”多古町役場”周辺の商店街。繭市場、老舗旅館「ますがたや」 ー多古⑴
多古町へ行ってみたい!と思ったが、最初にどうやって行くのだろう?と交通手段が思いつかなかった。調べると、成田空港から多古町へのシャトルバスが運行されているらしく…
遠いようで近い、多古町の探索のはじまりはじまり。多古町、なかなか濃い歴史が詰まっていました!多古町の記事数が多くなっていますが、鳥瞰図と住宅地図を資料として掲載したのでぜひ読んでみて下さい~
成田空港から多古町へ
千葉県香取郡多古町多古584。今回の目的地は、多古町役場。
公共交通機関で多古町へ行くことを考えると、成田空港第二ターミナルから多古町役場前のシャトルバスを利用すると良いことが分かった。成田空港からシャトルバスが出ているなんて!便利ですね~
1時間に1本。早朝に出発し、成田空港第二ターミナルへ。ここからバスを利用するのが初めてなので最初は戸惑ったが、千葉県各地に行けるのでこれから利用したいなと思った。
シャトルバスといっても、バスのサイズは普通の路線バスと同じ。夏だったので、九十九里にある「蓮沼ウォーターガーデン」を目指す学生もバスを利用するために訪れているようだった。
バスは長閑な山道を抜けて多古へ。利用している人は数人だった。
成田空港から東の地域は交通手段がないので車が無い私にとっては行きづらい場所だが、機会があったら歩いてみたいな…
同じ千葉県に住んでいても知らない場所がたくさんある。
後で書くが、成田鉄道多古線が存在したころはこのバスが通る道と同じような感じで電車が通っていたのだろう。成田と八日市場を結ぶ鉄道、もし今もあったら便利なのに…
車を持っていない人間からすると、勝手ながら成田鉄道多古線が恋しい…笑
多古町役場へ到着
20分ほどで多古町役場へ到着。案外、房総などに行くよりも近い気がする。なぜ今まで訪れなかったのだろうと思った。
多古町は、昭和29年(1954)に旧多古町と久賀村、中村、常磐村が合併して多古町となった。
明治44年(1991)から昭和21年(1946)まで成田鉄道多古線が通っており、五辻駅・飯笹駅・染井駅・多古駅の各駅が存在した。現在の最寄り駅は、芝山鉄道芝山鉄道線芝山千代田駅ではあるが、成田駅の方が利便性は高い。
昭和49年の 「郷土資料事典」には「国鉄バスが佐原・成田・八日市場の各方面に通じ、バス交通の中心地である」と書いてある。現在はJRバス関東と千葉交通のバスが走っている。
先ほどから多古町役場の写真を載せているが、町役場の建物自体が重厚な造りで素敵だと感じた。
多古町役場庁舎は、鉄筋コンクリート造3階建て、1981年に完成したようだ。ドラマのロケ地としても使われることがあるとか。
お城のような外観…
それ以前の多古町役場は昭和8年、松井天山の鳥瞰図によると西側の妙光寺の近くの道沿い、稲荷社の手前にあったようだ。
多古駅初代跡がある交差点
多古町役場で降り、まずは成田鉄道多古線の多古駅を追うことにした。
町役場があった場所は、昭和8年の鳥瞰図には「町立家政学校」やそのグランドがあり周辺は商店街の雰囲気はない。
定食屋「今出屋」は支度中だった。
ディスカウントストアセイコーは閉まっていた。
多古の商店街の街灯を発見。あじさい?のイラストが描かれている。
そして交差点の角、広場になっていて多古の歴史散策の案内看板があるのが助かる。
また、井戸も。この場所には「石毛支店」の建物があったらしいので昔からあるものなのだろう。
この交差点の辺りが、多古駅初代の跡。多古駅については次回の記事で探索&資料を載せるのでぜひ。
田町「多古繭市場」
昭和8年、松井天山が描いた「千葉県多古町鳥瞰図」によると、この交差点の周辺の地名は「田町」。確かに田んぼの中に町が出来ているから田町という名前も納得がいくような…
田町の交差点の北に「多古繭市場」が描かれているのが分かるだろうか。
戦前の千葉県では養蚕業が盛んで1880年代から発展、1940年の繭生産量は全国13位に。特に山武・香取・印旛・匝瑳の4郡が主要な生産地だったという。各養蚕農家でつくられた繭は、繭市場へ集められ、加工されて出荷された。
田んぼの中にある広大な繭市場。現在は面影が無いが、「多古町歴史民俗資料館」がある辺りが跡地だと思う。
資料館を見学する際は多古町教育委員会に連絡しなければならないらしく、今回は見れなかった。繭市場のこと、資料館にヒントがあるかな…また訪れたい。
また、繭市場の南側、現在の越後屋酒店の北隣には「劇場」も描かれている。
「消えた映画館の記憶」によると、「多古文化劇場」と「多古新映」の2つの映画館が多古には存在したことが分かる。田町にあったのは多古文化劇場なのでその前身が昭和初期に存在していたのだろうか。1960年代に閉館しているので60年以上も前の話だが…
田園の中に咲いた料亭
交差点から南へ。鳥瞰図に描かれている風景とあまり変わっていない田園の風景。歩いていると水路が巡っていて、涼し気だ。
暫く歩くと、「田園」というバーが見えた。
その隣は、昭和の住宅地図を見ると「料亭志おり」と書いてある。
最近までスナックとして営業していたみたいだが看板が無くなっているので閉業したかな。
この通りは裏道だが、町役場の近くなので飲食店が多かったのだろう。
さらに進むと自動精米所やコインランドリー、北総共販センターが見えてきたが閉まっていた。
現在は面影も無いが、この向かい側には鳥瞰図に「醤油醸造青柳支店」が描かれている。昭和8年、松井天山「多古町鳥瞰図」より
煙突から煙が出ている。支店とあるので本店が違う場所にあったのだろうか。調べてもよくわからなかった。
割烹旅館ますがたや
そしてさらに道沿い、南側にあったのが旅館。
割烹旅館「ますがたや」である。
楽天トラベルからも予約ができるようだ。
“ますがたや旅館”は約100年の歴史がある和風旅館で、
館内には80年前の柱時計があり歴史を感じながらも、
リノベーションされたお部屋は快適にお過ごしいただけます。
創業100年以上…多古の老舗旅館である。
木造2階建て。門から見えるお庭も素敵だ…一度宿泊してみたいな。
旅館の南側は国道296号が通る交差点。かつてここに2代目の多古駅が存在したらしいので旅館もその頃から利用されていたのかもしれない。
多古の探索、これからいよいよ多古駅、そして商店街を巡ります!乞うご期待!
(訪問日:2021年8月)
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