「旧博物館動物園駅」を見学!昭和初期の駅舎が廃止後、現在も上野公園脇に佇んでいる

「旧博物館動物園駅」を見学!昭和初期の駅舎が廃止後、現在も上野公園脇に佇んでいる

上野公園にある「博物館動物園駅跡」の見学会が開催されていたので、普段は入ることができない駅構内も写真に収めてきました!

レトロな廃駅の現在は?気になる方も多いのではないでしょうか。

上野公園に残る「旧博物館動物園駅」

東京都台東区上野公園13−23。上野公園の北側、東京国立博物館と東京藝術大学の間にある交差点の角に、近代建築が静かに眠っているのをご存知でしょうか。

交差点角に

「昔利用していた!懐かしい」、という方もおそらくいるはず。2004年に廃止後、駅舎やホームなどは当時の姿を残しており、2018年には「東京都選定歴史的建造物」に選定されている。

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旧博物館動物園駅の歴史

旧博物館動物園駅の歴史と現在のプロジェクトについては、京成電鉄のサイト「旧博物館動物園駅」が詳しい。

博物館動物園駅跡
昭和8年

博物館動物園駅は、昭和8年(1933)に「動物園駅前停留所」として開業。平成16年(2004)に廃止されているが、地下駅のホームは現在も電車で通過する際に見ることができる。

レリーフが美しい

小さな国会議事堂のような洋風な外観が特徴的だが、国会議事堂よりも前の建造とのこと。その背景には、駅舎が建つ場所が皇室で代々引き継がれてきた「世伝御料地」という特別な土地だったため、「品位に欠けるものであってはならない」とのお達しから西洋風の荘厳なつくりになったという。

廃止前までこの駅舎が使用されていたため、ホームや通路は薄暗く、戦前からの歴史ある雰囲気を今に伝えている。

照明

休廃止された理由は、ホームが短く4両編成の列車しか停車できないことや利用者の減少など様々あったそうだが、「東京都選定歴史的建造物」に選定され、さらに東京藝術大学と連携して駅舎のリニューアルが行われるなど、保存活用されている。

2018年頃に、一般公開が行われていた際には地上駅舎内に巨大なアナウサギのオブジェが設置されているのを見たことがある。その時は惜しくも見学できなかったので、今回見学が出来ると聞き、即座にかけつけた。

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イベントを通じて駅舎内を見学

2021年12月4日~12月9日に行われた『旧博物館動物園駅×ブルーピリオド・ポップアップストア&ギャラリー』で、旧博物館動物園駅内を見学できると知り、すぐに向かった。

旧博物館動物園駅×ブルーピリオド・ポップアップストア&ギャラリーへ

入場券が千円で、最大4人まで入場できた。私は母と訪れた。

入ってすぐ

外観だけでなく、天井も豪華なレリーフで埋め尽くされていて、うっとり。入る前から立ちすくむ…

天井を見上げると

そして、後付けされた扉を開けて地下へと降りる階段。駅構内は壁を見ても分かるようにほとんど手を入れていない様子。これが逆に良い…

階段
落書きも残る壁

階段の天井の照明跡。

階段上

落書きがたくさん…この駅が多くの人の思い出に残っていることを実感する。

多数の落書き

念願の旧博物館動物園駅の見学。廃駅になった駅舎内を見ることができるなんて、なんだか背徳感があってワクワクしますね…

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切符売り場・改札口跡

階段を降りると、正面がかつての切符売り場と思われる場所。現在は壁と一体化している。

切符売り場跡?

この空間を経て、さらに左側の階段を降りて地下ホームへと繋がっている。

また、今回はイベントの展示中であるため、パネルが多数並んでいる。

こちらは、駅周辺の案内図。全体的に手描きで味わい深い看板…

レトロな案内図も

また、写真には撮っていないが階段の途中であるこの場所にトイレが設置されているのも興味深い。

さらに奥、地下ホームへと通じる改札口は今回はドア越しに見学。いつか間近で見てみたいな。

改札口

きっぷうりばの建物と、使用されていた木製の改札口。実際に見るのは初めてだ…
右の柱には「船橋 成田空港 北総」といった行先の文字も見えた。

左に突き刺さっている巨大なウサギは、2018年時に地上にいたもの。このウサギを鑑賞する際は、走行中の電車から見学してください、とホームページに記載があった。今度見てみよう!

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設計図と建設中の写真

また、設計図と建設中の写真などがまとめられた説明看板も設置されていた。

建設予定地付近の写真

当時の最新技術を用いてつくられている様子。

鉄骨の一部写真

動物園寄りにあるもう一つの出入り口へのスロープの鉄骨の写真。

動物園寄り通路
ドーム型枠組み立て
ドーム型枠外し
開業直前

照明も素晴らしい意匠だったそうだが、現存していなく残念。

ドーム
出札口
いま

旧博物館動物園駅の見学、いかがだったでしょうか。途中、電車が通過すると風圧や音が響いていて、生きた駅舎であることを感じました。これからも変わらずに歴史を伝えてほしいです。

追記:

当時の様子を詳しく覚えている方からのコメントを引用させて頂きます。

今は階段や通路にいろんな配管が新設されていますが、現役当時はもちろんありませんでした。きっぷは券売機がないため改札の近くの窓口で買うのですが、1980年代半ばからは硬券やちぎり軟券ではなく印刷発行機(印発) による発行でした。
営業時間が限定的だったためか、博物館動物園と京成上野で運賃が変わる駅からの回数券(1992年頃までは11枚繋がった手売りの常備券)は、博物館動物園着の設定がなく、発駅↔️日暮里の日暮里の部分に印章で博物館動物園と押印して対応していました。

私は当時のリアルな情景は分からないので、コメントを頂けて嬉しいです!

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博物館動物園駅動物園口跡

そして、もう一つの動物園寄り出入口の現在へ。

説明看板

少し南側の、東京藝術大学の校舎そばにひっそりと残っている。こちらはあまり有名ではないのか、存在感が薄い。

右手にある建物

博物館動物園駅動物園口跡。こちらは、動物園正門が現在地に開設されたことで人の流れが代わり、昭和40年以後に閉鎖されたという。確かに旧正門からは近い距離…

博物館動物園駅動物園口跡

現在は、東京都美術館の資材倉庫として利用されているようで入り口や窓は封鎖されている。

倉庫に

こちらの内部も気になるな~

 

(訪問日:2021年12月)

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