「勝鬨橋」昭和15年に完成した”東洋一の可動橋”の現在。「橋の資料館」見学へ
月島から築地へ。今回は築地までの道で見かけた橋を中心に記事にする。
普段あんまり”橋”に注目することが少なかったが、歴史が詰まっていて面白いなと感じた。
西仲橋
東京都中央区。もんじゃで有名な月島から、築地方面へ。西仲通りを進むと「西仲橋」がある。
看板を見ると、2017年度「土木学会デザイン賞 優秀賞」を受賞したそうだ。
昭和31年(1956)に造られた西仲橋は、平成26年(2014)3月に架け替えられたそうだ。架け替えの際に、設計チームがつくられ、地域の歴史を継承し、地区の新たな核となる川・まち空間の創出を目指して、新たな西仲橋のデザインが考えられたみたい。
現在の西仲橋の近くに、大きな木が設置されていた。なんだろう?と思ったら、
架け替え前の橋で、橋の土台で使われていた70本の木杭。それを展示し、ベンチとしても再利用しているという。(木杭はアメリカ産)
説明看板には、昭和30年代の西仲橋の写真が掲載されていた。
現在は、春になると桜が綺麗に咲き、花見スポットとなっている。そして釣りをする人も。
橋にも歴史が詰まっているんだなあと改めて考える機会になった。昔の木材を再利用しているのって良いな~
区立月島第二小学校
西仲橋から勝鬨橋へと向かう途中に、時計塔がそびえる素敵な学校に出会った。
「区立月島第二小学校」。
明治41年(1908)に「東京市月島第二尋常小学校」として開校した、100年以上の歴史を誇る学校らしい。
時計塔が設置されたのは平成2年(1990)と新しいが、建物から歴史を感じる。
小学校の建物に、時計塔、そして西洋風な雰囲気を感じるのは多いことではない。
ホームページには沿革史が記載されているが、関東大震災で校舎が全焼、集団疎開など様々な困難を乗り越えてきたことがわかる。
広角レンズで撮影してみると、いかに小学校が高層マンションに囲まれた場所にあるかがわかるだろう。
ひゃ~圧巻の景色。
勝鬨橋(かちどきばし)
月島と築地を繋ぐ隅田川に架かる「勝鬨橋(かちどきばし)」。何度か通ったことがある橋だが、改めてその歴史に注目してみると大変面白い。国の重要文化財に指定されているなんて、知らなかった!
昭和15年(1940)に完成した「勝鬨橋」。この橋が他の橋とは違う点は、日本で現存する数少ない可動橋であるということ。
建設当時は、隅田川を航行する船舶が多かったため、陸よりも水運を優先するために橋が可動するようにつくられた。当時は「東洋一の可動橋」とも称されていたそうだ。1970年を最後に開閉が停止、現在は動いていない。
勝鬨橋の途中で信号や窓がついた建物が見える。
ここはかつての「運転室」。
2007年には国の重要文化財として勝鬨橋が指定された。
一度開いているところを見てみたいな~
勝鬨橋は様々な小説や映画でも撮影されていて、「ゴジラ」や「ウルトラマン」では破壊シーンも。多くの人にとって思い出深い場所だと感じた。
勝鬨橋のすぐそばにあるのは、2018年で営業を終了した「築地場外市場」。
かちどき橋の資料館
そして、勝鬨橋の歴史をもっと詳しく知りたい方は、橋の近くにある「かちどき橋の資料館」へ!
入場は無料。奥の建物が資料館である。
小さいながらも見所がある資料館。ちょっと立ち寄るのにちょうど良い。
建物は元々橋を可動させるための変電所だったそうだ。
栞やポストカードが無料でもらえるので気になる方はぜひ。
1階には勝鬨橋の模型。中央にあるボタンを押すと…
左右の橋が開いた!凄い!模型でもとてもワクワクするので、本物を見たら相当迫力があるんだろうなあ。
2階には当時の電気設備の展示も。
今は動かない勝鬨橋。橋ひとつ取ってみても興味深い歴史があって楽しいな~実現の可能性は低いだろうけど、いつか動いているところを見てみたい。
東京オリンピックに合わせて可動したいとの話があったが、今の技術では可動できないらしい…残念。半世紀も止まったままの橋。いつか動く日がみれるといいな。
(訪問日:2020年10月)
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