「金利」(現町並み観光中央案内処)佐原名物の”奈良漬”製造販売旧店舗 -佐原44
佐原の探索中、観光案内所で一休み。「金利」という奈良漬の製造を行っていたお店を引き継いだ施設で、偶然にも昔の資料を拝見しました。
佐原「金利」(現町並み観光中央案内処)
千葉県香取市イ498。小野川沿いの西側の川岸通りに面した「町並み観光中央案内処」。パンフレットやお土産もあり探索の途中で立ち寄ってみようと思った。現在、二階は喫茶店「茶屋花冠上川岸別邸」に。右側が入り口で1階奥は雑貨販売なので是非世界観を堪能してほしい。
今回は、左側が入り口の町並み観光中央案内処。入り口手前に説明看板が設置されている。
天保2年(1831)創業の「金利」という奈良漬の製造販売をしていた店舗だったそうだ。店舗は、明治後期、土蔵も奥に存在する。
佐原の里唄に「佐原名物、御酒に醤油、味醂に奈良漬、島の瓜」と謡われ、奈良漬の製造を行った。島の白瓜と味醂粕の奈良漬は、佐原で開発され各地に輸出(移出)され、江戸後期から昭和初期にかけて全盛を極めた。明治初期には米殻類卸商品としても上位をしめた。建物は、切妻平入り2階建て、裏に昭和初期の平屋部分を増築。敷地奥には土蔵を配している。店舗脇の小さな小屋は付属屋を思わせる厠
案内所の奥に金利商店の資料が展示されていたので見学。店舗脇の厠も気になるが陶器製の厠が残っていたりするのかな?
そして、佐原では奈良漬けが名物だったことも今はどれくらいの人が知っているのだろう。
一番興奮したのは金利商店の包紙!額に入れられ大事に保管されていた。
「佐原名産」の奈良漬。製造販売していたことが分かる。佐原全体で何軒くらい存在したのか、酒や醤油は現存しているので焦点が当てられることが多いが奈良漬の歴史も興味深いな。
いつまで営業してのだろう、不思議に思ってスタッフの方に聞いてみたが50年位前?とあいまいな回答だったので自分でも改めて調べたい。
さわら町屋館
そしてお隣にある「さわら町屋館」にも立ち寄った。こちらは、伝統的な佐原町屋の意匠で建築されたNIPPONIA SAWARAによる観光案内所。
広々とした座敷スペースでゆっくり休憩。二階からは小野川の街並みも眺めることが出来る。
そして今回、Twitterで拝見していた千葉県の市町村擬人化の漫画を描いている「ふさのはじっこ」さんの展示会が開催されていたので見学した。
佐原を舞台とした淡い色合いの絵に癒される。
普段見ている景色がより色鮮やかに。私は文章や写真での記録だけど、イラストという形での街の記録を残すのも素敵だなと思いました。
(訪問日:2022年5月)
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