銚子の老舗「大新旅館」に宿泊。千葉県で最も古い360年の歴史 -銚子25

銚子の老舗「大新旅館」に宿泊。千葉県で最も古い360年の歴史 -銚子25

千葉県を代表する老舗旅館「大新旅館」は、銚子で江戸時代から360年以上の伝統をもつ老舗中の老舗!

以前から気になっていた、千葉県で一番古い旅館に2泊3日宿泊してきましたので、今回はその魅力をお届けします!昭和が好きな方は宿泊してみてください!

銚子「大新旅館」

千葉県銚子市中央町10−27。利根川沿いに位置する銚子の「大新旅館」へ。

大新旅館

JR銚子駅からは徒歩10分!銚子を観光するにもアクセスが良いので、おススメ。

歴史を感じる外観

戦後すぐに建てられたピンク色の外観が目印。

利根川側から

≪料金≫
素泊り 5,500円(税込)
1泊朝食 6,600円(税込)
1泊2食 9,900円(税込) または7,700円(税込・ビジネスマン向け)
※土・祝前日はそれぞれの料金に+1,100円となります。

今回は県民割で母と2泊。朝食と夕食を1日分追加したが元々のお値段がリーズナブルなので有難い。

指定旅館の看板類

大新旅館は、創業360年以上の歴史を誇る、千葉県で現存する最も古い旅館である。歴史については以前の記事でまとめたのでご覧ください。→銚子「大新旅館」。創業360年、偉人にも愛された老舗旅館の歴史 -銚子⑺

戦前の建物は、銚子の大空襲で焼失してしまったものの、戦後すぐに建てられたため、昭和20年代建造。本館、別館、新館から構成されている。

意匠にも注目

島崎藤村や竹久夢二など著名な文学者、皇族の方々もご宿泊されている大新旅館。各地で老舗旅館の廃業がやむを得ない中、現在も変わらずに営業されていることは奇跡です!

大新旅館の魅力をまとめてみました!宿泊したいと思う方が少しでも増えると嬉しいです。

・千葉県で一番歴史がある旅館
・昭和、建築好きは必見の迷路のような旅館内にワクワク
・にゅうさろんは映画の撮影にも!バブリー
・女将さんが懇切丁寧
・ご飯が美味しい
・お風呂上りに卓球も
・古いけれど清潔感のある旅館

系列店、犬吠埼灯台近くにある「ニュー大新」も今度泊まりたいな!

ニュー大新
澪つくしのポスター
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宿泊した客室

宿泊したのは2021年11月。2泊3日お世話になった。

チェックイン時

チェックインした時は既に一日銚子を探索していて、ヘトヘトになっていた。

旅館入り口

チェックインを済ませて、宿泊した客室へ。新館の2階、角の「井筒」という部屋だった。

井筒

客室名も老舗旅館の見所。ぜひ実際に見てほしい。

部屋入り口

舟形天井の広々とした客室。2人で宿泊するには十分な広さだった。

客室の様子

 

 

洗面台はあるが、トイレ・風呂は客室には無い。トイレは部屋を出た目の前にあるので全く不便さは感じず。

お茶
アメニティも完備

普段、老舗旅館に泊まることを趣味としているが、大新旅館に関しては不満は無かったと記憶している。

広縁

朝起きてカーテンを開けると、利根川が見える。昔はもっときれいな景色だったのだろうな~

利根川沿いの部屋
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お食事(夕食・朝食)

夕食は銚子らしい海鮮づくしの豪華なメニューでお腹いっぱいに。

夕食

金目鯛の煮つけに、あんこう鍋、天ぷら、イワシにお刺身。どれも新鮮!

あんこう鍋

銚子に訪れると、人も温かくてご飯が美味しい、そして気温も冬温かくて夏涼しくて居心地が良い。母も同じように話していたが、将来、移住したいなと思う街だ。

朝食メニューはこちら。

朝食
いわしのつみれ汁

老舗旅館が長く愛されるのには理由がある。大多喜の大新旅館もご飯が美味しかったが、銚子の大新旅館もご飯が美味しい。

箸袋
可愛い暖簾

本館 ロビー&GRILL

お待たせしました。旅館内の写真です。戦後すぐに、地元の方々によって建てられた旅館は本館、別館、新館から構成されている。そのどれもが昭和20年代建造で隅々まで歴史を感じる造りになっている。

大新旅館入り口

まず、フロント向かいにある休憩スペース。夜、テレビを見たり、銚子に関する本を読んでくつろいだ。

ラウンジ

「るろうに剣心」を撮影中の佐藤健が座っていた椅子も。

右はフロントとかつての売店?たくさんのサインの色紙で埋め尽くされている。ボート部の合宿で毎年利用されているらしい。

フロント

大新旅館の館内図。描かれてから随分時間が経っているため、とても読みづらい。そのため、今回は母が間取り図を新しく描いてくれた。

旅館の案内図

まずは本館の1階から。右手にあるのは、「GRILL」と書かれたスペース。

扉もレトロ

現在は違う場所にお食事スペースがあるが、かつてはこの場所が宴会スペースだったのかな。照明も昭和。

宴会スペース?

