佐原の老舗を探索 北川商店/清宮/亀村本店/白木屋本店など  -佐原51

佐原の老舗を探索 北川商店/清宮/亀村本店/白木屋本店など  -佐原51

佐原の探索編。以前も何度か歩いていますがまだ記事に残せていない歴史や建物をまとめます。今回は下新町通り周辺!

佐原「合資会社北川商店」

千葉県香取市佐原。今回は、佐原商家町ホテルNIPPONIAが並ぶ下新町通りを南へ進む。左手に見えてきた蔵造りの建物は、北川商店。

下新町通り
合資会社北川商店

軒下にしっかりと説明看板が設置されていて助かる。

北川商店について

創業は昭和13年(1938)。

こちらの土蔵は切妻平入、明治年間に建てられたものだそう。

建築当初は米蔵、昭和初期から初代店主が製餡業をいとなみ、小豆等を入れる穀物倉庫として使用し現在に至る。平成9年に全体的に復元修理。

もう一つ看板があった

「北川のあづき生あん」の看板もある。調べると、香取市牧野2035(佐原小学校の近く)にて店舗を構えているらしい。今も販売しているのかな。

北川のあづき生あん

また、製餡業で思い出したのが北川商店から南東の与倉屋大土蔵の向かいにある「柿原製餡所」。

与倉屋大土蔵
柿原製餡所

柿原製餡所も営業しているのかな、製餡所が二軒あるのも歴史ある佐原の町ならではな感じがする。2010年頃の「飲食万歳」という方の記事では、4種類販売されていた。特製あづきは、1㎏で740円だそう。

極めてシンプル。
四種類のみ。
・特製あづき
・砂糖を加えて濾したあんと白あん
・甘納豆

 

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佐原「清宮」 現NIPPONIA

話は戻って北川商店がある下新町通り。北川商店の向かいにあるのが現在商家町ホテルという高級ホテルとして利用されているお宅。いつも外から眺めるばかり…いつか泊まってみたいなあ。1名1泊4万…

佐原商家町ホテル NIPPONIA SEIGAKU棟

門から先は立ち入り禁止。

説明看板によると、「清宮(せいがく)」という穀物商・醤油醸造・質商等を営んでいた邸宅。創業は、享保15年(1730)。

説明看板

母屋は、江戸時代末から明治初期の漢学者であり、地理・歴史・儒学にも長じた清宮秀堅の旧宅。著者には、「下総国旧事考」「三郡小誌」「新撰年表」「成田参詣記」「北総詩誌」など多数。
大きな屋敷に母屋・門・黒塀・庭・土蔵が配され、元名主としての趣きが感じられる。母屋は、佐原に残る数少ない江戸時代の住宅建築で、間取りや部材にその特色を見ることができる。右側の土蔵屋根瓦は、「小江戸瓦」と称する特殊な瓦で、気品を感じる。

「成田参詣記」を記された方の母屋だったのですね!成田街道を調べていた時にお世話になったな~ この話を知るとさらに宿泊してみたくなる。

門からちらっと見える母屋
清宮家の蔵

 

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亀村本店(砂糖問屋)

引き続き下新町通りを南へ。左手に土蔵付きの重厚感のある店舗が見えてきた。この辺りは観光地の中心部ではないが見応えのある建物が平然と並んでいる。流石。

下新町通り
こちらの看板は消えかかっている

良かった、もう一つ説明看板があった。創業は享保3年(1718)の亀村本店。屋号は大和屋。

説明看板

店舗、土蔵共に明治期の建造物。牛乳箱、店先の植物と屋根瓦が風化している感じも良い~

初代大和屋三郎兵衛は大和の出で、現在11代目を数える。荒物、雑貨、食料品の卸業を多角的に経営したが、砂糖の販売でよく知られた。煮物が甘くないと「亀村が遠い」と言われた。多古街道の佇まいは、屋敷が大きく塀を廻らすなど独特の様相がある。本建造物は、袖倉を配し、間口が広い屋根面積の大きい重厚な平屋建て店舗で、座売りの形態を良く残す数少ない建造物。右側、通り土間の天井裏には女中部屋があるなど往時を偲ぶことができる。

砂糖の販売で有名だったそう!天井裏に女中部屋…建物内部も気になるつくりだ。

通常は閉まっている

説明看板を見ていて知ったが下新町通りは「多古街道」だったんだ。酒々井宿から佐原宿までの約42kmの街道の多古街道。

亀村本店の向かい

下新町通り沿いの比較的新しく見える木造建造物。

下新町通り

その向かいは若松屋と看板あり。「伊能紋章店」という紋章屋さん。書紋(かきもん)、初めて聞く言葉が並んでいる。書紋=筆でかいた衣服の紋所。

伊能紋章店

紋章店、他の街では見たことがない… 絶滅危惧の業種では?今は営業していなさそうだけど、昔のストリートビューを見ると「ネームマーク 伊能ミシン刺繍」の看板も。

建物も古そうだしどれくらいの歴史があるお店なのか気になる。

 

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白木屋本店

少し戻って亀村本店の横道を東へ。左手は観光駐車場で右手にお地蔵様や灯篭が並んでいる。白鳥石材株式会社の事務所らしい。

白鳥石材
震災で倒れたものを復元

その合間から奥にレンガ造りの煙突。以前の記事で書いた旧醤油醸造所の煙突がこんなところから見えるとは。残っていて嬉しい。→「与倉屋大土蔵」佐原の歴史と共に。明治築、300畳の旧醤油蔵 -佐原22

 

また、その並びには、白木屋染物本店。

白木屋染物本店
雨水受けが屋号入り

「美術染物 白木屋本店」

現在は閉じていそう

その並びに白鳥石材の事務所。裏手に石造りの蔵。

白入りの蔵
伊能忠敬記念館の像

話は変わるが小野川沿いのレストランの入り口にトロッコの引き込み線が残っている。もちろんトロッコも現存。いつか見学してみたい。

奥にはトロッコも

そしてふと、ある店舗を見たら昔の電話ボックスの扉が無造作に置かれていた。どこを歩いていても発見がある佐原…

 

 

 

(訪問日:2022年5月)

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