築地に残る、看板建築巡り。取り壊し前の銅板建築「湯浅屋」を見納めに行ってきた… -築地⑵

築地には看板建築がたくさん残っていると知られている。戦災も免れた貴重な古い建物が多い地域だが、最近老朽化によって取り壊しになった建物も…
そして最近、新たに築地の有名な建築が取り壊しになると聞いたので早速行くことにした。
銅板建築「湯浅屋」
東京都中央区築地7丁目。
居留地中央通り、公園がある交差点の角に緑色の綺麗な銅板建築が堂々と立っている。

周辺は子供連れの親子が多い。しかし、この建築にカメラを向けているのは私のみ…

1935年頃に建てられた海鮮物問屋「湯浅屋」の建物だそうだ。

既に建物は使われていないようだ。2020年10月、取り壊しになるという情報をTwitterで知った。

中央区のホームページに詳しい説明が載っている。
銅板張り看板建築の一種だが、瓦屋根や軒部を隠さないタイプの建物である。交差点に対して屋根を葺き下ろし、2階に戸袋を設けない個性的な外観となっている。宮大工が建てたという銅板張り看板建築が並び、歴史を感じさせる一画となっている。また、銅板の外壁意匠は統一されているが、それぞれ建物の意匠の違いを見せる。

解体工事のお知らせによると2020年11月に取り壊しが始まるという。現在は更地に。

私は見つけられなかったが、旧町名の看板も残っていたみたい。

どんな照明だったんだろうなあ~

色味がとても綺麗。これが壊されてしまうのかあ、現実味がない。

中央区のホームページを見ると、この建物の両サイドにも建物があったことがわかる。右のクリーニング屋の看板建築は新築に…

老朽化によって取り壊しになるのは仕方がないことだが、記録を残さなければ私たちの記憶からも無くなってしまう。
築地は再開発が進んでいるので、撮影をするなら早くに行かなければ。
近くにある旅館が海鮮物問屋とあるので、もしかしたらこの建築と関係あるのかな?
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築地の看板建築さんぽ
築地の看板建築さんぽ。
中央食品㈱水産部
2階建てっぽいけど、3階にも窓がある建物だ~

築地7丁目12-3。中央食品㈱水産部として使われている看板建築みたい。

「東京ノスタルジア」さんの記事にも載っている。

右は店舗、左は住宅になっている店舗併用住宅。

高いビルに囲まれながら、小さな看板建築が窮屈そうに残っている。

銅板看板建築と「渡辺商店」
築地7丁目14-7。銅板の看板建築の隣に卵焼きの旗が出ているのは「渡辺商店」。

家紋が入っている!

かつてはおでん屋を営業していたらしいが、現在は放置されているようだ。この建物は表だけ銅板張りなので横から見ると面白い。

取り壊されないか、心配…

隣の「渡辺商店」。手焼きの玉子焼き。良い匂いが漂う。

手焼きの玉子焼き店って初めて見た。購入しない方が後悔する、と口コミに書いてあるが、まさに今後悔している。

住宅街にあるのでひっそりと営業している。築地で一番の美味しさらしいのでぜひ。
向かい側は空き地になっていた。

下町らしい雰囲気
都心とは思えない佇まいの住宅が並んでいる。


住宅の前には防火水槽かな?と思われる古そうな水槽。



酒屋「池田屋本店」
築地6丁目12-5。右折した通りにも興奮する建物が残っていた。

建物の1階の大きな扉みたいな部分に鱗みたいな銅板。

模様が切り替わっているのが斬新。

建物の間も通り道になっているのかな。住宅かな。

おお~レトロな自動販売機!こういうのとても好き。

手前は沢の鶴。たまに酒屋で見かける自動販売機。

コカ・コーラ、サントリービール、ポッカの自動販売機。

現在は使われていないみたい。ボタンや値段が昭和。

池田屋本店。昭和の酒屋、フォントが良い。

池田屋本店のある通りの雰囲気が好きだ。築地はビルも多いが、昭和な一角があると嬉しくなる。

酒屋の隣にあるのは…?と思ったらコインランドリーが併設している銭湯みたい!!

調べたら「寿湯」であることがわかったが、2016年5月17日をもって廃業。老朽化が原因みたい。看板などはすべて取り外されている。
かつての様子は「銭湯OL日誌」という方のブログに載っている。
廃業してから5年、これからどうなるんだろう。
(訪問日:2020年10月)
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