小野川沿いにあった廃墟「カメラの三越」とみやじま美容院 -佐原⑻

小野川沿いのレトロな建物「みやじま美容院」。そして共栄橋近くにあった「カメラの三越」。個人的に好きな建物二つをピックアップ、共栄橋付近の歴史を辿ります。
みやじま美容院
千葉県香取市イ3408−1。横川岸の川沿いに「みやじま美容院」のレトロな建物がある。

まるでカフェーのような洋風な建物は、多くの人を惹きつけている。この建物を撮影しSNSに上げている人をよく見かけるな…

現在は営業されていないようだけど、昭和62年の住宅地図には「宮島美容院」と記載あり。最近まで営業していたのだと思う。

和風建築が多い佐原の町並みの中で、洋風な建物はとても目立つ。そしてオレンジ色、黒色のタイル、水色の窓枠など配色もハイセンス。

ドアの取っ手も斜め…

2階はバルコニー?
窓ガラスも大きく、店内はさぞ明るかったのだろうな~
扉の上のガラスには「みやじま美容院」の文字。


調べても竣工年は分からず。そんなに古い建物ではないと思うが昭和30年代の雰囲気を現在に伝えていて素晴らしい…

着物レンタルをして佐原で撮影する人も多いと聞いたけど、のんびり川沿いを歩きながら撮影したらきっと素敵な写真が撮れるだろうな~
佐原眼科
みやじま美容院隣の「佐原眼科」。

鬱蒼と茂った木々に覆われた病院。そして病院名が書かれた四角い看板のフォントが、おどろおどろしいというか、つげ義春が好みそうな雰囲気だなと思った。病院の入り口は路地を入った奥。
さらに並びには中村眼科医院。眼科が揃っている。

また、小野川沿いで見つけた水槽の上の竹細工。江戸時代の地球儀を表しているみたいだなと思った。伊能忠敬と関係あるのかな?

廃墟「カメラの三越」
小野川にかかる共栄橋。ここを渡ったら、私の好きな建物が目の前に…
無くなっている!!(泣)

私が最後に訪れたのが2020年2月。その時は共栄橋の西側の角に、3階建ての廃墟が存在した。

「カメラの三越」立体的な看板の配置含め、外観がとても好みだった。

上部には「天体望遠鏡&双眼鏡」、「フジカラー」のレトロな看板。
この時はまだブログを始めていなかったので適当に撮影していたのが悔やまれる…コロナ禍で佐原にも行けてなかったのでずっと気がかりだった。この1年半の間に解体、現在は駐車場に。

シャッターのところに、活用方法について意見を募集中とポスターが貼ってあるのが見える。結局、活用できずに解体することになってしまったのか…
最近、佐原も小江戸として多くの観光客が訪れるようになってきたので、こうしたボロボロの建物は景観上解体される運命なのだろうな…私が10年前に訪れた佐原の雰囲気とは変わってきている。

2012年のストリートビュー
カメラの三越古写真
また、Twitterのフォロワーの方から2018年5月に撮影した写真を提供して頂いた。

だいぶ前から廃墟状態だったのですね…その方は暗渠を探している中撮影したらしく、共栄橋のたもとに暗渠の合流口があったとか。

さらに、1995年10月頃の写真も提供して頂きました!営業中の頃の貴重な写真、ありがとうございます!

個人的に好きだった建物の過去を遡ることができて嬉しいです。この時はまだ看板も質素だったのですね~
街並みは刻一刻と変化する。改めて好きな建物はしっかりと撮影しておこうと自戒…
宮川旅館
また、地元の方によると、カメラの三越以前は「宮川(みやがわ)旅館」だったという情報も。その証拠の写真も提供して頂きました。
街道から宮川旅館に入る忠敬橋(当時は協橋)にあった「ホテル宮川」の案内看板です。 ~画像は昭和41年の香取神宮式年神幸祭~


(訪問日:2021年8月)
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