佐原「忠敬通り」八坂神社周辺の街並みと「岡澤芳蔵商店」 -佐原⑵
佐原の探索、いよいよ街中へ!東側の八日市場から歩いてメインの小野川沿いへと向かう予定です。
現在、水郷佐原山車会館がある周辺の歴史を追ってみましょう!
佐原・八日市場
千葉県香取市佐原、県道55号線、香取神宮入り口の交差点から西へ歩きはじめる。
交差点があるこの辺りは、昭和5年松井天山によって描かれた「佐原町鳥瞰図」によれば「八日市場」と呼ばれていた。
八日市場、という地名が付くことから想像するに、8が付く日に市が開催されていたのだろう。同じ千葉県の匝瑳市八日市場の方が知名度的には有名だが、各地に市場の名の付く地名があるんですね~
ちなみに、八日市場の範囲は、山車会館の西側の交差点までの範囲。
県道なので交通量が多く歩くときは注意。両サイドに素敵な建物が並んでいるので、母と左右に分かれて写真を撮影…
花屋の隣にある和菓子屋「おざわ」はこの日は閉まっていた。
向かいにある建物は既に閉業しているが、昭和62年の住宅地図によると建具店。
その隣は、太田畳店。看板が残っている。
また、八坂神社鳥居の並びにあるのは、米殻店。その隣は昭和62年の地図では「八坂交番」と書いてある。
また、鳥瞰図を見ると八坂神社の鳥居の前には昭和5年の鳥瞰図によると「佐々木停留所」と描いてあるのが気になる。
乗合自動車の停留所があったのだろうか?現在は個人宅になっていて面影が無いが…
八坂神社と山車会館
県道に面した八坂神社の大鳥居と灯篭が目印。旧社格は村社で、佐原の大祭で知られる神社である。
当初、表口は境内西側の「浜宿口」にあったそうだが、明治初年の社殿改造の際に現在の八日市場側「八日市場口」、県道に面する形となったそうだ。それ以来、正門が二カ所存在し、1年ごとに役割が交代するらしい。
表参道も訪れる時期によって異なるというわけか…そんな神社、今まであまり聞いたことが無い!
境内では骨董市も定期的に開催されているようなので、骨董市を目的にまた訪れたいと思っている。
境内で気になったのが手水。一見変わった文字が描かれている。
漢字が読めない…皆さんは読めますか?
「美しい神社☆再訪したくなる神社」さんのブログ記事「佐原八坂神社(千葉県 香取市)」によると、水盤の文字は「かんそう」と読むらしい。
~水盤の文字は、「かんそう」と読み、《すすぐ・そそぐ・洗う》という意味です。
「盥」は、「皿」の「水」を「両手」ですくっている形からできた文字です。船橋市「二宮神社」、浦安市「清瀧神社」も盥漱と刻まれた水盤です。
”かんそう”と描かれた手水の水盤は、県内では2か所のみなのかな?
貴重なものを拝見できて嬉しい気分。
また、境内には「水郷佐原山車会館」もあるのでぜひ。佐原の美しい山車を間近で見学することができる施設。私は以前見学したことがあるので今回は割愛したが、毎年違った展示内容が楽しめるとのこと。
水郷佐原山車会館は、江戸優り文化の集大成であるユネスコ無形文化遺産(国指定重要無形民俗文化財)「佐原の山車行事」「佐原囃子」の伝統と文化を知ってもらうための施設です。
ユネスコ無形文化遺産として登録されているとは初めて知った。最近はコロナの影響で佐原の大祭が中止が続いているようで少し寂しいが、早く活気が戻る日が訪れると良いなあ…
岡澤芳蔵商店
県道へ戻る。八坂神社大鳥居の南に位置するのが「岡澤芳蔵商店」。平屋の蔵造りの店舗。現在は閉店しているのか、閉まっている。
軒下に残るガラス看板に注目!!
「代表美酒 爛漫 特約店 岡澤酒店」
調べると、爛漫は秋田県の日本酒で現在も販売されている。地元、佐原で醸造されたお酒ではなく遠く秋田県と特約店だったのは何か意味があるのかな。ちなみに、昭和5年の鳥瞰図にも描かれている老舗。
綺麗な個人宅、実はこれは新しい建物だった。
2012年のストリートビューを見ると、ブラザーミシンと編物教室の古い建物が写っている。
新築のように見えるが、以前の建物の雰囲気を残した趣のある民家に。
そして交差点の南側、角にガラス戸が美しい平屋の建物。
鳥瞰図には「かのふや」とあるのみでどのような商売をされていたのか…
また、その奥には鳥瞰図に「旅館スズ木屋」とある。流石に残っていないか、と思っていたら…
2015年のストリートビューで「旅館鈴木」の看板が写っていた。
現在は手前の木造建築が解体され、看板も撤去されているので閉業してしまったのだろう…
八日市場編おわり。次は引き続き県道沿いへ。
(訪問日:2021年8月)
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