佐貫・街並みの面影が残る元料亭/町役場/酒蔵。日月神社へ -佐貫⑷

佐貫・街並みの面影が残る元料亭/町役場/酒蔵。日月神社へ -佐貫⑷

城下町として発展した佐貫の街並み、後編です!

今回は町の中心、元料亭や町役場等、歴史的建造物が現存しているエリア。乞うご期待!

元料亭「力家」の現在

千葉県富津市佐貫。前回紹介した勝隆寺の辺りからスタート。

寺の向かい辺りには旅館が存在したようだけど…下の建物も気になる。

気になる建物

横には古い門柱も残っていた。

前回の記事で紹介した、富津市のホームページの「富津市絵巻 佐貫城 城下町楽歩」という「江戸~昭和~語り継ぐ未来へ」のをコンセプトにつくられた手書きマップ。これから歩く県道163号沿いの過去と現在が描かれている。

「富津市絵巻 佐貫城 城下町楽歩」

そして寺から少し東側にあるのが、こちらの建物!パッと見た瞬間に、元旅館?!と思った。隠しきれない趣深さ…

県道沿いの趣ある建物

現在は使われていない様子。空き家なのかな、勿体ないな…

竹の格子

二階の木製の手摺も外側は窓枠がついているが、元々の姿を想像して楽しい。

二階の手摺

入り口から館内を覗くと、綺麗に整備されていてごく最近まで使われていた様子。

館内

2014年のストリートビューを見ると、介護施設として使われていたことが分かった。

介護の家「ぶ・えもん」居宅介護支援事業所、「ひまわりデイサービス」。現在は看板がないので撤退してしまったのだろう。

手描きマップで見ると、ここは料亭、料理屋の「力家」。地元の方に伺うと、5~10年前に閉店したと話していたので介護施設が閉店したのがそれくらいの年数になるのかな。

2階の窓が広々

地元の方々の結婚式なども行われたのだろうか。
奥には格子窓や燈篭が残っていた。いや~、料亭の時代に伺いたかったです。

中庭?
外壁

さらに奥の敷地には蔵?倉庫として使われているような建物も。

奥には蔵?

検索しても佐貫町の料亭についての情報が出てこないが、芸者さんを呼ぶこともあったのか、当時の賑わいについてまたお話を伺いに行きたいな。

Advertisement

旧町役場

料亭の隣は、町役場!マップによると消防団、駐在所も隣に?消防団は現役。

旧町役場

門柱が残っているのが嬉しい~と思い興奮しながら眺めていると、裏に文字が描かれていた。
明治12年、宮又兵衛氏寄付とある。宮醬油店の先代かも?

明治12年の門柱

旧佐貫町役場から見る旧料亭「力家」。良い眺め。現在はどちらも静かだ。

「富津支所」と入り口の窓ガラスに描かれていた。過去のストリートビューを見ると「中央家畜診療所 富津出張所」だったようだ。

富津支所
支所の建物

旧町役場向かいの平屋の建物も、元々は表が看板だったのかな~

昔が気になる
蔵?

そして少し東側へ行くと蔵が併設している雑貨店。サラダ館の看板が撤去されているので閉店している?

蔵と旧雑貨店
やまがたや

日東バス「鹿野山口」。鹿野山への入り口を感じるバス停だ。

日東バス 鹿野山口

バス停の前には手焼きせんべい店「綾部商店」。

綾部商店

まいぷれ富津で取材されている記事「【綾部商店】天日干し生地を使用!鹿野山炭火手焼きせんべい」によると、昭和30年創業の老舗。三代続いている。

炭火手焼きせんべい

味付けの醤油は、同じ佐貫の老舗「宮醤油」!ふるさと納税でも出品されているそうなので気になる方はぜひ~
私はお正月だったため、お店が開いておらず残念。

門柱が良いな

綾部商店の建物もお見逃しなく!

横に門柱が残っていた
歩いて来た道
Advertisement

日月神社

綾部商店の脇の道を進むと神社の鳥居が見える。右手にも民家があったが更地になっていた。

日月神社 鳥居

案内看板に歴史が詳しくまとめられている。

当日月神社は、第十二代景行天皇の御代に日本武尊が東夷鎮定の途上、上総国鬼泪山鬼退治にあたりこの地に日月の幟を立て、尊崇する日月の神即ち天照大神、月読尊 に武運を祈った事がその創始であり、その後日月の神とその弟神素戔嗚尊が鎮座され日月神社として万民の安寧をお護り下さるようになった。

案内看板
鳥居
忠魂碑

参道の奥に本堂。かつて参道沿いには木々が並ぶ雰囲気のある神社だったのだろうか。

拝殿
手水鉢
燈篭

この石垣はいつから存在するのか…石って長生きするなあとしみじみ。

石垣

君津郡佐貫町八幡、二見…そういえば、以前の記事の勝隆寺でも同じ名字の方が寄進していた。

二見氏による寄進
拝殿の基礎

ブルーシートがかかっている…近年の台風の被害によるものだろうか。

境内社
何かが描かれている…?

また、拝殿の裏手の山を削って作られている小さな社。

拝殿はよく見たら、銅板葺き。
拝殿 側面

また、階段の柱の裏面にも寄進者?の名前が3人ほど刻まれている。
城内嶋田氏・佐貫町の伊勢屋又左衛門、川名村森善右衛門。

階段の寄進者

少し高台に位置する神社からの眺め。周辺の建物や木々が無くなって、さっぱりしている。

Advertisement

旧酒蔵「山田酒店」

城下町特有の屈折、鉤の手を体感しつつ佐貫城跡へ向かう。

鉤の手
古民家

そしてちょうど曲がった右手にあるのが、またしても歴史を感じる建物。現在は営業していない。

近代建築けっこう残ってますね~
蔵が併設

入り口の上の窓に「山田酒店」と文字が残っていたのが救い。

山田酒店

しかも、普通の酒を販売する酒屋ではなく酒造店だったとマップにも描かれている。

元酒造店

ちらっと敷地を覗くと、確かに煙突が残っていた!!

煙突も

佐貫の酒造店。検索しても情報が無いので廃業してから久しいのだろう。

千葉県内の人知れず消えた酒造店についても、今度一覧でまとめたいと思っている。歩いて偶然見つけた跡地も多いんだよな…

城跡へと繋がる道

民家の跡地、更地の中にポツンと残る井戸跡?

井戸跡

冷えた美しい湧き水が、止まることを知らず溢れていた。この水でつくられたお酒、きっと美味しかっただろうな…

綺麗な湧き水

(訪問日:2022年1月)

error: このコンテンツのコピーは禁止されています。