多古に残る、昭和初期の病院建築「大木医院」-多古⒂

多古に残る、昭和初期の病院建築「大木医院」-多古⒂

多古町を探索していて見つけた近代建築…

木々に埋もれてひっそりと残る建物を調べると、私が好きな病院建築でした。いつ取り壊されてもおかしくないのでこの場で記録に残しておこうと思います。

多古町に眠る病院建築

多古町のとある住宅街の中にひっそりと残る木造建築…木々に埋もれているが、これはただならぬ気配!と感じた。

住宅街にて

うわあ…これは凄い。全く情報が無かったので遭遇出来たことに感謝しかない。

美しい近代建築

木造平屋うっすりピンク色の下板見張りの外観、一方で屋根瓦がついていて昭和初期に流行った和洋折衷の雰囲気を醸し出している。

和洋折衷

そして木枠の赤い窓も素敵だ…あまり改装されていないので建築当時のまま残っていてびっくりした。

窓枠

郵便局?最初は何の建物なのかもよくわからなかったが、入口にスロープと手摺がついているので最近まで使用されていたことが窺える。

入り口

入り口の扉は新しくなっている。コンクリート製の正面玄関の造りが良いな~

建物の横に回ってみると、奥に建物が続いていて敷地が広い。裏の入り口もあった。

奥に広い

ブロック塀の上部が丸いデザイン。表札もあったが個人名しか書いてなかったので謎であった。

入り口から左手にも洋館?応接間のような建物が併設しているのが見える。周辺は木々に覆われていて建物の全体を見ることは出来ない。

全体感
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大木医院

資料から探してみると…

昭和8年、松井天山が描いた「千葉県多古町鳥瞰図」に同じ場所に「大木医院」が建っているのが分かった。

大木医院

ヤシの木のような細長い木が鳥瞰図にも描かれていて、現在と同じ雰囲気!

昭和8年、鳥瞰図

少なくとも昭和4年にはこの建物が存在したことが分かる。しかし、昭和50年代くらいの住宅地図には個人名になっているので廃業した?かと思ったら、多古町商工会の並びに「大木内科医院」という同じ名前の病院が現在も営業中であることに気づいた。

昔の病棟がそのまま残っているの凄い!

素敵な病院建築なのこれからも残してほしいな…

(訪問日:2021年8月)

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