佐原・下仲町「深澤旅館」の面影とカフェー -佐原⑸

引き続き、県道51号線沿いの佐原の町並みを探索!今回は「下仲町」。比較的広くないエリアですが、鳥瞰図を見ていると意外な発見があり興味深かったです~
※記事を更新する順番を間違えてしまったので後日記事の順番を入れ替えます。
下仲町・旅館浮島屋
千葉県香取市佐原イ。県道55号線沿いを東から西へ探索中。
前回の記事で紹介した山車会館の西側にある交差点から、佐原上中町郵便局の東側の交差点までを「下仲町」と呼ぶ。

昭和5年松井天山によって描かれた「佐原町鳥瞰図」によれば、交差点の角には「旅館浮島屋」、その奥に「地裁」とある。旅館の姿はないが、現在も奥に「千葉家庭裁判所佐原支部」がある。
浮島屋旅館の隣は、「山村本店」。現在も美しい建物が保存されている。

2階のガラス戸が美しい。

Googleマップにはお土産店と書いてあるが、現在はお休み処?のような雰囲気。トトロが展示されていて可愛い。

「佐原まちぐるみ博物館」の看板。佐原まちぐるみ博物館は、佐原おかみさん会によって運営されており、現在42館の商家で展示品を公開しているとのこと!

今度は1日、まちぐるみ博物館を巡るのも良いかもしれない。

下仲町の街並み
下仲町、現在は営業しているお店が少ないが昔は商店が立ち並んでいた。山村本店の隣には蕎麦屋「小坂屋支店」が2012年頃は営業していたが現在は閉店。

その隣は、燃料や農産種子などを扱う「飯田清次郎商店」。昭和5年の鳥瞰図にも「飯田商店」として載っている。

飯田商店の隣の木造平屋は奥に蔵も構えており、立派な商店だったと思うが鳥瞰図には名前が載っていない。

柱には電話番号76番のホーロー看板も。

向かい側は一軒空き地になっているところがあった。

右にある建物は、昭和5年の鳥瞰図によると「新井菓子舗」。

そしてその隣には「深沢旅館」があった。現在は駐車場…流石に何も残っていないと思っていたらまたもや見落としがあった!

旅館があった裏通り、ストリートビューで見ていたら古い門柱が残っているのが見える。
「深澤旅館裏口」
2018年のストリートビューなので現在も残っているのかは分からないが、今度行くときに確かめたい。(後日訪問、残っていました)素敵な門柱、そして繊細な鉄製のアーチが見れて嬉しい。
カフェー?料亭?
また、下仲町で気になったことがある。昭和5年の鳥瞰図の下仲町の西側を見てみると…
新井菓子舗の隣の交差点の角に「カフェーいろは」。その横道を入っていくと「秋月楼」、「ゆや梅の家」「福田家」「カフェー福田屋」、「料亭須茂浅」「旅館加津」などカフェーや旅館が裏道にひしめき合っているのが分かる。
2012年頃まであった木造建築も一角全部更地になっており、当時の遺構は残っていないようだが、一番奥にあった「加納屋米店」の蔵と水槽が2018年のストリートビューには写っている。果たして現在も残っているのか…その奥には大きな煙突も?
煙突は、昭和62年の住宅地図では「要湯」銭湯があった場所。銭湯の煙突がつい最近まで残っていたのか…
下仲町、現在はひっそりとしているが、裏通りのカフェーや料亭、銭湯など大人向けの町だったのでは?と想像してしまう。昔の写真とかが残っていないか探してみたい。
(訪問日:2021年8月)
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