銚子、最後の銭湯「松の湯」熱々、地元愛あふれる銭湯 -銚子⒇
銚子に残る最後の銭湯「松の湯」へ。
千葉県内の銭湯を巡っている私としては、銚子の銭湯を入らないわけにはいかない!そして銚子の人々の人情を感じる銭湯、いやコミュニティの場でもありました。
銚子最後の銭湯「松の湯」
千葉県銚子市新生町2丁目12−24。JR銚子駅から東へ徒歩15分ほど。銚子電鉄の「仲ノ町駅」と「観音駅」の間に位置する銭湯だ。
表通りから一本裏道にある「松の湯」。「ちば銭湯インフォメーション」によると、基本情報は以下の通り。
営業時間 12時30分~22時
休業日 第三木曜日(祝日は翌日)
漁師町だからか、銭湯がお昼から開店している。千葉県各地巡っているが、12時30分から営業している銭湯は他では見たことが無いな…
建物は比較的新しい。2階がコインランドリーになっている。
銚子は古くから漁師町として栄えてきた。漁師町に欠かせないのが熱々のお風呂を提供する銭湯。当然、銚子にも昔は多数存在したのだった。
以前、銚子の銭湯一覧をまとめたことがある。→千葉県銭湯一覧(廃業含)~銚子・成田・佐原編~
銚子市内だけで29件!戦前の情報が無い銭湯を含めると、今では考えられないほど各地に銭湯が存在した。29件存在したうちの、最後の一軒が今回の「松の湯」である。
比較的最近まで営業していたのが、本町の「花の湯」、新生町「大漁湯」(現在も建物が残る)、愛宕町「浅間湯」(2017年廃業)などなど。
現在も銭湯の遺構は残っている場所があるものの、実質入ることができるのは松の湯のみ。これは機械を逃したら次は無いと覚悟を持って入ることに。
夜、松の湯で入浴
大新旅館で連泊をしているので、2日目の夜に松の湯へ。
夕方から夜にかけてお邪魔したが、既に賑わっていた。地元の方だけでなく、合宿で近くに宿泊していると思われるような若い学生なども。男性側はかなり賑わっていたのではないかと思う。
入り口外に喫煙所があるので、銭湯上がりに一服、お酒を飲んでいる人など、初めて訪れると他の場所の銭湯の雰囲気との違いに驚くかもしれないが、店主もお客さんと混じってい談笑している雰囲気、とても好きだった。
脱衣所、浴室、すべて昔のまま。
常連さんと思われる高齢の方々が慣れた手で身体を洗って、さっとお湯に浸かる。「今日も労働疲れたわ~」などと言い、銭湯で疲れを癒していた。
浴室はいたってシンプルで2つ。
どちらも入浴剤とかは入っていなかったと思う。が、とにかく熱い。足を入れるだけでも我慢ならないくらい。48度ほど。流石漁師町だと思った。
常連の女性たちは肩まで浸かっていた。
風呂から上がり、脱衣所で瓶ジュースを120円で購入しようとしたところ番台さんがいない。常連の方が「そこに置いておきな~」と教えてくれた。その方は他の銭湯が無くなったので3年ほど松の湯に通っているらしい。
店主に話を伺うと、昭和20年代に創業し、現在3代目。建替えはしているが、内装は古い。撮影してもネットには載せないでね、と仰っていたので内装は載せることはできない。
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クチコミを見て心配だったけど地元の方に愛される素敵な銭湯だった。Googleマップの口コミは賛否両論わかれる。
「本当に汚い、大声、客層、ない方がマシ」などと。
熱めとちょうど良い温度で疲れが取れたし、初めてにも関わらず常連さんと仲良くなれて銚子の人々の温かさを感じる場所だった。どう思うかはその人の相性もあると思う。
銚子最後の銭湯。どうかいつまでもお元気で。
(訪問日:2021年11月)
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