筑波山の古民家宿「旧小林邸ひととき」に宿泊!明治の商家と絶景 -筑波⑴
筑波山中腹にある古民家宿「旧小林邸ひととき」。築130年の商家をリノベーション、どこか懐かしく歴史を感じる民泊として生まれ変わっています。筑波山には老舗旅館も多いですが、木造建築に泊まりたい方におススメ。
部屋から一望できる景色も素晴らしい。都会の喧騒から離れ、心身ともにリラックスできる宿でした。
筑波山中腹 宿泊型ワーケーション施設に
茨城県つくば市筑波937。今回宿泊したのは、筑波山の中腹にある西山通りに面した「旧小林邸ひととき」という民泊。
旧小林邸がある通りはかつてのメインストリートで、古くから信仰の山として知られた筑波山には物見遊山として多くの観光客が訪れ賑わっていたが、車社会になり筑波鉄道が廃線となると空き家が目立つように。
近くには、昭和初期築の「旧筑波山郵便局」も健在。こちらは定期的に一般公開がされている模様。
今回の旧小林邸は、江戸時代から続く米問屋であり、明治時代には筑波山のケーブルカーや筑波鉄道をつくることに尽力した実業家として知られた邸宅だという。
私は、PRTIMESのプレスリリースで見かけて、まだあまり情報が出ていない段階だったので気になって泊まってみることにした。試験段階だったようで私の宿泊時と宿泊料金は現在異なるようです。
→【茨城県】筑波山地域に初の築120年以上前の古民家を再生した、関東平野が一望出来る宿泊型ワーケーション施設「旧小林邸ひととき」がOPEN致します。
「集う」「泊まる」「働く」「学ぶ」をキーワードとした、アフターコロナの時代に求められているテレワーク、ワーケーション施設へとリノベーション。地元の人との交流や、体験、ツアー、イベントを企画し、新しい筑波山観光を創出すると同時に、空き家問題を解決する糸口を模索する場所とのこと。
コワーキングスペースは時間単位で貸切も可能。また、厨房は業務用のコンロや、食洗器、製氷機を備え、利用者が自由に利用できる。建物の良さはそのままに、先進的な過ごし方ができる。現代を生きる建築や歴史好きとして、見習っていきたい事例だと思った。
旧小林邸ひととき 宿泊記
2022年2月。公式ホームページから予約し、素泊まりプランで宿泊した。
明治25年築の母屋と1600坪の敷地。これから御案内します~
まず扉を開けた先は土間のラウンジ。
ラウンジから上がり、フリースペースが二部屋続く。
二階の客室へ続く箱階段が健在。
客室は3部屋。今回は、二階の和室を選択。布団が恋しくて…
リノベーションされていて快適な客室。エアコン完備で二階にもお手洗い(ウォシュレット)があるので古い旅館ならではの心配はなかった。
客室の部屋は、元々は遠方のお客様を迎え入れるお部屋。また、筑波山側は主人のお部屋だったという。
客室から眺める関東平野が素晴らしい。写真は夕暮れのものだが、夜景も…
他の客室も見学。全3部屋。
こちらは、シングル2台。
もう一部屋はダブル1台とのこと。
2階の階段と踊り場もオシャレ。
階段は昔ながらの急階段なのでお気をつけを…
厠下駄付き古便器が現役!
そして驚いたのが、一階のお手洗い…廊下の突き当たり奥に男女のお手洗いがある。
ジャジャジャジャーン!!
まさかの染付古便器が現役でした…!男性の方は実際に体験できる貴重な(?)宿です。そして現在は水洗トイレに改装されている様子。古便器の水洗トイレ、初めて見た。
厠下駄は立ち位置を示すものとして設置されていたようだが、千葉県の大屋旅館以来の旅館での遭遇。なかなかレアですよ…
なぜここまで反応するかというと、昨年秋に大阪大学トイレ研究会会誌『Let’s BEnjoy vol.5』大阪で「レトロな古便器に魅せられて ~各地で見つけた染付古便器の記録」を寄稿したからなんですわ。https://handaitoilet.booth.pm/
きっとこの染付古便器も遠方からきたお客様向けのものだったのだろう。お手洗い含めておもてなしの心を忘れない日本人の粋に感動する。
中庭と絶景と美味しいご飯
そして廊下からは手入れされた中庭を堪能。
メ~~メ~~と鳴く声が聞こえて外を見ると、ヤギが二匹。庭の草を食べていた。なんて癒されるんだろう。
中庭の奥に蔵や、コワーキングスペースの離れもある。
外から見た旧小林邸。二階の客室が見える。ここではバーベキューも可能。
天気の良い日は富士山も見える。ああ、美しい景色と空気に触れて心が浄化される。
素泊まりプランでしたがご飯も別途料金で用意していただきました。ありがたや…
そして手作りのめちゃくちゃ美味しいご飯に言葉を失いました。優しさが染み渡る…
また、ケーブルカーや筑波鉄道の開設に尽力した旧小林家の歴史も気になるので、当時の新聞等が残っているスクラップブックを拝見させていただいた。
筑波鉄道株式会社は、大正3年創立。大正7年に筑波鉄道、土浦~筑波間を開通したと歴史がまとめられている。写真右の方が旧小林家の小林恒一郎氏。
筑波山の絵葉書も色々持ち合わせているので、またいつかしっかりまとめたいなと思いつつ旧小林邸はこの辺で。
気分転換に心休めたい方、ぜひ筑波山へ。おススメです。
旧小林邸 ひととき
和洋室 11平米/バス・トイレ無
寝室3部屋、ダブル1台、シングル2台、布団/床用マットレス10枚、共用バスルーム1室 (バスタブ数1)
1名利用時 11,200円/人
(消費税込12,320円/人)
最大3組限定
公式ホームページ:https://tsukuba-hitotoki.com/
名称の「ひととき(人時)」が納得の、人と人が紡ぎ出す温かな空間でした。
(訪問日:2022年2月)
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