「武野輪業」近代建築と「田間商店会」に残る巨大な酒蔵-東金⑼

引き続き街道沿いの東金に残る近代建築を探して歩き中…
次々と素敵な建物が目の前に現れて、興奮が止まりません…!
今出屋酒店と商家
前回の続き。スーパーコインランドリー東金の隣にある木造2階建ての建物、遠くから見ても目立つ!

目立つ理由は白い扉と青く縁取りされた窓だと思うが、現在は空き店舗の様子。

昭和2年の鳥瞰図を見ると「名取洋品店」とある。その後、最近は美容室として使われていた?

また新たな人生を歩むことを願いたい…
隣には、今出屋酒店。白い左側の建物は増築されたのだろうか。洋風な造り。

グーグルマップには今出屋酒店と書いてあるが、営業している雰囲気はない…以前のストリートビューを見ていたら、屋根上のところに酒の銘柄の看板が飾ってあったので営業していた頃は横一列に看板が並んでいたのかな。

向いは大島屋金物店。

今出屋酒店の2軒隣、元長谷川商店かな?

少し進んだところにある一段高くなっている2階建て木造建築。
グーグルマップには関岡大雅堂と書いてある。古物商の許可証が貼ってあったので、骨董屋さんだったのかな…?

営業しているときに訪れたかった…
武野輪業
自転車店の「武野輪業」。ここも横から見ると近代建築であることは歴然!ちなみに、見落としがないように、母と両サイドの道から分かれて建物を撮影しています。

築年数は不明だが、昭和初期頃かな?洋風な外観に惹かれる。

うーん、手前の看板を取り払って全体が見てみたいものだな…
と思っていたら、看板の下から上を覗くと縦長い窓が並んでいるのが少し見えた。


青銅ではなく、赤茶色の銅が良い味を出している…

武野輪業の向かいの道を入っていくと、東金町道路元標がある五十嵐瀬神社。
そして並びにも立派な商家建築が残っていた。

10年以上前に閉店しており、元々何のお店だったのか…
2階の格子が素敵だな…元旅館のような雰囲気もある。
東金市内でよく見かける、押し売りお断りのホーロー看板。なぜか東金だけでしか見たことが無い。



そして片貝県道入り口の交差点の角にも古い蔵が残っていた。

蔵の手前にも建物があったと思われるが既に解体されており、この蔵だけが取り残されている。
また、交差点にある看板。よく見たら、サンピアが「ジャスコ」と書いてあるのが時代を感じるな~

田間商店会・上行寺
片貝県道入り口からさらに西へ。時間が許す限り歩き進める。

また、商店街の名前が「田間商店会」と書いてあり、今までの商店街とは別の商店街になったようだ。
最近オープンしたセブンイレブンの店舗の横道、奥に細い道が続いているので歩いて行くと古民家が残っていた。

新しくピカピカしたセブンイレブンとは正反対な木造建築。こういう街の記録を残していきたい。

そして細い裏道へ出た。右手に大きな蔵が見える。

左手には上行寺。長い階段の上に建つ本堂の風景は鳥瞰図から変わっていない。

歴史について、東金市のデジタルアーカイブにまとめられている。
正面には、上行寺の赤い山門。享保年間に現在の田間に移転してそうで、幾度となく火災に遭っている。そのため、現在残る本堂は大正15年のものだそうだ。

山門の隣にあるのは、子安大明神…だが私はその奥の蔵が広がる景色に見惚れてしまった。

田間の蔵が広がる景色
子安大明神の奥に大きな蔵が並んでいる…
かつては芝生になっている場所にも建物があったと思われるが、2014年頃に解体されている。
昭和2年の鳥瞰図には、「川口酒店」が街道に面して店舗を構えているのでその酒蔵として使われていたのだろうか。


あまり保存状態は良くなく、今は使われていない様子なので気になる。先ほど裏道で見た蔵と繋がっているのだとしたらかなり広い敷地だったのだな…

火の見櫓が残る菅原神社

街道の向かい側には昔の火の見櫓がそのまま残っていた。最近解体されている場所も多く、現存しているのはレアである。

火の見櫓があるのは、菅原神社の敷地内。
昭和2年の鳥瞰図には、菅原神社は「天満宮」と表されている。菅原道眞公を御祭神とする神社である。境内には公園が隣接していて、落ち着いた雰囲気だった。
東金の街歩き、この日は看板建築まで歩き、次の記事で終わります。
(訪問日:2021年8月)
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