「銚子銀座通りココロード」飯沼観音の門前商店街として発展 -銚子⑽

「銚子銀座通りココロード」と地図に書いてある商店街は、飯沼観音の門前としても発達した通り。今回は商店街に残る看板建築、また飯沼観音の歴史についてまとめます。
飯沼観音の門前・銀座通り
千葉県銚子市馬場町1−1に位置する「飯沼観音」。その西側に伸びる道が「銚子銀座通りココロード」と地図に書いてある。
千葉県のホームページによると、昭和41年に法人化された「銚子銀座商店街振興組合」。戦後間もなく門前で栄えた商店を中心に結成されたという。

全長は500mほど、加盟店は62店舗。町おこし運動として、「門前市(観音様の門前)」と4月・7月・10月に開催しているようだ。
また、銚子漁港からも近く、観光名所からも近い。
昔、”銀座”と名の付く商店街は各地につくられ、「全国銀座通りドットコム」によると、千葉県には9つ存在したという。
千葉銀座、千葉西銀座、幕張銀座、銚子銀座、銚子東銀座、真間銀座、館山銀座、館山渚銀座、木更津銀座…
銚子には2つ。銚子東銀座は後日紹介する予定。
銚子銀座には、自称・日本一小さな百貨店「クリハシ」というお店があったが閉店し、2008年に銚子発の13階建てタワーマンションが建ったという。見てみたかったな。
しかも、現在は商店街のホームページすら無くなっている状況…

大屋商店の隣のタワーマンションの場所が、百貨店の跡地。「趣味のオーディオ」というブログに貴重な写真が載っていた。
レトロな楽器店「ジョジョ」
その向かい側に、廃墟?と見間違えてしまうほどに古い楽器店があった。

丸い小さな窓のある3階建てのビル。映画館みたいな雰囲気でワクワクする。
楽器店「ジョジョ」では、ライブも行われているらしい。

銀座通りでは建物が建て替わっているものも多く、この建物もいつまで残っているか定かではなさそうだ。

ただ、荒廃した雰囲気ではあるが、「鬼滅の刃」など最近のポスターが展示されていたりして、そのギャップも良い。
2階、3階も使われているようだ。「銚子ばやし」はCDが販売されているということかな?
ちょっと心配になるような階段だが…

販売されている商品は同じでも、店の雰囲気によって全然違う感じ方になるなと思った。こういうお店に通いたい。

銚子銀座通りココロード
銀座通りココロード。銀座と呼ばれるほど、銚子では一番賑わっていた商店街だったと思うが、現在は…

隣接する茨城県の神栖市の方からも銚子に買い物に訪れるほど、銀座通りに行けば何でも揃っていたそうだ。
バス停に残る「銚子銀座」の文字が切ない。

シャッター通りになっている。ただ、お店の前に駐車ができるためのスペースがあるので、車でも買い物がしやすいと感じた。

平日の午後。歩いている人はあまり見かけない。

文字が読みづらいが、元洋品店の建物は古そう。「伊勢嘉洋品店」、看板建築のようになっている。

「Tsuruya」は1926年創業と書いてある。衣料品店のようだ。

銀座通り沿いには看板建築が並んでいる。その中でも特に気になった2つの建物をピックアップ。
「大平萬年堂」の建物
シンプルだけど、窓や文字のデザインに惚れた看板建築「大平萬年堂」。

ちらっと見える、裏は木造2階建て。萬年堂という名前から、元文具店かな?と思ったけど、調べても情報無。
追記:万年筆のお店だったようです

2012年のストリートビュー
テント屋根が無くなって、文字が良く見えるようになったことは嬉しい。
「土谷洋傘店」の建物
向かい側にあるのは「土谷洋傘店」。細長い建物に青いタイルの文字が印象的。

