旧西廣家隣の「西宮神社」&「和田不動堂」。銚子を代表するお不動様と眺望 -銚子39

旧西廣家隣の「西宮神社」&「和田不動堂」。銚子を代表するお不動様と眺望 -銚子39

旧西廣家住宅の見学を終え、おススメされたのが隣にある西宮神社と和田不動堂。

特に和田不動堂からの眺望がすばらしいとのことで、丘の上の神社に立ち寄ってみた。

旧西廣家隣の西宮神社

千葉県銚子市植松町6231。前回の記事で国登録有形文化財である「旧西廣家住宅」を見学。その際に、ボランティアの方に隣の神社に立ち寄ってみては、とおススメされた。

旧西廣家住宅の江戸時代の倉庫の南側に鳥居が見えるので、すぐ近く。

奥に鳥居が見える

なぜか鳥居全体の写真を撮るのを忘れたが、鳥居は昭和9年11月に竣工したことが分かる。

昭和初期の鳥居

東部不動ヶ丘公園内にある西宮神社。

西宮神社

インターネットで検索しても情報が全然無いし、Googleマップの口コミも無い。あまり注目されていない神社なのだろうか。

狛犬
明治 竣工

現在は綺麗に塗装されているが、社殿を囲む壁の鯛と波の彫刻が美しい。

彫刻
左右に

彫刻は左右の柱にまで。小さな社殿いっぱいに描かれており、小さいが賑やかな建造物だ。

柱の彫刻
柱の彫刻 2

奉納された看板を見ると、昭和17年とある。

昭和17年

地元の方々によって大切にされていることがよく分かる綺麗な社だった。

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和田不動堂

西宮神社の南側へ。公園の遊歩道を抜けると、和田不動堂の本堂が見えた。

道がグーグルマップに載っていないので迷いそうになった。地元の方でなければなかなか訪れないひっそりとした雰囲気。

和田山不動堂

無人。

苔がむした景観がとてつもなく惹かれるのは何故だろう。改装されず、昔の情景がそのまま令和の時代も残っている。

石畳の参道

普段は無人だが、毎年8月の「不動まつり」の際は御開帳があり、御朱印をいただくこともできるという。

本堂

そして本堂の彫刻も見事。

本堂の彫刻
猫?

神社仏閣が好きな方にとっては有名な場所なのだろうか。初めて知ったが、過去一を争う雰囲気の良さだった。

西国講中
日本橋
木製の電柱
照明の傘
庚申塔など

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和田不動堂の歴史

和田不動堂について境内に説明看板が設置されていた。助かります。

説明看板あり

和田不動堂の創建は、本尊である「不動明王像」の底部にある墨書銘から1720年(享保5)と伝えられています。円福寺の境外仏堂として、漁業関係者の信仰を集め、飯沼観音に次ぐ信仰者を誇っていました。

銚子を代表する、飯沼観音に次ぐ信仰者…!今の姿からは想像できないほど。

境内の石造物の寄進・奉納者には、銚子や波崎(現茨城県神栖市)の漁民や江戸商人(海産物関係者)の名前を見ることができます。
不動堂は、桁行三間、梁間三間、入母屋造りの瓦棒銅板葺きで、棟札より1849年(嘉永2)以前の建立です。

赤松宗旦著「利根川図志」では、利根川の河口を見下ろす景観を「景観至つてよろし。」と記しています。「田場のお不動様」と呼ばれ、毎年8月には祭りが行われています。

下の絵図は「下総名勝図絵」のもの。

下総名勝図絵

恐らく戦前の一枚。利根川の河口を眺めることが出来た素晴らしい眺望だ。

和田不動堂より利根川河口を望む
現在
境内には多数の石造物がある

長い階段を降りて、和田不動堂の麓へ。門柱が建っている表参道だ。

公園の中央口でもある

先ほどの絵図にも描かれていた表参道へと架かる橋。

橋も健在
東京の魚問屋の奉納

かつて田園風景が広がっていた不動堂の周辺は住宅街となり、麓の水路も埋まっていた。

水路跡?

和田不動堂、皆さんも銚子に訪れた際はぜひ立ち寄ってみて下さいね。

追記:日本三大弁天池

Twitterで和田山不動堂について追加情報を教えて頂きました。

「銚子の歴史と伝説」によると、上野の不忍池とともに「日本三大弁天池」の一つといわれていたそうです。もう一つはどこなのだろう?

平成5年3月に現在の公園が整備されたそうで、整備以前は”荒れ果てた”境内だったそうな。住宅地となる以前の和田山不動堂の姿を見てみたいものですね~

 

 

(訪問日:2022年1月)

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