東金の近代建築2「灰吹屋鈴木薬局」明治創業の老舗薬局 -東金⑺

東金の近代建築2「灰吹屋鈴木薬局」明治創業の老舗薬局 -東金⑺

前回の続きで東金の県道沿いを歩いている。あまりにも魅力的な建物が並んでいて記事のボリュームが多くなってしまうのでいくつかの記事に分けました。今回は旧多田屋周辺と灰吹屋薬局です!

多田屋と土蔵造り店舗

千葉県で最も古い書店、多田屋本社社屋。写真右の昭和初期に建築された旧店舗の横道を入っていくと水色の社屋が見える。

県道沿い

国登録有形文化財に登録されており、現在は建築設計事務所が使用しているので、建物内を案内して頂いた。私のその後の活動を大きく変えることになる出会いがあったのですが…その様子は次回紹介します。

多田屋本社社屋

その向かいにある店舗、横から見ると蔵造りになっているのが分かる。

県道119号

2008年時点で既に閉店していて何のお店か分からない。

立派な蔵だな

丸に十のマークが見えるので、丸十商店?文化財登録されてもおかしくないほど立派だが…

裏は駐車場になっていて、この建物だけポツンと浮いている。同じく駐車場にならないことを願う…

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東金駅入り口、「なべだな酒店」

見事なカーブ。この左手には多田屋の大きな店舗があったが、最近取り壊されて駐車場に。建物が一つなくなるだけで景色が全く違うものになる。

左手に

2018年のストリートビュー

カーブを曲がったところにあるのが、東金駅入り口のバス停。

東金駅入り口

奥は駐車場と酒屋、飲み屋街になっている様子。

バス停にて

手前の酒屋「なべだな酒店」は昭和2年の鳥瞰図にも描かれている。「鍋店酒造株式会社支店」とあるので、成田に本社がある鍋店の支店として古くから東金で営業していたのだろう。

その奥にある大きな邸宅と洋館も、もしかしたら鍋店の関係がある建物かもしれないと考えた。

奥に洋館?

少し進んだ右手にあるそば屋「東京庵」も老舗。並びには旅館や時計店、和菓子などが鳥瞰図に描かれている。

東京庵

交差点の角、長谷川化粧品店も昔から変わらず。チャーミングストアってなんだか素敵な響き。

長谷川化粧品店
横には門

この化粧品店の横道を進んだところに、鳥瞰図によれば「東金小学校」があったらしい。現在も門柱が残っているようだが今回は見逃してしまった。次回行ってみよう。

向かいにある藤田屋履物店も鳥瞰図に載っている老舗。現在も営業中。

藤田屋履物店

手前の建物が更地になっているのが何だか寂しい。

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灰吹屋鈴木薬局

同じ並びにある「灰吹屋鈴木薬局」!こちらは定休日だった。

灰吹屋鈴木薬局

店舗の裏に蔵が見えるな~

店蔵

こちらも丁寧な説明看板が設置されていて有難い。

説明看板

創業明治20年、建物も同時期に建てられたものである。

灰吹屋薬局、八日市場で同じ店名があったな~…と思っていたら、このお店の初代当主が八日市場の灰吹屋で修行し薬剤師の免許を取得、東金にお店を開設するときに灰吹屋を名乗ることを許されたらしい。

なるほど、だから「灰吹屋鈴木薬局」なのですね!

現在も営業中

お店では処方調剤、売薬、みやこ染の染料を取り扱い、東金における薬局の草分けだったという。私が集めている瓶の中に「みやこ染め」の瓶があったが、薬局でも取り扱っていたとは知らなかった。以前拾ったみやこ染めの記事→ボトルディギング!クリーム瓶、みやこ染め、吸い飲み…お宝ザクザク

一つの店舗から今まで触れてきた建物や瓶と繋がって面白い。

看板

店蔵の奥に新築住居があり、店舗は改装されているが、明治期の建物が現在も残っている。

隣の黄緑色の建物は畳販売店「廣島屋」。

廣島屋

向かいには「The Meaning of Life. coffee」というオシャレなカフェがオープンしていた。立ち飲みのコーヒー屋さんらしく、アートが好きな方にもおススメらしい。

The Meaning of Life. coffee

古い建物を改装してオープンしたと思われるカフェ。こうしたお店があると若い世代も街歩きが楽しそうだなと思った。今度友達と東金を歩いてみたいな。

 

 

(訪問日:2021年8月)

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