「装飾をひもとく ~日本橋の建築・再発見」高島屋で開催されている展示
日本橋高島屋で開催されている「装飾をひもとく」展覧会へ。この展覧会では、日本橋地域の近現代建築が詳しく説明されているだけでなく、パンフレットまでいただけるという豪華な展示!
展覧会は撮影禁止なので、資料をもとに建築巡りをした様子をご紹介。
「装飾をひもとく」高島屋で開催中
「装飾をひもとく~日本橋の建築・再発見~」は東京都中央区日本橋の「高島屋史料館TOKYO 4階展示室」にて開催中。
会期は2020年9月2日~2021年2月21日。
入場料はなんと、無料!
これは行くしかない!
普段見ている建築も、改めて客観的に建築様式を勉強してみると、魅力が再発見できるかも?Twitterでも話題になっており、来年には待望の書籍化?も実現するらしい。
青幻舎ホームページによると、1月刊行予定。楽しみ!
展示室には、現在は無い建築の模型や装飾に関する詳細な解説…じっくりと見ていたら時間が過ぎるのも忘れてしまう。
配布された「日本橋建築めぐり」マップを基に早速探索へ!
高島屋の屋上庭園へ
まず向かったのは屋上。階段の途中にも素敵なデザインを発見。展覧会では解説されていなかったが、個人的に気になる場所も混ざってます。
わかりづらいけもしれないが、中央がステンドグラスみたい。反射して綺麗。
屋上庭園への入り口。扉も素敵。
エレベーター前には椅子があり、休憩している方も。洋館にいるような雰囲気。
普段あまり高島屋に訪れるタイプではないので、エレベーター前の通路の美しさにテンションが上がる。
この日はあいにくの雨。雨が降っていても探索は関係ない!傘をさして頑張りました。
屋上へ行く前に、昭和54年の紙が貼ってあった。
屋上庭園には、ローズガーデン、日本庭園など都会にいながら自然を楽しむことができる。
木の花壇もよく見てみると模様が…!渦巻の雷紋模様の装飾も特徴的。
屋上の噴水・日本庭園
屋上の噴水。昭和6年(1933)年開店の時に設置されたとても古い噴水だ。
円形の噴水を囲むのは、ペリカンの装飾。
口を大きく開けたペリカンの装飾は、謎に包まれているらしい。
噴水の中央には、陶芸家・小森忍さんの作品。開業当時の展覧会の作品だそうだ。
日本庭園はこちら。
奥には七福殿。高島屋発祥の地である京都の寺社から七福神を迎えたもの。
立方体の手水鉢はとても珍しい。ここにも幾何学模様が入っている。
屋上のエレベーターホール外観
エレベーターホールの出入口の外観。創建当時の意匠が残る。
軒下の装飾や、柱頭飾りにも注目。
外観はタイル張りで洋風だけど、意匠は和風。柱下部の丸みを帯びながら絞ったデザインは禅宗様の特徴らしい。
一階正面ホール
次は一階正面ホールへ。多くの方が買い物をしている中、建築様式をじろじろとして見るのはちょっと目立つな…
そうめんホールの天井。普段上を見上げることがないが、天井にもこだわりが詰まっている。
よく見かける雷紋風のデザイン。
中央の大きな花は、蓮の花風のモチーフ。幾何学模様や雷紋で植物が美しく表現されている。
同じデザインのものが、箱状の照明の中央に。
ひたすら天井の装飾…カメラでズームしてよく見える。
普段天井を見上げ無い方も多いと思うけど、天井も素敵だよ~
雷紋模様と、花のデザイン!雷紋の一部が植物のツルのようになっていて、おしゃれ。
一階正面ホールの吹き抜け天井。ずっと見てられる。
正面玄関
そして、高島屋正面玄関。
正面玄関風除室にある柱頭は独自性が高いという。雷紋が二つ並ぶことによって、イオニア式のオーダーの抽象的図像化として解釈できるらしい。
そして柱の隅には、小さな紡錘形のデザイン。
風除室の奥の壁にある、お椀型の台。蓮の花弁をモチーフとしているらしい。蓮弁は高島屋の装飾でよく使われている。
欄間も高島屋では西洋風。西洋の建築には欄間が無いため、和風のモダン化と考えられている。
正面玄関
正面玄関の外へ。高島屋は昭和8年に誕生。増築、改築を繰り替えしているが、平成21年に本館が国の重要文化財にしていされている。百貨店としては初。
遠くから見た高島屋本館。
スターツ日本橋ビル
高島屋本館の向かい側にあるビルは1979年に建設された「スターツ日本橋ビル」。
1927年に建設された「旧川崎銀行本店」の断片を再構成したポストモダンなビル。
壁の一部に以前2階にあったバルコニーの腰掛がみられる。知らないと気づかない装飾だ。
今回は高島屋本館の装飾をちょっと見ただけだが、日本橋には三越本館や日本銀行など、数多くの建築がある。
日本橋を訪れる際は、いつもより注意して見てみると面白いかもしれない。
(訪問日:2020年10月)
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