JR外房線「東浪見駅」近くの国登録有形文化財カフェ「旧秋葉家住宅」 -東浪見⑴
JR外房線「東浪見駅」で下車し向かった先は国登録有形文化財に登録されている「旧秋葉家住宅」。かつては古民家カフェとして営業していたようですが…
JR東浪見駅
千葉県長生郡一宮町東浪見(とらみ)。ホームに降りると案内役?の案山子が見えた。東浪見の見守り隊とのこと。地元の方の手作りかな?かわいい!
案内看板によると「東上総梨の生産地」が南0.5~1.5㎞らしい。東上総梨、初めて聞いた。というかそれ以外に観光スポット紹介していないのか…
東浪見駅は、大正14年開業の無人駅。2007年に新駅舎となりシンプルな感じに。格子みたいな駅舎で冬は寒いかも。
かつては貨車を改造した古い駅舎だったそう。また、近くには「麻雀博物館」も存在したそうだが閉館に。
オリンピックのサーフィン会場になった東浪見海水浴場へは徒歩20分ほど。
東浪見(とらみ)の地名について、『角川日本地名大辞典』より引用。
虎見とも書く。
地名は、沖合いに砂泥が堆積し、泥海の名が生じ、これが転訛したものという(上総国誌)。
戦国期には「虎見之郷」、江戸期から明治22年まで「東浪見村」と呼ばれ、明治20年頃までイワシの地引網漁が盛んだったという。
東浪見駅周辺は住宅が広がっており、駅前に商店等は見当たらず。
駅前の通りを出て正面に板で覆われた元商店のような平屋があった。ガラスのショーケースが見えるが、何屋だったのだろう?コロッケとか販売していたら嬉しいなと。
右折して道なりに進んでみる。
柚庵(旧秋葉家住宅)
今回東浪見駅で下車した目的は、駅近くの「旧秋葉家住宅」を見学するため。先ほどの住宅街のすぐ近くにあり、長屋門が奥まった場所に入り口を構える。
周囲は高い生垣で覆われており、最初はどこから入ったら良いのか分からなかったが…とても立派な門がお目見えに。
旧秋葉家住宅は、3棟(主屋、土蔵、長屋門)が国登録有形文化財に登録されている文化財。以前から気になっていた。
秋場家はかつて網元をつとめ、江戸末期からは酒造業も営んでいた地域の有力者であった。平成25年に改修され、主屋はイベント会場などのレンタルスペースに、長屋門はカフェ、土蔵はギャラリーとして活用されている。
主屋は明治33年の建築。座敷に龍、松と鷹を彫刻した欄間(らんま)を備え、豪壮な細部意匠を見せる。土蔵は天保13年(1842)の丁寧な造り。長屋門は明治前期の建築。隅木(すみき)や梁(はり)に大きく湾曲したチョウナ梁を用い、端部を持送(もちおく)りにし出桁(だしげた)を受ける構造が特徴で、屋敷構えに格式を添える。(千葉県教育委員会のページより)
明治33(1900)年築の主屋。
一宮町南部に位置する。木造平屋一部二階建、寄棟造、桟瓦葺で四周に下屋を廻らし、寄棟造の玄関を付ける。一階は二列各三室を配し西奥の座敷は床の左右に床脇を構える。付書院の欄間に龍、座敷境の欄間に松と鷹が彫刻され、豪壮な細部意匠を見せる。(文化遺産オンラインより)
最近まで古民家カフェ「柚庵」が営業していたようだが、訪問時は閉まっていた。閉店してしまったのだろう。残念すぎる!主屋内の欄間、見てみたかった・・
仕方がないので周辺を見学。
庭先に残っていた手水鉢?こちらも凝った彫刻が見られる。
奥には池が広がる中庭があった。主屋からの眺望はさぞかし素敵だったのだろうな~
そして庭の奥に残る古そうな石造りの土台…これは一体?
社?土台しか残っていない。戦中の金属回収で銅像等が撤去された可能性も考えられる。
江戸末期から酒造業を営んでいたというが、どのあたりに工場があったのだろう?敷地全体は3000坪以上あるようだ。
主屋の東側は現在建物が無く空きスペースに。広々としている。
江戸末期に建造された土蔵。
主屋の写真は2017年に「田舎へ行ってご/見てご!」さんが「旧秋場家住宅(柚庵):一宮町」の記事にまとめている。貴重な写真!
このまま無人で放置されたままなのでしょうか…惜しい。
(訪問日:2022年2月)
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