佐原今昔写真と「金田ホテル・カフェー金田」その歴史 -佐原26
佐原に再訪!成田線沿線探索で、佐原で立ち寄りたい場所がいくつかあったので下車しました。以前、佐原編25記事書いたのですがその続きとなります。
佐原駅の今昔 古写真と現在
千葉県香取市イ。JR成田線「佐原駅」にて下車。土日だからか観光客が多くて駅前は賑やかだった。
また、駅入り口に貼ってある戦前の佐原駅前の古写真が目に留まった。お客様から提供していただいた写真のよう。
佐原駅前、今は無い建物が建っている。バス、タクシー会社の建物が並び、戦前から観光地として賑わっていたことが分かる。下は、鹿嶋潮来香取水戸行きのバスの絵まで描かれた建物。行列…
そして現在の佐原駅。整備が終わり、駅前広場が広くなってバス停も集約されている。
駅前広場が整備され、今まで見えなかった裏路地の建物が露出している。交番の隣の蔵のような建物が気になった。いつまで残っているか分からないので一応記録しておこう。
蔵の側面には、山城屋海苔店?海苔の倉庫だったのかな。店舗は今は無い。
2012年のストリートビュー、交番の横に店舗のテント屋根が見える。裏路地にもお店があったんだな~
そのさらに裏路地の奥。現在は閉じられている1階。
駅前通りも開発する予定あるのかな。駅に一番近い食堂魚八十も老舗なのでは?昭和初期の鳥瞰図にも載っているので今度入りたい。また、最近オモウマい店で紹介されたらしい!
金田ホテル・カフェー
そしてここからが本題!
佐原駅前通りを正面に行くと見える観光案内所の建物。
二階が魚民だがこちらのビルは「金田ビル」とある。金田…
佐原駅前に存在した「金田ホテル・カフェー」の名残では?!以前の記事にて→佐原駅周辺の歴史。繭市場・金田屋旅館・清見屋・丸越百貨店 -佐原⒂
昭和5年に松井天山によって描かれた佐原町鳥瞰図。佐原駅前の様子を一部掲載したが、道路の区画は今とほとんど変わらないので比較しやすい。
現在の金田ビルがある場所に、戦前は「カフェー金田」が存在した。向かいのセブンイレブンの広大な空間に「金田ホテル」。その名残がビルとして残っていることが嬉しかった。※カフェーは、現代のカフェとは違い、大正~昭和初期に流行した女給が酌をして洋酒類を飲ませた飲食店。
佐原の金田ホテルについては絵葉書も残っているし文献でも情報を確認できる。佐原を代表する旅館であった。料理屋も兼ねていて芸妓も出入りしていたそう。
「旅程と費用概算 昭和13年版」によると、部屋数は25。佐原の中では、木内、石橋につづく3番目の広さ。
「房総の観光 昭和10年版」には、佐原町旅館組合、カフェー組合が載っていて興味深い。
佐原町カフェー組合
東洋軒
末廣
ライオン
リラ
オーケー
パリ―
ギンネコ
天國
グリルフデ
ダイヤ
ハル
キカク軒
現在も残っているのは、東洋軒のみかな。
金田ホテルについては、大正7年以前は金田楼の名称だったことが絵葉書からも分かる。
こんなにマニアックな旅館の歴史、どれほど需要があるのか分からないのでここら辺で終わりにしておこう。いつか千葉県の戦前の旅館をまとめた本をつくりたい。
(訪問日:2022年3月)
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