富浦「岡本城址」国指定史跡の里見氏城跡(里見公園)へ登頂 -富浦⑷

富浦「岡本城址」国指定史跡の里見氏城跡(里見公園)へ登頂 -富浦⑷

富浦にある「岡本城」は、安房里見氏の居城の一つであった。現在は国指定史跡に指定され、「里見公園」として整備されている。

岡本城を目指してみかん畑を彷徨う

千葉県南房総市富浦町豊岡。里見氏ゆかりの「岡本城」を目指して、今回宿泊した聖山荘から出発。

聖山荘

聖山荘も、城跡に建てられているという歴史的な立地にあるので興味がある方はぜひ泊まってみてくださいね。女将さんに教えてもらった聖山荘の裏手から岡本城を目指します。

聖山荘の裏手から

千葉県教育委員会「里見氏城跡 稲村城跡 岡本城跡」より

里見氏は戦国時代から江戸時代まで10代、約170年にわたって房総半島南部を拠点とした一族である。『里見氏代々記』、『房総里見軍記』などの軍記物によると、水軍を編成し敵対する後北条氏を攻めるため相模へ侵攻したと伝えられるなど、関東では数少ない水軍を擁した一族としても知られている。

岡本城跡は天正8年、弟の梅王丸との後継者争いに勝利した8代里見義頼(よしより)が拠点とした城である。東京湾を望む丘陵上に造られ、城の規模は東西600m、南北300mにも及びこの地域の城としては非常に大きな規模と複雑な構造を誇る。中心部分は3つの曲輪(くるわ)から構成され、斜面下から海に向かって広がる曲輪は港としての機能を持っていたと推定されている。

聖山荘の裏手にはみかん畑へと繋がるレールがあり、それを辿っていくと山頂に辿り着くと聞いた。

みかんを運ぶためのレール

レール沿いは人が通るには狭い道幅でちょっとドキドキ。

聖山荘が眼下に

みかんを運ぶ農業用のモノレールは、山の斜面をうねうねと走っていく。この日は使用されていなかったが、私も頂上まで運んでほしい…

農業用モノレール

そしてみかん畑へ到着!城址に南国の世界が広がっていた。こちらはまだ山頂ではないので、さらに上を目指します。

廃好きな心を揺さぶられる
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史跡・里見氏城跡「岡本城址」

みかん畑を超えてさらに登る。どこかで道を間違えたらしく、行き着いた先に道が無かった。眺めは素晴らしい。

素晴らしい眺め!

もはやここまでか…と諦めモードだったが、山の斜面を登るという荒業で頂上を目指すことに(良い子は真似しないように)。長年の登山の経験がこんなところで役に立つとは!

山の斜面

斜面には明らかに古い石垣が残っていた。これらも里見氏の時代から存在するものなのだろうか。

石垣?

山を登り切った先に主郭へ!いや~本当に無事に着いて良かった…

主郭へ

内房の真っ青な海が見渡せる絶景スポット。北側の櫓台の跡地だそうで、現在は大きな岩盤が地面にあるのが目印…

かつての櫓台からの眺め?
碑(読めない)

岡本城址の巨大な板碑も設置されている。

岡本城址の碑

里見公園として整備されているが、公園?と思わず頭をかしげてしまうほどの雰囲気。申しわけなさそうに雑草が茂るベンチが置いてあるくらい。

現在の里見公園

館山市立博物館の情報によると、掘立の高層建築があった可能性があるとのこと。

富浦町豊岡の海岸へせり出した丘陵端に位置する。標高66mで、尾根上・中段・裾部に八つの郭と多数の腰曲輪がみられる。居館などの生活址は中段から下にあり、発掘によって中国製陶磁器などが出土したほか、掘立の高層建築があった可能性が指摘されている。

南房総市による説明看板

山を下る際は正規のルートで。

切通があった

急な坂道と階段が待っているので、10分くらいの道のりだが疲弊した。

坂道からの眺め

ちなみに、トンネルの右側の階段が岡山城址への登城口。駐車場はなく、観光スポットらしくもないひっそりとした穴場だった。

登城口

聖山荘があるのはトンネルの先。

素掘りトンネル?

ちなみに、聖山荘の周辺は小川が流れているがこれも堀の名残だとか。

右手に小川が流れる

蛇行しつつ狭い道も合わせて楽しんでみて下さいね~

 

 

(訪問日:2022年1月)

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