富津市佐貫「宮醤油店」。江戸時代創業の老舗、国登録有形文化財の店舗 -佐貫⑵
富津市佐貫には江戸時代に創業した老舗の醤油醸造店が現在も営業している。
今回は、佐貫城跡と城下町として発展した佐貫の街並みを探索した後に「宮醤油店」は立ち寄りました。美味しい醤油を皆さんも味わってみて下さい~
富津市佐貫の「宮醤油店」
千葉県富津市佐貫247。江戸時代創業の「宮醤油店」へ。最寄り駅のJR内房線「佐貫町駅」からは徒歩12分ほど。駐車場もあるのでアクセスは良い。
佐貫の交差点の南東に位置する宮醤油店。大きな和釜が目印。
創業は、江戸時代の天保5年(1834)。今年で188年目を迎える。
そして、Twitterアカウントも開設されているので情報発信に力を入れていて嬉しい!→(有)宮醤油店【公式】
プロフィールの文章を見たら、InstagramのURLも!!
1834年江戸時代より創業 きりり味わい江戸っ子好みの醤油を造っております 創業時からの伝統の木桶、天然醸造で職人が造る2年醸造の特撰醤油、ぽん酢等人気ですhttps://instagram.com/miyashoyu?r=nametagご注文はinfo@miyashoyu.co.jp 0439-66-0003
千葉県に残る醤油醸造店を巡っているが、意外と現存している店舗は少ない…昔は一つの町に1つ以上は存在したというが。
宮醤油店がつくる「タマサ印」。昭和4年に登録商標(明治40年に登録済)とのこと。
詳しい年表はホームページにまとめられているので気になる方はご覧ください。
国登録有形文化財「宮醬油店店舗ほか」
上総国佐貫藩一万六千石の城下町に創業した宮醬油店。現在の街並みについてはこれまでの記事で紹介してきたが、唯一文化財として保存されているのが宮醤油店の店舗である。
店舗をはじめ、店蔵・脇蔵・旧米蔵・東蔵・西蔵・主屋・離れ・奥蔵、9棟が平成19年に登録されている。
店舗は、明治25年(1892)の築。
千葉県のホームページに詳しくまとめられている。
先祖は伊勢の出身で、天保5年(1834)創業と伝えられる老舗の醤油醸造元。商標はタマサ印。
店舗は、明治25年(1892)の建築で、木造2階建、平入の切妻造、桟瓦葺。県道沿いに北面して建つ。桁行5間、梁間3間で、外観正面は1階に引戸、2階に格子窓が設けられてい。2階の軒は出桁造(でげたづくり)で、桁隠(けたかくし)に絵様繰形(えようくりがた、装飾として部材に付けられた彫刻や模様)が施されている。また、1階には揚戸が残り、現在も使用している。堅牢で丁寧なつくりであり、重厚な外観を形成している。
その他、店蔵は江戸末期のもので、土蔵造2階建、瓦葺。脇蔵は明治25年(1892)築で、土蔵造2階建、瓦葺。旧米蔵は明治40年(1907)土蔵造2階建、瓦葺。東蔵も明治40年(1907)土蔵造2階建、瓦葺。西蔵は明治5年(1872)土蔵造2階建、瓦葺。主屋は明治25年(1892)木造平屋建、瓦葺で、店舗の南方に連続して建つ。離れは大正14年(1925)木造平屋建、瓦葺。奥蔵は大正8年(1919)土蔵造2階建、瓦葺である。
明治に建てられた重厚な建物は、かつての城下町の歴史と宮醬油店の歴史を語り継ぐ生き証人。
宮醬油店の店内でお醤油を購入!
県道沿いに面した扉をガラガラ、と開けるとお醤油が店内で販売されている。前後にお客さんがいて車で買いに来られている方が多いようだった。
醤油の種類も色々。初めてでも丁寧に教えて下さるので安心して購入することができる。
かずさむらさきは、塩分控えめで高級、色味と香りが濃いよ~など。つゆは、低価格でそばやうどん、出汁を引き立てるのに良い、丸大豆は国産で甘みの無い大豆にこだわった数量限定品。たまごかけご飯にもおススメで、鉄腕ダッシュでも紹介されたとか。
右は瓶で、左は小さめのさしみ醤油。小さいサイズも販売されているので、歩き旅をしている身としては有難い。
代表的なたまさ醤油、特選醤油、うす塩醤油、かずさむらさき、超特選さしみ醤油など。その他夏柑ポン酢しょうゆやもろみ漬けも販売している。
ホームページでは、その他の商品一覧のところに味噌も販売していると記載されている。
佐貫の東に「久留里」という城下町がありますが、その近くで作られているこし味噌です。当初は自家用として購入し、使用していましたが、近所の方に大変好評のため、当社で取扱いを始めて現在に至っています。1kg入パックの「こしみそ」と「田舎風味みそ(糀入)」がございます。
久留里の近くでつくられている味噌?!まだまだ知らないお店がたくさんあるな…
明治創業時は、荒物もやっていたそうでその証拠に明治25年の広告が残っていた。
新築落成のため大売り出しの広告。醤油上荒物類、と醤油や味噌以外にも紙麻類、下駄傘、煙草、砂糖鰹節、畳、乾物などなど。
奥に残っている大きな暖簾は、江戸時代のもので伊勢本家から頂いたものだという。屋号には、金物の物差しが入っている。
昔は扉のガラス戸は無く、暖簾が表に出ていたとも。
今回は普段店頭にいらっしゃる番頭さんがお昼休憩に行っていたため、ご主人?に伺う事ができた。
「立ち寄ってくれてありがとう~歩くの頑張ってね」ととても優しくて嬉しかった。
美味しい醤油は後味も気持ちが良いものだなと思った。普段何気なく使っている醤油は、しょっぱくて後味が残るなと思う時がある。購入したお醤油は、長年愛される理由がよくわかる美味しいお醤油でした。
(訪問日:2022年1月)
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