「旧多古郵便局」昭和17年築、千葉県最初の郵便局? -多古⑹

「旧多古郵便局」昭和17年築、千葉県最初の郵便局? -多古⑹

多古を訪れた一番の目的地が「旧多古郵便局」を一目見るため…!

千葉県で最初の郵便局の一つである「旧多古郵便局」が現在も美しい姿で残っている。令和の時代に見ることができて感謝です…

多古の近代建築

「旧多古郵便局」を目指し、前回の記事の商店街を歩いていた。場所的には多古南郵便局の北側の通り…

北へ

写真で見た美しい近代建築が目の前に!成田空港からバスに乗ってはるばる訪れて良かったと心から思った。そして現存していて嬉しい。

多古の近代建築

昭和17年築の「旧多古郵便局」。国登録有形文化財に登録はされていないようだが、文化財に匹敵する価値のある建物だと思う。

旧多古郵便局

現在は個人所有なので、文化財に登録してしまうと補修など融通が利かなくなるので大変だと他の所有者の方からも伺ったので登録されていないのかも。内部の見学などは行っていないので、静かに見学しましょう!

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旧多古郵便局

旧多古郵便局は、昭和17年(1942)に建てられた木造2階建ての郵便局。戦前の建物である。

昭和17年築

「千葉県の産業・交通遺跡」のページに詳しくまとめられている。

この建物の前身が、明治5年(1872)に千葉県内第一号の郵便局として、多古、大総、野尻に開業した3局のうちの一つ「多古郵便取扱所」が地元の有力者の敷地内に設けられたそうだ。

多古、大総、野尻が千葉県で初の郵便局開業だったとは…まずその事実に驚いた。多古以外の地名は場所がピンと来ない。

調べたら、大総村(おおふさむら)が千葉県山武郡にかつて存在したそうで、現在は横芝光町の大総郵便局などに名前が残っている。

野尻は、千葉県銚子市にある野尻町。なぜこの3つの地域だったのかはまた郵便の歴史を調べてまとめたい。

正面入り口

明治39年に局舎が新築されるが、老朽化に伴って現在地に昭和17年に現在の建物が建てられた。

1階で郵便業務、2階を電話交換所として使っていたが、昭和40年(1965)に移転した後は倉庫として利用しているという。

木造モルタル仕上げ、瓦屋根、総二階建ての建物で、建物の下部には昭和初期に流行したスクラッチタイルを張っているのが特徴的。

中央には郵便受けも

立体的な大きな陶器の看板は、特注のものらしい。

横から見ると立体的!
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郵便局のマークと桜、葉をあしらった特注の陶板…
昔は、郵便と言えば桜だったのかな?同じ頃の古い郵便ポストで桜と葉があしらわれたものを見たことがある。関係あるのかな~

桜と葉
東京にて

二階の窓ガラスは一部割れてしまっているが、当時のままの貴重なガラスだろう…

二階の窓ガラス

建物内には保険年金などが書かれたカウンターや公衆電話ボックスが当時のまま残っているようだった。なんだか倉庫として使用するのは勿体ないくらい素敵な雰囲気…

また、郵便局がある地元の有力者の方の邸宅の門も凄い…何の木だろう?

木の門

門の隣には蔵も。昭和8年の鳥瞰図にも描かれている。

蔵と門

旧多古郵便局…

素晴らしい建物を保存してくださってありがとうございます。見ることができて本当に嬉しかったです!

 

(訪問日:2021年8月)

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