館山「なぎさ銀座」。200軒も広がる”南房総最大の歓楽街” -館山⑼
館山駅東口から西口へ!今回は、地元の方に「館山駅の西側に200軒もの飲み屋街があり賑わっていた」と聞いたので、その飲み屋街の現在を調べに行きました。
館山駅東口の昭和
千葉県館山市北条1854−2。まずは館山駅東口近くにある「三越館山店」。
初めて見た時、正直なんでここにデパートがあるんだろう?周りは閑静なビル街なのにと思ってしまったが、三越の向かい側にかつてはもう一軒デパート「十字屋」があったらしい。現在は高層マンションに。
その横の道を通って南へ。創業90周年感謝企画で1泊5500円の幸田旅館の看板が見えてきた。今回宿泊したがこれは正直安い…
かつては幸田旅館以外にも駅前旅館が多数存在したようで、昭和35年(1960)の住宅地図が「きみしょうフラワーレター」に載っている。
紋屋旅館、泉屋旅館、梅屋旅館、佐津喜旅館…どれも幸田旅館よりも駅に近い場所に旅館を構えていたようだ。
幸田旅館の裏にある「館山食堂」は安くて美味しいと評判なので入りたかったが、残念ながら休みだった…
裏道にも飲食店があるようだ。ここから内房線の踏切を渡って西口方面へ。
帽子店の「東京堂帽子店」は昭和30年創業、「各官庁御用達帽子」も扱っているという。
※2021年1月、閉店していました…
踏切がある通りは地図を見ると「汽船場海岸通り」と書いてある。
かつて東京からの船が到着した浅橋へ向かう道。現在は車通りが多く、海路で賑わった面影はありません。
左手には「珈琲館サルビア本店」。館山が誇る純喫茶らしい、後で知った。駅からも近いので今度入ろう。
館山「なぎさ銀座」
汽船場海岸通りを海岸へ向かって歩くと、右手にいくつか看板が見えてきた。
館山の商店街に住む方にこの辺りについて情報を頂いた。かつては芸者も多く花街として賑わったが、それも衰退した後に館山駅の西側に200軒以上の飲み屋街ができたという。
その面影は現在もあるというので自分の目で確かめに来た。
看板の先の建物の奥にはカラフルな看板が連なっていた。飲み屋街への入り口は意外と駅から近かった。
比較的新しい看板が多いので営業中のお店も多いと思う。夜になったら賑わうのかな~
「渚銀座」を調べると結構情報が出てくる。有名な飲み屋街のようだ。”南房総最大の歓楽街”とも評されている。20年ほど前は200軒ほどあったが、現在は100軒ほどが営業中らしい。半分になっても尚凄いお店の数!
居酒屋、スナック、クラブ…
カラフルな看板が左右に並んでいる。この雰囲気、以前訪れた木更津の飲み屋街に似ている。→千葉県唯一の現役見番「木更津会館」。裏に広がる飲み屋街の迷宮へ -木更津⒅
木更津は細い路地にギュッとコンパクトな飲み屋街だったが、館山は規模が全然違う。地図で上から見ると範囲が広く、今回私も全部を回り切れていなかった。
「DEEP案内」の2010年の記事に館山駅西口から渚銀座への入り口に、「渚銀座」と書かれたネオン看板が建っていたが、駅側に現在もあるらしい。
古い案内看板も味があって良かったけどなかったな。
遠目から見たら、建物の両サイドに看板が撤去された後のような柱が2つ建っているので、アーチの名残かもしれない。
アカスリ…10年前の記事では怪しげな店名も多かったが今はどうなんだろう?また、渚銀座とは別に「新地?」という繁華街もあったそうなので、赤線的な場所も発展したのかな~
向かい側には大きな商店。夜まで賑わったに違いない。
館山・北条海岸へ
汽船場海岸通りを西へ、北条海岸へ。
なぜかグーグルマップには書いていないが「館山ビジネスホテル」が営業中。素泊まり3500円。
向いに新館もあり、合宿?の男子学生が多勢シャワーを浴びていたのが印象的だった。海から近い旅館。
昭和の旅館!雰囲気良さそう。
また、その並びにはもっと雰囲気のある旅館らしき建物があったが、閉鎖されていた。
2014年頃は「旅館 見晴亭」とガラス戸に残っていたが…
もう営業していないのかな、残念。
すぐ目の前は北条海岸の北条桟橋。
戦前、この辺りは大型汽船の船場として賑わったことが絵葉書「房州北条海岸汽船場」からうかがえる。→「館山の桟橋」
渚銀座、広い飲み屋街
引き続き、南房総一の飲み屋街・渚銀座を辿る。海側から駅西口へと戻る途中にもたくさんのお店があった。
近くに「震災観音堂」という場所があるようだが今回は見逃してしまった。
まだ夜前だったので静かで誰もいない…
飲み屋街にある町中華「正龍」、良い雰囲気~
2階建ての飲み屋街。比較的新しそうな雰囲気。
駅前で見かけた、オートシェア、これ良いな…飲み屋街と全然関係ないけど。
駅西口から南へ行ったところに、渚銀座のアーチ看板が建っている様子。2019年なので今はどうだろう。
渚銀座、最盛期の頃を見てみたい。赤線、青線の時代もあったのかな?今度は夜に訪れてみたい。
(訪問日:2021年8月)
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