喫茶店「ペパーミント」常盤平中央商店会にて。素敵なアトリエと出会う。
千葉県松戸市常盤平。常盤平団地傍にある「常盤平中央商店会」に自然の美しさを生かしたアトリエ&喫茶店「ペパーミント」というお店がある。
偶然、彼岸花の名所である常盤平の祖光院の帰りに立ち寄った喫茶店であったが、居心地の良さに浸ってしまい2時間以上も色々なお話を伺った。
常盤平中央商店会の「ペパーミント」
常盤平中央商店会についての紹介は前回したが、新京成電鉄「常盤平駅」からけやき通りを南に進むと見える商店街の一角に、ペパーミントというお店がある。看板には「草や木を暮らしに生かす アトリエペパーミント」とある。
昔ながらの商店街の看板には「クレープとハーブティーのアトリエ」とある。昔はクレープが名物だったが、時間がかかるため現在はクレープは扱っていないらしい。
メニューにはお食事から、デザート、ドリンク、ハーブティーなど豊富な品揃え。店主の方がすべて手作り。地元の方は先に予約を入れてから来店するらしい。
そしてお店の中に入る前に色々と見入ってしまう小物がたくさんある。これらもすべて店主の手作りで、しかもガーデンフレームまでお手製だとか…凄い。
ハーブなど色々な商品が販売されており、手ごろな価格で購入することができる。
こうした小物が好きな女性も多いのではないでしょうか。一緒にいた友達も、ハーブなどが好きらしくお店の雰囲気にドハマりしていた。
ペパーミント店内の温かい雰囲気
ペパーミント店内は入り口にも商品がずらり。藍染もしているらしく、染物も販売。どれも可愛い…
お店は奥に机が2つ。その奥に作業スペースとなっており、広くはない。この日も地元の方が数人訪れていた。
ハーブや草木で染めた糸はとても綺麗な発色が出ていて凄い。天然素材の良さに改めて気づかされる。店主の方がひとつひとつ作り方や良さを教えてくださった。知らないことばかりでとても面白い。
今日の十穀弁当!
ランチに頂いたのは「今日の十穀弁当(900円)」。900円でこのボリュームのお弁当が出てくるとは思わず、びっくり。
さらに食べてびっくりするほどの美味しさ。十穀米だけでも美味しいけど、煮物やカツが自然の味を感じる。煮物ってこんなに美味しかったっけ…
そしてソースにもこだわりが。ハーブソースを使用しており、カツによく合う。ハーブソースは佐倉市の国立歴史民俗博物館でも販売していた。
ケーキとシャーベット
十穀弁当が想像以上に美味しかったので、デザートも追加注文。手作りケーキ(450)を注文した。レモンのシャーベットもおまけで頂いた。
手作りケーキがブルーベリーと葡萄が添えられていて、もはや芸術作品のような美しさ。デザートまで完璧に美味しいです…
レモンシャーベットはレモンの果汁が入っていて、暑い時期にぴったり。シャーベットは夏季限定。
アトリエ店内の飾り
十穀米、普段あまり食べる機会が無いのだがとても美味しかった。
ペパーミント店内。全体的に暖かみを感じる落ち着いた店内だった。どこか懐かしい、帰省したような…
壁には一面、綺麗な絵が展示されていた。まさか、と思ったらご主人がすべて描いた作品だそうだ。多彩…
ご主人は、芸術大学を卒業してこのお店を開いたのが30年以上前。編み物から染物、絵画に工芸、料理まですべてをこなすご主人…憧れる。
『喫茶店経営』貴重な写真
1988年7月創刊の『月刊 喫茶店経営』を見せていただいた。喫茶店を経営するための雑誌、初めて知った。
『月刊 喫茶店経営』は食の総合出版社柴田書店で、1963年に創刊された雑誌である。
コーヒー・紅茶を核メニューとする、喫茶業の専門書。喫茶店・カフェのオーナーさんに、またこれから喫茶店。カフェの開業を考えている人を対象に、喫茶店。カフェ業界の現状、営業に役立つ最新情報を紹介します。
現在は販売していないようなので廃刊となったのだろうか。
そしてこの雑誌にペパーミントが紹介されているのだ。「150種ものメニュー数をこなしつつ、着々とハーブの専門性を高める」
オープンは昭和61年7月。若き頃のオーナーさんと奥さんの写真も掲載されていて、なんだか恥ずかしそうに紹介してくださった。
まだハーブが広く一般的に知られる前。
昔の人が生活の中で体得し、語り継いできたこと、たとえば火傷にはこの薬がいい、というような、身近な知恵をもっと大事にしたいという。
この紹介文にペパーミントの真髄が詰まっている。私たちもオーナーからその話を伺って、ますますこのお店が好きになった。
そして、上の写真に写っているのはクレープ。『苺の夢』(380円)。現在はクレープを作るまでに時間がかかるため、メニューにはない。以前はテイクアウトもあったらしいが、時代とともに変化している。
クレープ、食べてみたかったな。
下のは日替わりケーキ。バナナチョコレートパイ、とても美味しそう!
当時珍しかったハーブ専門店は、この雑誌だけでなく様々な取材を受けてきたそうだ。講座なども開催してきたらしい。凄い方に貴重なお話をたくさん伺えてよかった。
この雑誌は30年以上前の貴重な情報がたくさん載っている。
こちらはコーヒーハウスPOEM。以前、市川市の鬼越で見たことがある。
鬼越商工会。激渋理容室の裏路地にはカフェーや銭湯の名残が?鬼越駅から千葉街道 -市川⑹
店舗数が少なくなっている現在、加盟店募集の広告は貴重なものだ。
当時は個性的な喫茶店がたくさんあったのだなとしみじみ。
松戸市の喫茶店も残っているものは少ないそうだ。
30年で私たちの生活は大きく変わった。食べたいものはすぐに食べることができて、とても便利になった。
でも、忘れてしまっていることがあると感じた。不便さの中にある自然の魅力。自然の魅力を最大限に生かした喫茶店はここだけではないだろうか。
松戸の常盤平、一度ぜひ訪れてほしい。
(訪問日:2020年10月)
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