東金駅前の商店街。レトロな駅舎と駅前の「パチンコ百万弗」 -東金⑴

東金駅前の商店街。レトロな駅舎と駅前の「パチンコ百万弗」 -東金⑴

千葉県東金市東金へ!今回は国登録有形文化財の「八鶴亭」を見学しに東金へ初訪問しましたが、まずは駅前の探索から…

 

東金線「東金駅」へ

千葉県東金市東金585。JR東日本東金線「東金駅」へ到着。明治33年(1900)に開業。

東口側には、日本であと2店舗しかない「サンテオレ」があるショッピングモール「サンピア」が見える。

サンピア
待合室

駅構内には開業当時の写真が展示されていた。大網東金間を走りこのころは成東とは結ばれていなかったと書いてある。

開業当時の写真

東金停車場を発車した汽車の写真。明治33年開通当時のもの。

東金停車場を発車

昭和10年、東金公園から南を写した写真で。西側には富士山が見えたという。

昭和10年

東金駅の木造駅舎は、昭和15年に改築されたそうで、開業当時の駅舎ではないが戦時中に造られた貴重な建物が現存している。

昭和15年改築

駅舎内、人が多かったので撮影しなかったが天井が高く広々とした空間だった。他の駅には無い広さ…改築した時に広くした理由があるのかな?

東金駅

また、昭和36年(1961)まで東金駅から九十九里海岸の片貝駅まで「九十九里鉄道」が伸びていた。海水浴客でにぎわったそうだが、昭和36年をもって廃止、バス事業に専念することに。片貝の方にも古い街並みが残っているので今度行く予定です。

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東金駅前ロータリー

東金駅前のロータリー。市役所やショッピングモールなどがある東口側に行くためには、駅の出入口がないので跨線橋を通っていかなければならない。

西口

駅を出てすぐの場所にあるのが、九十九里バス案内所。先ほどの廃線になった九十九里鉄道の名前が残る「九十九里株式会社」は、東金市・九十九里町・八街市・大網白里市で路線バスを運行中。

九十九里バス案内所

駅の目の前にあるのは寿司店「三はし寿司店」。

三はし寿司店

2014年のストリートビューを見たら、寿司店の前から商店街に向かってアーケード屋根が連なっているのが見える。

時短営業中だった

昭和2年、松井天山が描いた「東金鳥瞰図」を見ると、駅前の一本裏通りに面して「御料理三橋」がある。場所的にはそんなに現在と変わっていないが、昭和2年(1927)以前から営業していると考えるとかなりの老舗だな~

また、寿司店の隣には高層マンションが建っている。

左、高層マンション

交番の隣にあった薬局は駐車場になっていた。

元薬局

ロータリーに面して東金商店街のアーチが建っている。昭和の古き良き街並みが残る東金の探索へ。

商店街のアーチ
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レトロな「パチンコ百万弗」

”ようこそ東金商店街へ”のアーチを抜けると商店街が続いている。

東金商店街へ

商店街を探索する前にまず気になったのが、レトロなパチンコ店!!令和の現在まで生き残っていてくれたことに感謝です…迫力がある。

東金商店街に残るパチンコ店

パチンコ百万弗。本店は船橋駅にあるが、他に松戸駅に営業中の店舗があるらしい。

パチンコ百万弗

果たしていつ頃閉店したのだろうか。現在も綺麗にネオンの看板が残っており、輝いていた姿を一度見てみたかったなあと思った。

シャッターもそのまま残っている。”娯楽の殿堂”という昭和なキャッチコピーが良い。

娯楽の殿堂

上の看板は、水色とピンク色のネオン看板。

反対側にも小さな百万弗の看板があった。こちらも水色とピンク色。

小さな看板

今各地にある大型のパチンコ店には無いポップな雰囲気が、昭和のパチンコ店の外観から感じた。

入り口は黄色いシャッターが閉まっているところかな?

パチンコ店の隣には焼き鳥店「鳥忠」。

鳥忠

タイル円柱とガラスに描かれた赤い文字から昭和の熱気を感じるようだった。

好きな写真

パチンコ店が営業しているときはこの裏道も賑わっていたのかな~

向かいには蕎麦屋「吾妻庵」。この日は営業時間外だったが、後日入ったのでまた別の機会に紹介したい。地元の方に愛される名店だった。

蕎麦屋「吾妻庵」
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駅前の東金商店街の現在

駅前から続く商店街へ戻る。いつ頃撤去されたのか分からないが、昔は右側の歩道の上にはアーケード屋根が連なっていた。

現在の様子

2019年のストリートビューには写っているので私が訪れる少し前に撤去されたのだと思う。

商店街には遠くから見ても旅館だ!と感じる駅前旅館もあった。

駅前旅館

秋葉旅館。2021年3月頃に閉業したと書いている方がいたので、つい最近まで営業していたのが悔やまれる…!またしてもコロナによって老舗旅館が閉業してしまったのかな…

秋葉旅館

しかも、本当につい最近…なぜ私はこの旅館をチェックしていなかったのだろうと後悔に襲われた。

素泊まり4,000円・一二食付き6,500円。

また、アーケード屋根が無くなった影響で、2階の手摺部分が良く見えるようになった。これは美しい…

2階の手摺

昭和2年の鳥瞰図にも「秋葉旅館」は描かれており、もしかしたら戦前からある建物なのではないだろうか。

しかも、軒先には「風俗営業(料理店)」の鑑札も。東金の花街にも関係していたとは…お話を伺いたかった。花街についてはまた別の記事にまとめます。

鑑札

旅館の裏口は舟形天井…ただの駅前旅館ではない雰囲気。

旅館の裏口

旅館の入り口は改装され、「御旅館秋葉旅館」と書かれていた金文字は消えてしまった。私がもたもたしている間に、老舗旅館が次々と閉業していく…

旅館外観

旅館の向かい、元喫茶店かな?

駅前の商店街はほとんど閉まっており、静まり返っている。

夕方の商店街

ある一軒の建物が気になった。木製の扉と欄間に誘われて近づいて見ると、一枚のチラシが貼ってあった。

「東金駅前通り、手作りで再生」の見出し。

東金駅前通り、手作りで再生

アーケード屋根の撤去、商店街の歴史について書いてあった。

これによると、アーケードを設置したのは昭和43年。半世紀にわたり、「東金駅前通りアーケード組合」が自分たちで管理をしてきたという。

しかし、平成に入ってから、華やかだった商店街もシャッター通りに、アーケードも老朽化、そして2019年の台風15号によってアーケードは大きく被災…

アーケード屋根の撤去は、コロナ禍の2020年4月~5月にかけて粛々と行われたようだ。また、東金出身の彫刻家・上野弘道氏のブロンズ像を設置、公開することで新たな商店街の風景が生まれている。

アーケード屋根がなくなったことで視界が広くなったようだ。

撤去後
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石造りの氷蔵

また、商店街にポツンと佇む蔵が気になった。

石造りの蔵

現在は車庫として使われている。側面にも小さな扉があった。

先ほどのチラシを見ていたら、「石造りの氷蔵」と書いてあった。氷を保管するための蔵だったのだろうか。土台は一部レンガが見えている。

石造りの氷蔵

屋根瓦と石造り、煉瓦…特に文化財などに登録されていないが、これも歴史的価値がありそうだなと思う。

現在、隣は岸本薬局の駐車場になっているが、駐車場の奥に同じ石造りの壁が残っているので、駐車場のところに店舗があったのかもしれない。

駐車場

駅前通りはカラー舗装された歩道がかつての賑わいを伝えている。

 

(訪問日:2021年8月)

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