佐原「横宿通り」に残る看板建築と「旧山野医院」 -佐原⒁
佐原駅近くの横宿商店会に残っている、病院建築&看板建築!銀座通りに続き、横宿商店会の街並みも見逃せません~
旧山野医院
千葉銀行佐原支店から南、県道55号沿いに広がる「横宿商店会」へ。
前回の東通りとは一転、特に商店街の看板はなくシンプルな街灯に商店街名が書いてあるのみ。
焼きたてのパン「クリンクル」、店名が可愛い。
向かい側、駐車場の奥に異様な雰囲気を醸し出す建物がある。「旧山野医院」。
入り口の上に残っている看板には「小児科」と書いてある。現在は使われておらず、建物内は暗い。
昭和の病院建築の存在を知らなかった時から気になっていた山野医院。無意識に惹かれていたのかもしれない。
改装されてはいるものの、これが近代建築であると気付くのはだいぶ後のこと…
昭和5年、松井天山によって描かれた「佐原町鳥瞰図」を見ると同じ場所に「山野診療所」が描かれている。
そのイラストを見ていると現在の建物と似ているような気がするのは気のせい…?もし鳥瞰図に載っているものと同じだとしたら昭和初期には既に建っていたことになる。文化財として注目されないのはなぜだろう?
また、同じ山野医院かは定かではないが、明治30年から小野川沿いには山野医院があるようだ。「医療社団法人華光会 山野医院」のホームページに歴史がまとめられている。
もしかしたら、横宿商店会の山野診療所は支店?この病院はいつまで営業されていたのだろう?昭和62年の住宅地図では健在。建物内もレトロなまま使われていたのかな~佐原で特に気になる建物です。
佐原の看板建築群
横宿商店会には山野医院の並びに看板建築が並んでいる。こちらもまだ”看板建築”という概念を知らない時に惹かれて撮影していた。
今回もこの建物が撮りたくてこの商店街を歩いたのだった。県道なので交通量は比較的多い。
一番右から、コシカワ利用。大きな窓やガラスに描かれた”理容越川”の文字に惹かれる。
軒下には、高級香料チェーンのケンシの看板も。
中央は、とみきや金物店。赤鳩印のトタン板のホーロー看板付!赤鳩印のキャラクター?が真ん中にあるのが可愛い。
一番左は、小倉果物店。
どれも閉業しているが、昭和の商店街の様子を知る事ができる外観が残っていて嬉しい。
銀座通りに負けじ劣らず、この横宿商店会にも個人商店が所狭しと並んでいた。昭和5年の鳥瞰図、昭和62年の住宅地図を見ると何でも揃う商店街だったことを実感する。
看板建築の向かいにも2012年頃までは、高橋青果や洋品店の渋い外観を見ることができたが…
クボキカバン店、正栄堂、八木商店…いずれも閉まっている。
また、その向かいには2018年頃まで加納屋や佐伯洋品店の建物も。
本郷書店も今は無い。
横川岸商店会
また、横宿商店会のふじや薬局の横道にはさらに別の商店街が存在するようだ。
「横川岸商店会」。レトロな街灯が並んでいる。探索したかったが、この日は雨が本降りになってきたので足早に退散…(傘を持っていなかった)
再び横宿商店会へ。2017年頃まで営業していたと思われる「岡田菓子舗」も閉まっている。横から見ると蔵造りっぽい建物。
昭和5年の鳥瞰図にも載っている、好文堂書店。
2012年のストリートビュー
現在は閉店…こういう昔ながらの書店、最近ほとんど見かけないので本好きにとっては寂しい。
横宿商店会の南、中央商店街と合流。
(訪問日:2021年9月)
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