊受神社付近に堤防を築いて植えた松の根を津波が越すことはないとの意味で『根越さね』といったことに由来」とのこと。
明治22年までは猫実村と呼ばれ、漁業に従事している人が多かった。明治13年~15年には3年連続で大規模な火災が起き、壊滅的打撃を受けたそう。現在残っている建物は大火後のものということだろうか。
境川沿いの入口から住宅街の細い裏路地進むと、確かに弁財天があった。

明治17年に建立。大正6年、高潮の大津波で本堂が流されてしまったが、地元の方々によって再建。

本堂の中には、行徳の後藤仏具師作の弁財天が本尊として安置されているという。それは大変興深い!
周りは住宅に囲まれているが、本堂はしっかりと池の中央に建っている。鯉が泳いでおり、ここだけは時代を経ても変わらない場所。
浦安「庚申通り専門店会」を行く
細い路地を抜けて豊受神社がある大通りへ。

その横道を通り、浦安駅方面へ。
猫実の庚申塔にちなんで「庚申通り専門店会」という商店街ある通りへ向かう。商店街の街灯が並ぶが、現在はシャッターを下ろしている店舗も多い。

正面に見えるのはランドマーク的な存在の旧大塚魚店。以前、住宅地図から店名を特定した。

角にあるから「角屋」という屋号だったのかな。
もともとは茅葺屋根だったことが屋根の間から窺える。

この建物のすぐ近くには、純和風な木造2階建ての建物があるが、これは「天理教東浦安分教会」。

千葉県の近代建築をまとめた本にも紹介されていたので古い建物だと思うが詳細は不明。
また、「ぼくの近代建築コレクション」によると、この通りの近く、境川に架かる「記念橋」は、大正天皇即位の御大典事業として大正4年に架橋されたものだという。まったく知らず、見落としていたので再訪問時に注目したい。
庚申堂・浦安小学校跡地
庚申通り引き続き歩いていく。商店街の裏手には古い民家も残っていた。
交差点の手前にある庚申堂。毎月25日に開催される庚申祭、この日も数人が集っていた。以前はお堂の前に露店が建ち並び、多くの参拝者で賑わったという。

向かいには庚申塔。正徳5年に猫実村の庚申講信者によって建てられ、青面金剛菩薩を刻んだ庚申塔では、市内で最も古いもの。
庚申通から浦安駅へ向かう途中、浦安小学校跡地の看板が建っていた。現在は住宅。
明治27年~昭和42年に現在地に移るまでこの地に長らく存在しました。
(訪問日:2022年12月)
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