「福新呉服店」店内の”まちぐるみ博物館”で貴重な商家のお宝を見学-佐原⒆

「福新呉服店」店内の”まちぐるみ博物館”で貴重な商家のお宝を見学-佐原⒆

佐原の中央商店街にある「福新呉服店」へ。県指定有形文化財に登録されている建物も見応えがあり、さらに奥には昔のままの庭園も残っています。現在、「佐原まちぐるみ博物館」として開放されているので見学が可能です。

福新呉服店の歴史

香取市佐原イ-500。中央商店街の「福新呉服店」は写真の左の建物。

福新呉服店

創業は文化元年(1804)。店舗兼住宅は、明治25年の佐原の大火後の建築で、2階建ての店舗と平屋の住居部分で構成されている。

前・側面を厚塗り壁の周囲にさらに塀を廻らして防火構造にしている点から佐原の大火後の防火の意識の高さが分かる。

説明看板

説明によると、昭和初期に洋風を意識して下屋をテラスにし、窓には小割のガラス戸を、周囲を銅板で飾り立てたという。

昭和初期の意匠

道路に面した2階建ての店舗と奥の平屋・中庭・土蔵と連なる建物の配置は、佐原でよく見られた商家の屋敷とのこと。

中庭があることで風通しがよく夏場でも涼しかったそうだが、現在はクーラーが普及、中庭の手入れも大変であるため、典型的な商家の造りが残っている福新呉服店は貴重だと、佐原交流館の方に伺った。

店内の様子

現在、佐原まちぐるみ博物館として、福新呉服店が開放されているというので私たちも見学させていただくことに。

佐原まちぐるみ博物館
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まちぐるみ博物館の見学

店舗の奥に昔使われていた品々が展示されているとのことで、見学させて頂きました。

店舗の奥に

これは昔のレジスターだ!綺麗に保存されていて嬉しい~

展示品

「宝来金銭登録器」とある。昭和初期頃まで使用されていたようだ。

宝来金銭登録器
毎度ありがとうの文字が見える

銭箱や大福帳など…

福新呉服店の半被

ランプは完品の状態で残っているのは初めて見た。とても綺麗なので今も使えそう…!

ランプ

昭和12年正月の「佐原勉強商店双六」が興味深い。この中で、今も残っているお店はどれほどあるのだろう?カラー刷りで綺麗ですね~!

佐原勉強商店双六

大正11年に撮影された「福新呉服店恵比寿講」の写真。

大正11年

今でいうバーゲンセールのイベント時の写真。福新呉服店の前、大勢のお客さんで握っている。

下の写真は昭和4年撮影。奪い合いになっている様子…

昭和4年

貴重な品々がたくさん。これが無料で見学できるのが佐原の凄い所!!

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中庭と陶器製便器

店舗の裏に残る中庭。最近は中庭を取り壊している商家も多いというので残っているのは貴重。

趣のある中庭

確かに夏場でも体感温度が下がる気がする。昔の人々の知恵…

中庭にあるのが昔の離れの御手洗い。現在は使われていないが、こちらも貴重な品が!

御手洗い

扉を開けると、陶器製の便器が残っていた。

陶器製の便器

こうしたデザインのものは、染付(そめつけ)と呼ばれる。白い素地に酸化コバルトの呉須で絵付けしたもので、明治30年前後に陶磁器製の便器が広く普及。今回のものも同時期のモノだと思う。

詳しくは、INAXミュージアムブック『染付古便器の粋―清らかさの考察』がおススメです。

染付の美しい便器

修理して見学ができるようにと考えているそうだが、修理が滞っているとのこと。この便器は貴重なものなので見学することができて嬉しい。県内では数軒しか見たことが無い…

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仕掛けのある扉と土蔵

裏にある扉は、「3段階の自動扉になっている」とお店の方が実演してみせて下さいました。

裏口の扉が凄い

これは画像では伝わりずらいけど、下のレールの部分が斜めになっていて、開けたら自動で閉まるようになっている。まさに昔の自動扉!

自動扉

重い荷物を運び入れるとき、手がふさがっていてもこれであれば楽。

そして、扉の大きさも3段階変化!!

自由自在

荷物の大きさに合わせて扉も自由自在。こういう仕組みがある扉は初めて見た。昔の建築って古くて不便な印象があるかもしれないけど、私たちが思っているよりも使い勝手が良かったのかもしれない。

井戸
現在も使っている

奥には明治元年(1868)に建築された土蔵も。

土蔵も

明治の大火でも蔵は生き残ったそうだ。

明治の大火も生き残った

また、土蔵の下にあった小さな扉は空気孔?

その手前の土が埋まっている空間が気になったので質問してみると、火事になった際に蔵の入り口から火が入らないように、土、泥?で塗り固めるそうだ。

火事の時に

こちらは東日本大震災で落ちてしまった瓦。

「歴史を刻んだ尊い佐原の瓦」と紹介されている。現在は自由にメッセージを書くことができるらしい。

佐原の瓦
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福新呉服店の店内

福新呉服店の店内も、昔から使われてきた家具などが商品棚として使われていて、逆にオシャレな雰囲気に。私の部屋もこういう古いモノを大事にした部屋にしたい…

店内の様子
ミシン
三菱ミシン用ランプ
レトロな棚が可愛い

現在は8代目。藍染めを中心に粋な小物類やオリジナルのてぬぐい、風呂敷などが販売されている。(店内も撮影許可済)

店内の様子

昔使われていたであろう、福新呉服店の手ぬぐいが商品の下に敷かれていた。電話番号が149番?

福新呉服店の手ぬぐい
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福新呉服店で購入したお土産!

今回の佐原でのお土産として親に買った貰ったのが、こちらで販売されている小さな風呂敷とハンカチ。

色とりどりの風呂敷

真っ赤な紅葉が美しいふろしきは、家で花札をするときに机に敷こうと思い購入。これ1枚があるだけで一気に秋の気分が高まるのでおススメ。

紅葉のふろしき

私が普段使いする藤のハンカチ。淡い色合いが素敵。

藤のハンカチ

鳥獣戯画が描かれたふろしきも面白かったので購入。

鳥獣戯画 ふろしき

呉服店というと入るのに敷居が高いイメージがあるが、こうした小物類も販売されているので若い人でも気軽に立ち寄れると思う。奥の展示も合わせて店内に入ってみてはいかがでしょうか?

(訪問日:2021年8月)