「佐倉市立青少年体育館」昭和初期の演武場が移築復元され現役 -佐倉17

「佐倉市立青少年体育館」昭和初期の演武場が移築復元され現役 -佐倉17

城下町・佐倉。ブログでも度々紹介していますが、今回は未だ訪問していない近代建築を中心に、レンタサイクル旅してきました!

京成佐倉駅~レンタサイクル

高校時代の友達を誘って京成線に揺られ、降りたのは京成佐倉駅。友達は初めて降りた~と話していたが普段都内で遊ぶことが多い同年代の友人にとって新鮮な街なのかもしれない。

京成佐倉駅下車

駅前の観光案内図にもある通り、言わずもがな名所は多数。

佐倉市観光案内図

駅前から「DIC川村記念美術館」行きの無料バスも出ている。20世紀美術を中心とした美術館。いつか行ってみたい。

DIC川村記念美術館行き

今回は、京成佐倉駅周辺の旧城下町を探索予定なのだが、駅前の観光案内所で自転車を借りて巡ることに。急こう配な坂があまりにも多く、徒歩で各地を巡るのは友達を連れて正直厳しいと判断。

京成佐倉駅前の交差点すぐ角地に観光案内所がある。

観光案内所(右)

今回は普通タイプの自転車を借りた。坂が多いので余裕がある方は電動タイプがおススメです!超楽!!

普通タイプ 600円/台
電動タイプ 1200円/台

※2023年4月1日より、レンタサイクルの料金を改定

利用時間 9:00~16:00

サイクリング

 

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佐倉市立青少年体育館

千葉県佐倉市江原新田54。まず最初の目的地は「佐倉市立青少年体育館」。何も疑問を持たずに私の後を付いて来てくれる友達には大感謝。

京成佐倉駅から西へ3.1㎞。国立歴史民俗博物館がある佐倉城址を超えてさらに西の印南地域はのどかな景色が広がっていた。

長閑な田園風景

佐倉市立印南小学校の丘の上に目的の青少年体育館があるらしい。鬱蒼と茂る階段を登る。

階段から上へ

階段を登ると古そうな木造建築が見えてきた。どうやら裏手のようだ。

体育館裏手
窓が良い感じ
持ち送り

裏手から正面へ回ってみる。正面の芝生広場は現在、駐車場になっている様子。

佐倉市立青少年体育館

左手にある入口に「佐倉市立青少年体育館」の看板が掲げられていた。訪れた日は土日で剣道の練習をする威勢の良い声が響いていた。指定管理者 株式会社オーエンスが運営している。

入口

収容人数は100人程度。市民が体育館を利用できるだけでなく、撮影地としての利用も可能。「瓦屋根に、木造の建物で格子状のガラスの窓が一面」と佐倉市ホームページでもロケ地一覧で紹介されている。

今回は子どもたちが利用していて建物に近づいて撮影していると不審者っぽい気がしたので、建物入口には近寄れず。本当は右手にも左右同じの破風造り屋根を構える入口がある!また、内部も格子天井だったり「演武場」の額が掲げられているのでいつか見学したいな。

 

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演武場から旧佐倉市立印南小学校校舎へ

木造1階建ての青少年体育館、元々は何の建物なのか、その歴史を知りたいが調べても佐倉市のホームページには載っておらずあまり着目されていない…?

美しい屋根の毛並み

さらに調べると、元々は千葉県立佐倉高等学校にて戦前、昭和17年に「武道場」として建てられたものだと分かる。

昭和17年(1942) 「武道場」竣成(昭和62年3月解体、佐倉市青少年体育館として移転復元)(佐倉高校沿革より)

その後、昭和62年に解体され平成元年に現在地へ移築。「演武場」は佐倉高校時代の武道場の額が残っている。

現在は施設の老朽化が問題となっており定期点検による早期修繕、また次のように記載あり。

*旧佐倉高校の演舞場を移設・活用した体育館であり、国登録有形文化財検討対象候補ともなる建築物とのことです。シロアリ対策等を含めた全体的な保全計画の立案等が望まれるのではないかと考えています。また、将来的に佐倉市全体のまちづくりの中で、当該建築物を他の用途への転用、再配置を含め、建築物の持つ魅力を最大限に活用する施策の検討も提案される可能性もあると思われますので、将来に渡り体育館として利活用を図るものかどうかの検討がされてもよいのではないかと思います。(https://www.city.sakura.lg.jp/material/files/group/49/19shimintaiikukan2.pdf

移築復元する佐倉市の文化財に対する熱意に敬意しかないです…

 

また、西側には古い門が残っている。

門柱も

「佐倉市立印南小学校」

佐倉市立印南小学校

あれ、階段下に佐倉市立印南小学校はあったはず?

調べると佐倉市立印南小学校のホームページに思わずウっとなるくらい細かい字で沿革がまとめられていた。佐倉市江原台地区の宅地開発に伴って生徒が増加、手狭になり学校が移転したとのこと。そういえば江原台って元々京成江原台駅が予定されていた住宅街だ…

慶應元年 佐倉藩成徳書院江原校として開校(6月19日)

明治 4年 廃藩置県後も佐倉県―印旛県の県立学校として存続

6年 旧県立学校を江原学校として設立

20年 江原校,角来校,飯重校を合併し,江原新田村に校舎新築開始(5月)

21年 印南尋常小学校と改称して,開校する(4月28日 記念日)

昭和 29年 町村合併により佐倉市立印南小学校と改称する

51年 新校舎で授業開始(1月)

えーっと、歴史を辿ると江戸時代の藩校としてはじまり?現在地に移ったのが明治20年なので門柱はその頃のものかな?

門柱のみが残る

旧佐倉市立印南小学校の遺構の門柱。跡地は青少年体育館として活用されている。

そして敷地の南側に木造建築が一部残っていた。これも遺構の一部!佐倉共同高等職業訓練校として使われていた。

旧佐倉市立印南小学校の一部
良い雰囲気

渡り廊下のような屋根とピンク色の外観が良い雰囲気。小学校時代はどんな教室だったのかな。

二三年生室

そして台地から眺める現在の印南小学校。

学校が移転となり、歴史ある武道場が移築って凄い。これからも大切にされてほしい。

 

(訪問日:2022年6月)

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