長南に残る近代建築巡り。「上宿集会所(千葉地方法務局跡)」 -長南⑹

長南に残る近代建築巡り。「上宿集会所(千葉地方法務局跡)」 -長南⑹

旧長南宿の街道沿いを歩く記事は、今回で最後。最後の最後に、木造の公民館があり近代建築の予感…!そして、それは千葉地方法務局長南出張所跡だった。

引き続き旧長南宿の街道沿い

千葉県長生郡長南町。前回の続きで、県道147号を歩いている。

右手にある木造二階建ての建物は、表側をトタン板で覆っているが、元病院などの隠れ近代建築ではなかろうか。

隠れ近代建築?

旧長南宿の南側だが、意外とまだ旧店舗がある。それだけ旧長南宿の規模の大きさを感じる。

畳店

こちらは元ガソリンスタンド、佐藤商店長南SS。ガソリンスタンドすら閉業してしまう過疎化…

佐藤商店長南SS

2014年のストリートビューは向かいに野口産業倉庫、二階の窓の並びが綺麗。今は空き地に。

その跡地に、「花街さくらん」というクラブの看板が置いてあった。そういえば、長南は大人向けのお店もあったのだろうか。

花街さくらん?
向かいの店舗跡

また、こちらは精肉店「川村屋」。以前よりも外観が綺麗リニューアルしている様子!

川村屋
営業中
精肉店 外観
旧加納豆腐店
旧墨田クリーニング店

さらに少し南側には、赤く染まった土蔵造りの店舗が堂々と構えていた。

蔵造り店舗

元々はどんなお店だったのだろう?
旧長南宿に残る近代建築はまだ知名度が低いのか、事前情報が無く今回記録に残せてよかった。

なぜか白く?
二階脇の窓 見事な昭和ガラス

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上宿集会所 千葉地方法務局跡

そろそろ引き返そうかなと思っていたところに、最後素晴らしい建物が残っていた。

事前に情報も無く、蔵付きの木造平屋が目の前に!

最後のご褒美か~

蔵が併設していて明かに歴史を感じる佇まい。ぱっと見、元郵便局の建物かと思った。

蔵が併設

実際は、現在も使われている上宿集会所の建物。

上宿集会所

正面に扉が二カ所、そして右手にも出入口があり奥の平屋建てへと続いている。

気になる建物

検索しても情報が出てこないが、ここは本当に昔から集会所なのか?敷地は奥に広く庭があり、井戸もあった。

脇の出入口は草木が建物内で育っているため、現在は使用されていない様子。集会所は手前の建物だけ使用しているのだろう。

併設している扉
井戸

この建物の正体は!?と思っていたところ、脇に碑が建っていた。「千葉地方法務局長南出張所跡」とのこと。

千葉地方法務局 長南出張所跡

ネットの情報には限界がある。町史を読んだら、いつ出張所が設置されたのか判明するだろう。そしたらこの建物の年代も分かるかもしれない。

集会所の隣には、旧シオヤ商店の看板。

シオヤ商店
キリスト教看板

三途川に架かる橋。この辺りで引き返すことにした。

三途川

古い商工案内図。辿ってきた街道沿いの店舗が載っているが、今は閉業している店舗名も知ることが出来て有難い。

今は無い店舗も多い

さらに県道を南へ行くと、以前紹介した長南町郷土資料館に辿り着く。

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川沿いの料亭と船見袖凧屋

最後に、街道から一本裏側の道を寄り道。

どこかで見かけた定休日

また、山本鉱太郎著『房総の街道繫盛記』によると、長福寿寺の前の路地を行くとかつては、船見袖凧屋があったとのこと。今は面影はない。長南の探索はこれにて終わり。

 

 

(訪問日:2021年12月)

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