そしてこちらも情報無。閉店して久しいようで建物が残っているのが奇跡なのかもしれない。

洋傘店。銚子では2軒目だが、洋傘のお店って珍しいな~

隣にあったおもちゃ屋「ごうぶん」は更地に…
「山本洋服店」の建物
飯沼観音目前。銀座通りもそろそろ終わり。

角に建つ、白い建物が気になった。1階は新しく飲食店が営業している。

「山本洋服店」。看板建築の一種なのだろうか。

だが、調べてもわからず。銀座通りの建物はどれも素敵なのに、詳しく調べて記録に残している人がいないようであった。
門前で栄えた商店も軒並みシャッターを下ろしている。古書店、営業していたら入りたかった…

飯沼観音へ
飯沼観音(飯沼山 圓福寺)へ到着。赤い仁王門が佇む。

飯沼観音についてホームページに紹介されている。
江戸日本橋小網町の俳人・古帳庵(鈴木金兵衛・埼玉県入間郡越生町出身)が、天保十二年(一八四一)に読んだ句だが、この句碑は圓福寺本坊の庭に建っている。
地図をひろげると、銚子は関東地方の最東端に位置し、北は利根川、東南は太平洋に面し、まさに国のとっぱずれである。圓福寺はこの銚子市の中心地にあり、古来飯沼観音とも呼ばれ、信仰をおおいに集め、銚子の市街は観音の門前街として発展した。料理店などの盛り場に囲まれた観音堂は地元の方や漁師・観光客で賑わっている。
最寄り駅は、銚子電鉄観音駅。

今回は駅周辺を探索する時間がなかったが、かつては映画館もあり銚子の繁華街だった場所。駅近くの南町には青線の歴史もあるとか…
門前の旅館
それほど賑わっている門前であれば、旅館もあるはずと思ったが、見当たらず。廃業してしまったのだろう。
仁王門の並びの建物が旅館かな?と思った。
京都屋。ただ、地図には衣料品店と書いてあるので違うみたいだ。

私の勘では旅館だと思ったのだけれど、間違ってもおかしくない佇まいである。


こういう旅館に泊まりたいなと思っているからこそ勘違いしてしまったのかもしれない。
飯沼観音の舟着坂から
仁王門からではなく、北側の裏道から境内へ。

銚子はまだまだコンクリート製ゴミ箱も多く残っている。

裏通りに佇む軽食店「プランタン」。ほぼ口コミが無いのだけど、雰囲気は良さそう。

昔は裏通りにも賑わいがあったのかな。

そして、この坂は「舟着坂」と呼ばれているらしい。

その名称から想像するに、この坂の下あたりまで水辺だったのかなと思う。
飯沼観音は飯沼城の跡地ともいわれているため、城跡が好きな方にも萌えポイントかもしれない。

境内の売店
境内の売店も良い雰囲気!


特に、仁王門の近くの焼きそば店「遠藤」が渋い…

観音名物の焼きそば…一度食べて見たい!今回は別でご飯を食べてしまったのでリベンジしよう。
五重塔と売店。平成21年に完成、千葉県唯一の五重塔だとか。

銚子大仏
銚子にも大仏様が!!

飯沼観音の大仏様は、1711年に鋳造された。
高さは約5m。戦争中に受けた弾痕が残っているなど、戦争の歴史も伝えている。
太平洋戦争末期の銚子大空襲の際に、飯沼観音はすべて焼失したため、1971年に再建されたものが多い。そのため、機銃掃射の跡が残る大仏様は必見。

(訪問日:2021年6月)
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「いしげ」という呉服屋さんの写真が載ってますが、こちらがユーミンの実のお姉さんが嫁いだお店です。ネットを検索すると、呉服屋関連の方のブログにユーミンのお姉さんか?と思われる写真も載ってました。ユーミンも着物雑誌の取材にお姉さんが銚子の呉服屋に嫁いでるとこたえているそうです。
情報ありがとうございます!いしげ呉服店がそうなのですね!助かりました~