「笠森寺(笠森観音)」日本唯一の四方懸造の観音堂は必見!&周辺の旅館や商店の現在

長南町にある「笠森寺(笠森観音)」は、日本唯一の四方懸造の観音堂が圧巻の観光スポット。
これまでに千葉県内の懸け造りの建造物をいくつか見てきたが、全国的に見ても珍しい笠森寺の観音堂も実際に見てみたい!と思っていたので今回念願が叶いました。
笠森寺(笠森観音)とその歴史
千葉県長生郡長南町笠森302。家族で笠森寺(笠森観音)へ。駐車場に車を停めます。

笠森観音周辺公園案内図。現在地が中央の町営駐車場。

右手に笠森観音があるが、表参道は駐車場側ではなく熊野神社がある東側の道なので興味がある方は前回の記事をご覧ください→長南町「笠森観音」。本来の表参道沿いに残る茶屋や旅館の面影

笠森寺(笠森観音)については、検索すると多くの情報が出てくるの細かく記載しないが、天台宗の最澄によって開基されたというエピソードはインパクトが強いなと思った。歴史にそんなに詳しくなくても一度は触れたことがある人物なのでは。

境内には売店も。左手にある縁起物店では可愛い招き猫がたくさん販売されていた。ご利益があるそうなのでお土産にぴったりですね~


一目見たかった、笠森観音の四方懸造(かけづくり)!
現在の建物は天正7年(1579年)から慶長2年(1597年)の間の再建とのこと。
懸造は、京都の清水寺の舞台のように崖や山の斜面に長い柱などで床下を固定してその上に建物を建てる建築様式。

ここ笠森観音のように六十一本の柱で支えられた四方懸造は全国でも珍しく日本唯一とも称される、国指定の重要文化財。
千葉県内だと、成東の「浪切不動院」や館山の「船形山大福寺(通称崖の観音)」、いすみ市の「七福天寺」。→成東「浪切不動尊」の懸崖造り。麓には鉱泉旅館「成東館」の歴史 -成東⑷

手前のスペースで靴を脱ぎ、75段の階段を上がる。
高所恐怖症というわけではないが、階段を風が吹き抜ける構造的に足元が少しヒヤッとした。

観音堂からは自然豊かな公園を一望できる。この森林は開創当時から禁伐林として保護され、樹齢(1,000年以上)が古い樹木が多く見られるという。素晴らしい。


拝観料は大人300円。観音堂内と回廊を見学することができる。

階段から四方懸造を観察。大岩の上に頑丈に重なっている61本の柱は釘やねじを一切使っていない。古の知恵が集約した建造物だなと思う。

階段の上部の彫刻が一部隠れていて見えなかったが、下の写真は明治36年に長生郡一宮町の寄付者の名前が綴られていた。

売店の喫茶店はお休みのようだった。また違う季節に訪れたいな。

笠森山荘・笠森ドライブイン
笠森観音が昔から多くの参拝客に愛されてきた場所であるのなら、周辺に宿、旅館が存在していたはず。と思っているが現在は無い。車で訪れて日帰りの観光スポットとなっているからだろう。

駐車場そばにある建物が怪しいと思い、近くにある街灯を見るとその謎が分かった。
「宿泊 御中食 大小宴会 笠森荘 笠森ドライブイン」

ああ、ここが宿泊所、そして宴会も出来る場所だったんだ。
私が訪れた年末は休みだったが、年始は営業しているのかな?調べても情報が全然無いが。

他には前回の記事で見た建物以外、旅館らしき建物は見当たらず。笠森山荘・笠森ドライブインについてご存知の方いたら教えてください。
ちなみに、駐車場側にある階段は女坂。表参道は前回の記事で行った切り崩しの方なのだが、こちらの方が駐車場側からも近いので多くの方が行き交っていた。

また、西側のコースで参拝する場合は木レンガ広場を通っていく。

弁天池の休憩所は老朽化のため立ち入り禁止になっている。池全体が寒さで凍っていた。


看板の隣にはなぜか、大きな和釜。これは五右衛門風呂?それとも味噌の釜?
門前?笠森寺本坊の門
最後に駐車場から国道までの道も参道なので歩いてみる。おそらくこの通りにも商店が並んでいたのだと思う。

山側から湧き水が流れ出ている一角、神秘的な雰囲気だった。



さらに国道の方まで行くと、笠森寺本坊がある。この表門も長南町指定有形文化財なので必見。

元禄十年(1697)建造の表門。
一間一戸の四脚門で、屋根は、切妻造り二重棰の本瓦葺、とのこと。

彩色のあとが残っていることや各部に彫刻を配するなど、元禄の華麗な建築様式の特徴が見受けられると説明書きに。

また、笠森寺の境内にある子授観音の霊木は穴をくぐると、子宝に恵まれるとされている。

梯子をのぼっていざ、穴をくぐってみる…
無事に通ることが出来たので子宝に恵まれるかな?!(その後父もくぐっていました)
(訪問日:2021年12月)
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