GRILLのすぐ近くには調理室の扉。引き戸の扉もそのまま残っているのが嬉しい。

調理室

また、大新本店にご来臨の常陸宮両殿下の写真が展示されていた。

玄関前にて
別館 あかつきの間にて

本館1階は赤い絨毯が続いている。

女将さんではなく、客室へと案内してくれた使用人の方が旅館内を案内してくださった。今までに多数のテレビ撮影が行われていたことを次から次へと教えてもらい、メモしていなかったので全部覚えられず。

廊下の突き当たりには銚子の特産品が展示されている。

特産品コーナー

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別館へ 皇族が宿泊した客室

本館から別館へ

本館から別館へ行く手前にあるお手洗い、一部飾りが取れてしまっているが意匠が美しくて好きだった。

お手洗い

本館から別館への入り口。本館とは違う格式のある雰囲気で少し緊張感。

別館

別館は石畳で落ち着いた雰囲気。館によって雰囲気が異なるので、今度は別館に泊まってみたいな。

別館 廊下
客室入り口

別館に二つ階段があるのは、お忍び用の為だとも。

お忍び用

そして、先ほどの常陸宮両殿下の古写真に載っていた「あかつきの間」。こちらは角部屋で、花火大会があるときはすぐに埋まってしまう人気の客室だそう。

あかつきの間

確かに眺めも良く、日当たりが良い。

広縁の椅子に座ってみては?と勧められたので座って写真を撮ってもらった。

広縁も雰囲気良い

別館のお手洗い。中心に小便器の壁がある不思議なつくり。

お手洗い
便器の形も珍しいな
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大浴室&卓球

そして、大浴室は新館側にある。

浴室の看板

大浴室の扉も黄色のアクリル板。

大浴室

手前は卓球で遊べる休憩スペースになっている。左手前にはバーカウンターらしき場所もあった。

卓球スペース

大浴室は、地元の方が日帰り入浴で訪れていた。確か1回500円ほどで入れるので、ツーリングの男性も来ていた気がする。

脱衣所

浴室は比較的新しめ。50年前の浴室は、違う場所にあったらしく、広くするために現在地に移したそうな。

浴室

湯船の上のシートは保温シート。適温で温かかった。

ケロリン
シャンプーリンス有
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百畳大広間

本館の2階には百畳、百名近く収容できるという大広間がある。

大広間

今は宴会が出来ないのでひっそりとしているが…近くの部屋に挙式が出来る設備も整っており結婚式もよく行われていたという。

また、銚子には芸者置屋も数軒あったため、宴会の際は芸者も呼ばれてさぞ華やかだったのだろう。館内に階段がたくさんあるのも、客同士がすれ違わないように配慮がされているのかもしれない。

階段がたくさん

また、先代の女将さんは昭和初期生まれで戦前のお話も少し伺う事ができた。

以前は女中を20人雇っており、ビリヤード棟も存在したという。確かに古い館内図には女中部屋も描かれていた。

利根川に面して大新旅館の文字のネオンが輝いていた時代。

現在は平日、ビジネスマンの宿泊がメインとのこと。土日に宿泊したが観光客も他にそんなにいなかったのでほぼ貸切状態で快適に過ごすことができた。

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昭和のサロン「大新にゅうさろん」

そして、最後に別館の「大新にゅうさろん」を特別に見学させていただいた。

大新にゅうさろん

以前は営業していたが、現在はスタッフの高齢化により閉鎖しているとのこと。

見て下さい!!この妖艶な色…

にゅうさろんが放つ艶やかさ

使用されていないのが勿体ないほど、輝きに満ちた空間。昭和のサロンを初めて見たので、心が動かされた。

サロン 室内

昭和レトロが若者にも流行っていて、再現された遊園地がオープンしているほど注目されているので、このサロンのような本物の昭和の空気感が忘れ去られていくのは勿体ない…

カウンター席
石原裕次郎のような世界観だね、と母と

私の好きなキャバレーの本を思い出した。身近には残っていないと思っていたが、銚子に現存していたとは。

『キャバレー、ダンスホール 20世紀の夜』

シャンデリア
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お手洗いがレトロ

最後に、大新旅館のお手洗いの写真。便座自体は現代のものになっているが、扉や看板は昔のまま。

フォントが良い!
貴重なガラス
アクリルの看板
あき

写真は一部しか載せていませんが、大新旅館の魅力、少しでも伝わったら嬉しいです!!

 

(訪問日:2021年11月)

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