椎柴の国登録有形文化財「滑川家住宅長屋門」など近代建築 -椎柴⑶

椎柴の国登録有形文化財「滑川家住宅長屋門」など近代建築 -椎柴⑶

JR成田線の椎柴駅の街歩き第三弾!次は西側の方を歩き進めます。国登録有形文化財に登録されている滑川家住宅長屋門も必見です。

利根シジミ!国道~県道沿いを歩く

千葉県銚子市野尻町。前回の続きで、国道356号沿いを折り返して西へ進む。

魚屋さん

この辺りは利根川を利用した水運の町として古くから栄えており、今回歩いている旧銚子街道沿いはまさにその面影が残っている。

国道沿い
売り物件

そして駅方面ではなく国道356号沿いを西へ進む。

下の写真は国道沿いで見かけた園山水産の建物。「利根川名産しじみ」、初めて聞いたが今も名産なのかな?

利根川名産しじみ

調べていたら危機に瀕する「利根シジミ」の記事があった。→「危機に瀕する利根シジミ

2002年の記事ではあるが、20年前の時点で厳しい状況とは…理由は護岸工事や外来者による乱獲によるものらしい。名産品も時代とともに変わってゆく。

国道沿いは新しい道なので、県道71号の旧銚子街道方面へ。

県道71号

車と歩行者がすれ違うのにギリギリな道。右手には「ESSO」と見える外壁、元ガソリンスタンドだ。

ESSOガソリンスタンド

看板と外壁のみ。家の前の小さなガソリンスタンドの風景。

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新宮大神(野尻町)と煙突

少し県道を歩くと右手に鳥居。新宮大神とのこと。

新宮大神

県道71号線から奥に見えるのは国道356号線。昔は鳥居から利根川まで一望できたのではないかな。そんな情景が浮かぶ鳥居。

鳥居から見える景色

由来については詳しく看板に説明あり。永禄年間(1558~1569)の創建で御祭神は武甕槌命。本殿は北向きで鹿島神宮と向き合っているとのこと。

由来について

本殿は、以前は茅葺だったそうだが流石に今は銅版葺きに変っていた。

拝殿

本殿の妻を覗くと孔雀?美しい色合いだ。茅葺の時から色付けが少し変わった様子。

少し下った北側の神社入り口。昔のことを知るわけもないのに利根川へ足が向かう参道だなあと思ったり。

隣は材木店
船木材木店

材木店の隣の敷地に見える煙突が気になった。少し古そう。

煙突

商店街の街灯には「金谷」とある。株式会社金谷。建築資材の会社?
手前に古い主屋が残っていたが解体されて新築が建っていた。

金谷
街灯に看板のみ残る
八坂大神
松屋 衣料品店

松屋は営業中。小島石油本店は店舗の店名も無くなり閉まっている。

小島石油
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滑川家住宅長屋門(国登録有形文化財)

右手に見えてきた重厚な長屋門!滑川家住宅長屋門である。野尻地区の河岸問屋が並んでいた名残を感じる邸宅。

滑川家住宅長屋門

個人宅なので非公開。外から静かに見学しましょう。

国登録有形文化財に登録されていてしっかりと説明看板もあるので助かる。

説明看板

主屋は明治6年(1873年)築。長屋門は江戸時代末期築。

看板に主屋の奥座敷の写真が載っているが、上級武家住宅風の仕様らしい。それもそのはず、座敷は江戸で加賀藩前田家の下屋敷を買い受け移築したという伝承が残っているとか。

江戸時代には代々「兵衛」を名乗り、名主で海運業に従事。薬局店、塩、煙草商店として広く地域住民に親しまれており、現在も隣で滑藤薬局は営業中。

旧銚子街道の景観
滑藤薬局
ファミリープランだ
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野尻町商店街

旧銚子街道は車通りも多くないので歩きやすい。街灯には「野尻町商連盟」とある。商店街のようだ。

野尻町商連盟
小島石油?

たばこや酒、日用雑貨を扱っていた宮内商店。閉まっている?

宮内商店

郵便局前の五十嵐魚店。右手の古い商家も気になる。

五十嵐魚店

右はブティックベル、奥に肉のおかの、左は島屋(コンビニ)。

そして重厚な石造りの蔵が見えてきた。こちらは現在店舗が閉まっている様子。

石造りの蔵

こちらも河岸問屋時代の名残なのかな?2012年のストリートビューを見ると「高木商店」と看板があった。

錆なのか?

昔はこの旧銚子街道沿いに個人商店が並びメインストリートだったことが窺える街並みだった。

角には滑川米店。

滑川米店

そしてこの十字路の正面、電柱の裏に「椎柴村道路元標」が埋まっている。椎柴村しか見えない。

椎柴村道路元標

少し利根川沿いをそのまま直進してみる。

古そうな門柱~

そして、利根川に面したかしや旅館。「坂東太郎(利根川)とヨシキリの宿」と銚子時間では紹介されている。泊まってみたい宿のひとつ。

かしや旅館

下町のいいちこさんがTwitterで投宿記録を載せている。ありがたや。

本日の宿、千葉県銚子市『かしや旅館』
成田線椎柴駅徒歩5分の駅前旅館。創業は天保時代(1840年頃)から続く老舗旅館で現在の建物は昭和50年頃に建て替えられている。創業当時は旅館のすぐそばを流れていた利根川の舟運業の他に菓子屋も営んでいたことが旅館名の由来である。

江戸時代創業!しかも料理店時代の鑑札も残っているらしい。行かねば!

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和田藤商店(醤油醸造)

そして再び見えてきた近代建築。旧銚子街道に面した和田藤商店だそうだ。

和田藤商店

店舗に隣接した石蔵。今は看板が撤去されているが、2012年のストリートビューを見ると「和田藤商店」の看板があり営業していた。

閉まっている

銚子時間の説明によると、明治時代にこの地に移り醤油造りを営んでいたそう。醤油醸造家!

石蔵

ネット検索しても詳しい築年数等出てこないが明治のものなのかな?近代建築リストにも露出していないのが不思議だな~

隣の邸宅も立派

そして近くにある銚子市立椎柴小学校へ立ち寄った。二宮金次郎像は見当たらず。

銚子市立椎柴小学校

創立明治9年。また、本校から5㎞離れた場所にある旧・椎柴小学校長山分校の校舎はワイズホーム長山という障害者福祉施設として活用されているらしい。いつか行きたい。

門柱は古そうだった

 

神逢塚

そして県道71号へ戻り椎柴駅方面へと戻る。

県道71号
正等院
伊勢参宮記念で建てられた門柱

商人中
池田家

住宅街を抜けて椎柴駅近くの通りへ。

 

軽食ラーメンはせがわ

駅前の通りも商店街として栄えていたのだと思うが今は静かに。銚子の西側・椎柴駅には利根川水運時代に栄えた街並みや旅館が残っており、また泊りに行きたいなと思いました。

 

 

 

 

(訪問日:2022年3月)

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