白浜海洋美術館|野島崎灯台傍.万祝染めや美術品の展示が充実 -白浜⑺

白浜海洋美術館|野島崎灯台傍.万祝染めや美術品の展示が充実 -白浜⑺

南房総市白浜町。野島埼灯台のすぐ近くにある「白浜海洋美術館」に立ち寄りました。海に関する美術品が展示されており、見応え十分!少し奥まった場所にあるので隠れ家的美術館です。

 

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白浜海洋美術館 灯台そば

千葉県南房総市白浜町白浜628−1「白浜海洋美術館

房総最南端に位置する野島埼灯台。前回は灯台を見学し、灯台の東側すぐに位置する「海洋美術館」の看板が気になったので行ってみることに。

案内看板

どうやら美術館は、小さな公園の奥に位置するみたい。灯台のほうは観光客の姿が見えたがこちらは人気が少なくて本当にこの奥に?と心配になる。

和風な立派な造りの建物が見えてきた。こちらが白浜海洋美術館!

休館日が火・水・木とのことなので訪問する際は注意。
意外と建物が大きく、外にはテーブル等が置いてあり休憩もできそう。

入館料は一般500円。

受付へ

白浜海洋美術館は、千葉県で一番古い美術館とのこと!
1965年8月に柳八十一・和子夫妻が私財を投じて創設。

お客様の声も展示されている

ホームページには、建物の変遷も記載されている。元々は、網元だった茅葺屋根の建築から、現在の網蔵風の和風建築に建替えたそう。

概要
「海洋国日本」の思いを込めて柳八十一夫妻が蒐集したものを1965年に網元だった茅葺建築で開館。1973年網蔵風の和風建築として現在地に新築開館いたしました。この建築は芝浦工大建築学科の元教授、石川洋美先生の代表作でもあります。
江戸から大正にかけて海に関わって美術的に価値の高いものを、千葉県を中心に全国から集め、百点ほど展示しております。
特に房総半島発祥の大漁半纏、万祝(まいわい)コレクションは必見です。
先人達の海への心を感じ取って頂けるユニークで個性的な私設美術館でありたいと思っております。(ホームページより)

設立の歴史
’62年白浜に旅行中、偶然海女さん達の休む小屋で柳八十一夫妻は万祝を見つけました。
その美しさに魅了されて、それから万祝と海関係美術工芸のコレクションが始まりました。
約二年間の蒐集の旅があり’65年に開館、’73年に現在地に移転しました。

展示品
●万祝と万祝作家の型紙、ペリーとプチャーチン一行の肉筆似顔絵、大漁奉納絵馬、、船徳利、漁師さん達の手作り道具等
●貝合わせ、参勤交代の大名達が乗った御座船の屏風、捕鯨絵巻物、鯨解体の絵巻物等(現在展示していません)

現在の館主は、2代目。元陶芸家で2006年に白浜に引っ越してきたらしい。X(Twitter)にて情報発信もしている!今回、一人で訪問するのに緊張していたが、丁寧に展示品を説明してくださるおかげでとても楽しめた。入館料500円も納得。

建物の外にも早速、鯨の岩。

鯨岩
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万祝をはじめとした白浜海洋美術館の展示品

600点以上あるコレクション。特に注目ポイントは、漁師たちが大漁時にのみ着たという「万祝(まいわい)」。

万祝 展示

江戸後期~昭和初期の大漁半纏。
大漁のお祝に着用した漁師さんの晴れ着だそう。100年ほど前のものですが色褪せず鮮やかなデザインに惹かれる。

また、大漁時に三日三晩お祝いの酒盛りをしたという盃も。

大漁祝の三つ重盃

こちらは大きな大漁絵馬。明治時代の九十九里を描いたものだそう。

大漁絵馬
漁師の手作り品

パンフレット等も置かれているスペースには箪笥があったがこちらも寄贈されたものだとか。凄い立派。

奥にはいろいろな種類の万祝が展示されていて圧巻!

大漁時に着る晴れ着のため、1着ずつオーダーメイドらしい。確かに絵のデザインもそれぞれ個性的だし、屋号等も入っているものもある。

これは捕鯨かな?
桃太郎?

こちらは明治~大正期の大漁半纏の見本帳!何と貴重な。

見本帳

見本帳には浦島太郎も描かれている。そうか、浦島太郎も漁師だったのか…
染物屋が注文を取るカタログも手描きで味わい深い。

そういえば、小学生の時に鴨川で万祝染めの体験をしたことがある。その時は詳しく分からなかったが、万祝染めの発色が好きで今も部屋に飾ってある。

見ているだけでも楽しい展示品。

また、こちらは船首飾り。明治時代、手こぎ船の先頭につけられたマスコットらしい。

海女さんのデザインも

 

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そのほかにも海に関する資料が常時約100点展示されているとのこと。

江戸時代の南蛮船

大漁記念写真
船首飾り 明治時代
出刃入れ 昭和時代
喫煙具など
大漁絵馬
ペリー肖像など

房総で育まれた漁師の文化を近い距離で知ることが出来る、白浜海洋美術館。
ぜひ野島崎灯台と合わせて訪れてほしい場所だった。

公園にあった滑り台は最近撤去されたらしい?

昭和な滑り台だった

 

(訪問日:2022年11月)

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