東金「八鶴館のひな祭り展」2022を見学。「雛段図掛け軸」など -東金22
東金、八鶴館にて開催されていた雛祭り展示。私が更新するのが遅くて申し訳ないのですが、2022年訪問の写真です。しかし、毎年開催していますのでまだの方は是非遊びに行って見てください!
東金「八鶴館のひな祭り展」2022
千葉県東金市東金 1406番地。JR東金駅から西へ徒歩10分ほど、八鶴湖のそばにある木造三階建ての国登録有形文化財の建築「八鶴館」。→「八鶴館」東金が誇る”千葉の三大旅館”木造三階建旅館建築を見学 -東金⑾
明治創業の割烹旅館で、5棟が国登録有形文化財に登録されている。現在は旅館業は廃業、レストランが営業しており、地元の方々によって「みんなの八鶴館」保存活動が行われている。
ひな祭りの展示会があるとTwitterや公式LINEの情報で拝見し、一度訪れてみたいと思っていたので、学生時代の友人を誘って風情ある八鶴館でひな祭りを楽しむことにした。
開催期間は、令和4年2月5日~3月5日。
観覧料、一般500円。
八鶴館旧館とホールにが華やかな雛飾りによって彩られている。
窓からは八鶴湖が見える。まだ桜が咲いていない時期だったが、これで桜が満開だったらとても春らしい写真が撮れそう。
こちらは、関西の方で昭和30年代まで主流だった御殿飾り!何度見ても豪勢な飾りつけに惚れる。
先日の、船橋市高根公団のひな祭り展示でも飾られていたのだが、関東では見たことが無い珍しいお雛様。
また、掛け軸タイプのひな祭りの飾りも!これは人生で初めて見た。当時の本物らしい!鮮やかなのに上品にまとまっている配色、絵柄、現代も家で飾りたい品だと思った。
調べたら、「雛段図掛け軸」と呼ばれるものらしい。「田舎へ行ってご/見てご!」さんが「雛段図掛け軸:昭和戦前」の記事にてまとめていた。昭和初期のものと考えると今から100年近く前?
「雛祭には、雛人形を飾るだけではなく、床の間にも節句にふさわしい掛軸を掛けました。その多くは「立雛」の図で、江戸時代以来、有名無名さまざまな画家たちが描いています。
著名画家に特別注文して描かせた雛掛軸は高価なものですから、一部の富裕層に限られますが、庶民もそうしたものに倣って、質素な掛軸を飾ることがありました。それらの多くは町絵師による木版摺や泥絵具の素朴な絵画で、のちには印刷で大量に作られました。
豪華な衣裳を着た雛人形が高嶺の花であった庶民にとって、雛掛軸はそれに代わる品でもありました。土焼彩色の土人形とともに、親戚・知人から贈られたいくつもの雛掛軸を部屋いっぱいに飾る風景も昭和30年代までは各地に見られたものです。
床の間が少なくなった今日では、雛掛軸もほとんど見かけませんが、この多色印刷の雛段図は何とも「レトロ」で、いかにも華やかで楽しい雛祭の雰囲気があふれています。」(「徳大光」HPより)
雛人形だけでなく、貴重な掛け軸も見ることができて良い時間を過ごせました。
八鶴館の裏側が気になって
番外編。八鶴館の裏側が気になるので散歩していました。駐車場としても使われているエリア。
下は浴槽の出入口。
木造三階建ての旅館建築。裏側から見ると地下1階のスペースがあるため4階建てに見える。千葉県内では最大規模の近代建築…
渡り廊下、外から眺めるのも良い景色。
天に高く伸びる煙突。鉱泉としての歴史を物語っているよう。現在は使われていない。
煙突の手前、小さな階段だが洋風な造りになっていた。古代ギリシャのイオニア式のような渦巻デザインが可愛い。
創業明治19年。八鶴館の建物が現在も残っていること自体が奇跡。地元の方々の想いで受け継がれている。私も頑張らねばと感化される街だ。
(訪問日:2022年3月)
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