富津市佐貫。城下町の歴史と現在を辿る。江戸~昭和の街並みが残る -佐貫⑶

富津市佐貫。城下町の歴史と現在を辿る。江戸~昭和の街並みが残る -佐貫⑶

江戸から昭和、現代にかけて受け継がれた佐貫の街並み。文化財の醤油店だけでなく、近代建築が現在もひっそりと佇んでいる。その街並みをもっと多くの方に知って頂きたく、数回の記事に分けて紹介します。

「富津市絵巻 佐貫城 城下町楽歩」

富津市のホームページに「富津市絵巻 佐貫城 城下町楽歩」という「江戸~昭和~語り継ぐ未来へ」のをコンセプトにつくられた手書きマップが掲載されている。私は宮醤油店に飾られているものを撮影させていただいた。

富津市絵巻 佐貫城 城下町楽歩

江戸時代に築かれた佐貫城(亀城)が右手に、町の中心は鹿野山の山道へと続いている。この日は左手にある駅から佐貫城までの道のりを往復した。

このマップは、当時の様子をイメージして描かれた想像図で、実際の街並みや建物とは異なる。手描き青文字の建物は現在営業していないので注意。それでも昔と比較しながら歩くことができるので記載されていて嬉しい。

今回の記事では、宮醤油店から郵便局、三宝寺周辺まで。

佐貫城跡 周辺

佐貫城跡周辺は続きの記事で紹介予定。

昭和の時代には、観光客を乗せたボンネットバスが町を走っており、駅前には車庫もあったという。今度は鹿野山まで足を延ばしてみたい。

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「宮醤油店」と土蔵

千葉県富津市佐貫。上記の看板をもとに現在の城下町の街並みを歩いてみよう。

佐貫の交差点

タマサ印の宮醤油店。お土産を購入したので、それは探索後の記事にまとめます~!

宮醤油店

ちなみに店舗含め建物は国登録有形文化財!

奥、宮醤油店

宮醤油店の向かい、角にある建物は旧播磨屋。先ほどのマップに描かれている。

旧播磨屋

旧播磨屋ってどんなお店だったのだろう?呉服店?

店舗の横には趣のある入り口も。中庭もある立派な邸宅のようです。

店舗横の扉

そして県道163号。現在の街並み。右手にあるのが文化財の宮醬油店。

現在の様子
宮醬油店 一部工事中
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醤油店の斜め向かい辺りに、目を見張る立派な近代建築が現存していた。

旧亀屋

亀屋という金物屋だったという。あまりにも重厚な土蔵二階建ての店蔵に、圧倒される。現在は閉業しており、個人宅となっている様子。

元金物屋

こちらも国登録有形文化財に登録されてもおかしくないほどの価値のある建物だと思う。

両側の銅板が美しいな~

 

建物の右側には古い門柱も。以前は電話番号のホーロー看板(おそらく五番?)も表札の下に残っていたようだが今は無くなっている。残念。

門柱
鬼瓦

その向かいは洋品店の「相模屋」。

相模屋

宮醤油店は伊勢屋、その向かいの播磨屋、そして相模屋と旧国名を指す屋号が多いのは、全国各地から商人が集まってできた城下町であること物語っている。鉤の手の手前には山形屋も。

相模屋のお隣にもモダンな建物!二階はピンク色の下見板張り、屋根が一部青銅のつくり。

旧岩附屋本店

乙女心に刺さる洋風な佇まいに、元郵便局かと思いきや、元酒屋さんとのこと。旧岩附屋本店。

窓が綺麗!!
コンクリート壁も良い

旧岩附屋本店、現在は営業していないが2014年頃まではお店の名残が残っていたので10年ほど前までは営業していたのかもしれないと思った。

二階の窓

向かいには佐貫郵便局。その隣には、銀行もかつては存在したらしい。現在は民家に。

佐貫郵便局
この辺りに銀行?
内野郵便局

内野郵便局の奥にも蔵が見える。また、店舗脇には街灯もあり商店街の街灯が昔はずらりと並んでいたのだろうな。

奥には蔵も

隣にある理容室も、外観は新しそうに見えるが窓枠が古いので近代建築か。

理容室店舗
気になる窓

そして県道を少し東へ進むと元精肉店?屋根の上に小さな換気棟?が併設している建物。

元精肉店?
屋根上に
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三寶山 勝隆寺

途中、勝隆寺の入り口が県道に面しているので立ち寄ることにした。冒頭のマップを見ると、寺の向かい辺りに旅館の建物があったようだが、今は見当たらないなあ。

三宝寺参道

三宝寺の門柱、施主は一番左が佐貫町の二見亀吉。一番右側東京神田の二見豊吉とあるので親戚関係だろう。二見家が気になる。

寺の門柱

参道の奥に佇む本堂。現在の本堂の建物は、関東大震災後に再建された大正14年(1925)築のものだそうだ。

本堂

勝隆寺と三宝寺が合併。戊辰戦争では、三宝寺に官軍が駐屯し、ここで勝山藩士二名が藩を救うために切腹したという。現在も参道左手に2人の墓が残る。

忠魂碑

雨冠に弓が三つの漢字、初めて見た。霛=霊と同じ漢字とのこと。

墓地の奥にある木造建築が気になった。倉庫?

墓地の奥に

佐貫の探索、まだまだ続きます。

次回の記事へ

(訪問日:2022年1月)

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