「中央商店街」の近代建築。旧千葉合同銀行支店・奈良屋呉服店の歴史 -佐原⒅

「中央商店街」の近代建築。旧千葉合同銀行支店・奈良屋呉服店の歴史 -佐原⒅

佐原の中央商店街つづき!小野川近くの建物について。室岡本店、銀行建築、奈良屋など…

室岡本店

前回の中央商店街の記事のつづき。佐原町道路元標があるT字路から東、小野川までの中央商店街を探索します。

「紀伊國屋商店」は、昭和の陶器や漆器などがリーズナブルな価格で販売されているのだとか。外観だけ見ていても気づかなかった!

紀伊國屋、虎屋

隣は和菓子屋の「虎屋」。明暦3年(1657)創業の老舗!昭和5年の鳥瞰図にも載っている。

隣の坂蔵屋寝具呉服店は解体、「モトキ洋品店」は営業中。

モトキ洋品店
更地の奥に見えた蔵

同じならびにある「室岡本店」。レトロな看板に惹かれる。”MUROOKA”英語表記なのがオシャレ~

室岡本店

昭和5年の鳥瞰図には「室岡酒店」と描かれている。現在は閉まっている。

ここも特に文化財登録や説明があるわけではないので歴史が分からず。

その隣には古本屋「武雄書店」。金土日に営業しているとのこと。古本屋さんも最近少なくなってきているので佐原に存在するのが嬉しい~

武雄書店
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旧千葉合同銀行支店

中央商店街沿いの洋風な建物は詳細を知らなくても、元々銀行だったのだろうなと思うくらい重厚な造り。

中央商店街の銀行建築

昭和4年(1929)築の「旧千葉合同銀行佐原支店」の建物。鉄筋コンクリート造2階建て。

旧千葉合同銀行佐原支店

千葉銀行は、昭和18年(1943)に千葉合同銀行、小見川農商銀行、第九十八銀行が合併。合併後、この建物は千葉銀行佐原支店として旧千葉合同銀行佐原支店利用されたそうだ。

雷紋模様

昭和49年(1974)に「第百生命佐原支店」として利用され、第百生命破綻後は蕎麦屋の小堀屋本店の別館として使用されていたようだ。現在は使われていない。

第百生命佐原支店へ

忠敬橋の東側にも「旧三菱銀行佐原支店」の建物が残っているが、佐原には2軒も銀行建築が保存されている。県内の銀行建築については以前まとめたが、現存しているのは10軒ほど。そのうち2軒が佐原に残っているのは素晴らしい。
【銀行建築】千葉県に残る銀行建築の一覧 ー近代建築

ちなみに、小堀屋本店は同じ並びにある。別館として使われていた時であれば建物内も見学することができたのだろうか。いつか建物内も見てみたいな…

中央商店街の看板

旧千葉合同銀行佐原支店の脇道奥には小さな稲荷社も。

旧千葉合同銀行佐原支店の脇道

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小堀屋本店

旧千葉合同銀行佐原支店の隣の「福新呉服店」は、建物内も見学させていただいたので次の記事でたっぷり紹介します。

福新呉服店

呉服店の隣は、蕎麦屋「小堀屋本店」。「黒切り蕎麦」が有名!

小堀屋本店(こぼりやほんてん)
呉服店と蕎麦屋の昔の写真

天保2年(1782)創業の老舗蕎麦店。店舗は、明治33年(1900)築。土蔵は明治23年築で千葉県指定有形文化財に登録されている。

説明看板

江戸時代から8代続く老舗の店舗は左右の座敷2階への急こう配な階段など明治時代の蕎麦屋の店舗形態をよく残す。

蕎麦屋を開業する前は醤油醸造を家業にされていたのだとか。だからお蕎麦が黒いのかな?と思ったけどそれは関係なく、日高昆布を練りこんだお蕎麦だという。

電話番号の看板も

老舗食堂さんが詳しくレポートされてます→小堀屋本店の黒いお蕎麦 / 千葉 佐原 1782年 (天明2年)

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旧正文堂書店

また、並びの「旧正文堂書店」も千葉県指定有形文化財!

旧正文堂書店

千葉県ホームページより

正文堂書店は、江戸時代から現在の場所で本の販売・出版を行ってきた店で、享保年間(1716~1736)にはすでに本の販売を行っていた。構造は2階建て土蔵造で、屋根は桟瓦葺切妻造。大黒柱はケヤキ材、2階の窓は開き戸、さらに横引きの土戸に板戸と、三重にも防火設備を施した土蔵造の店舗で、重厚な雰囲気をもつ建物である。

現存する店舗の田獲物は、明治12年(1880)築。外観は建築当初のまま、内部もほとんど変わっていないらしい。現在は書店ではなく、新しくお芋のお店が営業中。

被害が…

以前は、屋根の中央部分に竜の彫刻があったが、2011年の東日本大震災で瓦が全部落ちてしまうなど甚大な被害を受けたため、本物は別の場所に保管されているという。

模型の展示より
左、正文堂書店の写真

また、その上の「正文堂」の看板も縁の飾りが無くなっている。

現在の店舗
中央商店街
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奈良屋呉服店

中央通りで欠かすことができない「奈良屋」。小堀屋本店の向かいにあったが現在は駐車場となっている。

左手にあった

奈良屋呉服店の写真がこちら。まるで銀座三越のような豪華なデパート…!大正6年築、木骨モルタル造化粧煉瓦造りとのこと。

奈良屋呉服店の写真

煉瓦やピンク色に彩色された外観は異色だったと説明書きにある。どこがピンク色だったのだろう?ハイカラな建物だな~!

奈良屋と小倉時計店

奈良屋は、江戸時代中期の天明6年(1768)に京都から佐原に「奈良屋佐原支店」を出店。明治中期には佐倉や千葉に出張所を、千葉の店は「ニュー奈良屋」に発展。「千葉三越」として営業していたが、その千葉三越も現在解体中…三越千葉店跡地。ニューナラヤから三越へ。現在は解体工事中…

佐倉にも出展していたのですね!商店街のところにあったのかな?今度調べてみよう。

佐原の奈良屋呉服店は、昭和40年代半ばに閉店している。

菱屋商店の右手に奈良屋呉服店があった

昭和62年の住宅地図では、奈良屋ビルのところに「清見屋」と書いてある、2階は「レストランセイミヤ」が営業していたようだ。

昭和5年、鳥瞰図
昭和62年の住宅地図

セイミヤは駅前にも大型のショッピングセンターもあり、幅広く展開していたのですね!

中村屋商店

200年近く続いてきた奈良屋も閉店、跡形もなく、調べるまでは中央通りに存在したことすら知らなかった。些細なことでも記録に残しておくのは大事だな…

次は小野川沿いへ。

(訪問日:2021年8月)