東金の近代建築「石井センイ(旧東金郵便局)」他多数 -東金⑹

東金の近代建築「石井センイ(旧東金郵便局)」他多数 -東金⑹

東金の街中に残る近代建築。かつて東金は、九十九里地方の農海産物の集積地であり、数多くの豪商が誕生し「東金旦那」と呼ばれ賑わっていたそうです。現在も比較的当時のまま、古い建物が多く残されており、紹介しきれないのでいくつかの記事に分けてまとめます。

安崎際物店(雷紋模様)

千葉県東金市東金1197−1。最初は「安崎際物店」から。県道119号に面していて八鶴湖入り口のところにある店舗。

安崎際物店

冠婚葬祭専門店。お祭り用品、太鼓なども販売しているのですね…!

太鼓も

昭和2年、松井天山が描いた鳥瞰図には「安崎玩具店」とある老舗だ。

神輿だ~

そして実はこの建物、横から見ると雷紋模様が施されていて可愛いんですよね~

後日違う角度から見ていた時に気づいたのですが、元々の建物を見てみたい!

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八百平商店

安崎際物店の隣は「八百平商店」。グーグルマップには書店と書いてあるが、雑貨販売をしていたようで2015年頃まで営業していた様子。

八百平商店

なまこ壁が見える、土蔵造り店舗。

土蔵造り店舗

近づいてみると見事な、なまこ壁が残っていた。昭和2年の鳥瞰図にも同じようなイラストが描かれている。

なまこ壁

 

ただ、老朽化も甚だしく、いつ取り壊されるか正直不安…明治バターの牛乳箱も残っていて良いなあ。

軒下

しかも、説明看板が消されている…何故だろう。

説明看板

本当はめくって文字を確認したかったが、消されているのは何か理由があるのだろう…

八百平商店

情報が無くて困ったなあと思っていたら、興味深い記事を見つけた。「ローカル線の回顧録」というブログの、「第436話 1984年東金商店街:いにしえの商店軌道(その3)」に八百平商店の写真が掲載されている。

商店軌道。通りに面した商店から、お店の裏にある倉庫まで商品を運ぶための軌道が敷かれていたとのこと。

雑貨問屋の八百平商店の1984年の写真が掲載されており、お店の奥までつづくトロッコ軌道の貴重な姿。商店軌道は、茨城県の石岡で見たことがあるが、東金の商店にも敷かれていたのですね!八百平商店以外にも、「伊勢孫本店」などの写真が掲載されているのでぜひご覧ください。

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山手通り

現在紹介している、県道119号は「山手通り」と街灯に書いてある。

山手通り

2008年頃のストリートビューには看板建築など個人商店の建物が連なっていたが、現在は新しい一軒家になっている。

右手の2階の手摺がオシャレな建物は元洋品店。

手摺が可愛い

衝撃だったのが、東金のお土産で有名な「湖月堂」が閉店し、建物が更地になっていたこと…

2019年のストリートビューに載っているので、取り壊されたのはつい最近だろう。

明治31年(1898)創業。東金市の名産・ゆずを使用した「ゆず羊羹」を中心に、せんべい・サブレー・最中など和菓子の製造・販売を手掛け、東金市内にて3店舗を展開していた老舗である。

しかし、平成30年に閉店し、120年の歴史に幕を閉じた。
「千葉県の近代産業遺跡」というサイトによると、大正14年築。閉店し、そのまま取り壊しになってしまったのが残念だ…

右手の「岸本薬局」は創業明治40年!昔から変わらずにこの場所で営業を続けている。また、「ギャラリー岸本」というのが店内にあるようなので気になっている。

岸本薬局
薬局の前の明るい家族計画
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石井センイ(旧東金郵便局)

東金駅前の通りの正面に建つ「石井センイ」の建物は元郵便局!

石井センイ

隣にあった「太平堂」が解体されたので、建物の側面も良く見えるようになった…窓は災害対策のためか覆われている。

建物の前には、石井繊維(旧東金郵便局)の説明看板が設置されている。

説明看板

明治5年に東金郵便取扱所(現在の東金郵便局)として建立、郵便事業が開始された。建物はその頃の建造だという。

昭和48年に東岩崎に郵便局が移転するまで使われ、その後は石井繊維に。

旧東金郵便局

1階が受付、2階は事務所だったが、1階を店舗、2階を自宅の部屋として改装し現在に至る。平成20年頃、石井商店は閉店したようだ。

奥の建物は、物置と倉庫として使用されていた。

物置、倉庫

説明看板には大正5年頃の写真も載っているが、写真が薄くなっていて見えない…郵便局時代の正面の写真を見てみたいのだが…

お店が閉店しても取り壊されずに保存されていて嬉しい。

千葉県各地に、元郵便局の昔の建物が残っているので、写真が集まり次第また一覧にまとめたいな。

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郵便局の裏路地の旅館?

そして石井繊維の建物の横道へ。店舗に隣接する平屋は事務所と台所。

台所

その奥の建物が物置。

物置

あ~!ここにも明治バターの牛乳箱を発見!!木箱の牛乳箱が残っているのは嬉しい。

明治バターの牛乳箱

歩いている時は何の変哲もない行き止まりの横道で奥まで進まなかったが、鳥瞰図を見ていると郵便局の奥に「ゆや」(銭湯)、「君塚医院」、「旅館平野屋」の大きな建物が描かれている。

道は現在も変わらないが、こんな細い道に銭湯があったこと、そして山の斜面に沿って大きな旅館があったことに驚いた。現在は民家に。

駅前通りから直進した場所だったので、細い裏道にまでお店があったのかな…

現在の駅前通り

今回の記事では、湖月堂の閉店は本当にショックだったな…

東金のお土産はどこで買えば良いのだろう。和菓子屋さんもお菓子の多様化で厳しいという声を伺うので、積極的に利用していきたい。

 

(訪問日:2021年8月)